長年悩まされてきたノビエが激減。春先の青草にも明確な違いがありました。

体験レポート
1ヶ月経過したプリグロックスLとアグリ革命アクアの混用散布区

柚木隆憲さんは、土づくりや土壌改良剤で圃場の地力を上げることに注力しながら、質の高い米づくりを目指しています。そのための一番の課題となるのはノビエなどの「雑草対策」なのだとか。

「特にノビエは重要。水稲用除草剤でも対策をしているのですが、どうしても取りこぼしが出てしまいます。ノビエが残ってしまうと、稲の株張りも悪くなりますし、雨が降ったら倒伏しやすく、収量にも影響しますので本当にやっかいです」

そこでノビエ対策として、2020年の収穫後、プリグロックスLと稲わら分解促進材「アグリ革命アクア®」の混用散布による稲刈取後除草試験を行っていただきました。

プリグロックスLの『種子発芽後枯殺効果』への期待


プリグロックスLは、収穫後の散布でイネ科植物の種子に付着させることで、発芽後に種子が枯死し、以降ノビエの雑草発生密度を低減する『種子発芽後枯殺効果』を持っています。この点が、今回の混用試験につながったそうです。柚木さんは数年前から収穫後に稲わら分解促進材「アグリ革命アクア」を使用。その販売代理店であるアサヒミネラル工業株式会社の菊本裕司さんからの提案が今回の試験となったのです。

「収穫後の圃場にノビエが少し残っていたのが気になりまして、イネ科の植物に除草効果のあるプリグロックスLとアグリ革命アクアを混用散布して、翌年の雑草対策にどのような効果があるのかを試験させていただけないかと申し出たんです」と菊本さんは言います。

ノビエの発生が大きく減少し、除草作業が楽に


散布試験は20aの圃場を10aずつ区切り、プリグロックスLにアグリ革命アクアを混用した混用区と、アグリ革命アクアのみを散布した単用区とを比較しました。その結果、混用区では、散布1週間後くらいから圃場全体が茶色く変化し、1ヵ月後では混用区と単用区で明確に違いが見て取れるようになりした。そして年明けには雑草が全く見られなかったとのことです。その違いは雑草の勢いが増す春先にさらに明確に現れたようです。

【散布約1ヵ月後の圃場(2020年)】

プリグロックスLとアグリ革命アクアを混用散布した圃場とアグリ革命アクアのみ散布した圃場の1ヵ月後

 

【散布翌春の圃場(2021年)混用区は春の青草などの雑草がほとんど見られない】

プリグロックスLとアグリ革命アクアを混用散布した圃場とアグリ革命アクアのみ散布した翌春の圃場

「混用区では、春の青草などの雑草が少なく、代かきの作業がとても楽でした。また、田植え後のノビエもよく抑えられていましたね。中干し後にはノビエが発生しましたが、単用区ではノビエが密生していたのに、混用区では大した発生量は見られず、密生もなかったですね。正直、ここまで差が出るとは思いませんでした」と柚木さんは評価してくださいました。

【出穂後の圃場(2021年)混用区はノビエの発生が見られない】

出穂後のノビエが混ざる単用区とノビエが少ない混用区

混用散布で、春先の青草が少なく、ガスの発生も抑えられた


今回の試験では『種子発芽後枯殺効果』を実感いただけたほか、ガスの発生も抑えられたと柚木さんは言います。

「春に出現する未熟な青草や前年のわらが腐ると、ガスが発生し稲の根が弱ってしまいますが、混用区ではガスの発生も少なかったように思います」

続けて菊本さんからも、下記のようにご説明いただきました。

「浮きわらやガス発生が抑制された点は、アグリ革命アクアが、土中に残る前年のわらの分解を促進させるとともに、プリグロックスLの効果で青草などの雑草発生が減少したことに、起因していると思います。また、稲の初期成育の良さも、ガスわきが少なかったのが要因ではないでしょうか」

最後に、「1年だけでは総合判断はできませんが、ノビエが少なくなり、除草作業がとても楽だったのは確かです」と柚木さんからコメントをいただきました。今後は様々な課題を踏まえ、プリグロックスLの使用意向を検討していく予定です。

【プリグロックスLを使った稲刈取後除草の試験スケジュール】

柚木さんの雑草防除日誌_プルグロックスLを使った稲刈取後除草の試験スケジュール
柚木さんと菊名さん

生産者の柚木さん(左)・「アグリ革命アクア」の販売代理店アサヒミネラルの菊本さん(右)
※アグリ革命アクア®は、株式会社メニコンの登録商標です。
※掲載内容は取材当時のものです。

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