水資源

木々に囲まれた澄んだ川の水中と水面が見える風景写真

水ストレスに立ち向かう農業へ

水は、農業と食料生産を支える不可欠な資源です。しかし、気候変動による干ばつや異常気象、人口増加、土地利用の変化などにより、世界各地で水ストレスが深刻化しています。

農業では、限られた水資源を有効に活用しながら、安定した収量と品質を確保することが求められています。シンジェンタは、「より高い収量を、より低い環境負荷で」というサステナビリティ目標のもと、生産者が水ストレスに対応し、持続可能な農業を実現できるよう支援しています。

水を賢く使うための農業技術

水資源の課題に対応するには、必要な場所に、必要な量の資源を、適切なタイミングで投入することが重要です。

シンジェンタは、精密農業をはじめとする技術やサービスを通じて、生産者のより的確な意思決定を支えます。GPS、センサー、衛星画像、気象データ、土壌分析などを活用することで、圃場の状態を把握し、水、肥料、作物保護資材などの投入を最適化することができます。

こうしたデータに基づく栽培管理は、水利用の効率を高めるとともに、無駄を減らし、生産性と環境配慮の両立に貢献します。

土壌の健全性が、水への強さを育む

健全な土壌は、水資源の持続可能な利用において重要な役割を果たします。土壌の構造や有機物を健全に保つことは、保水性を高め、降雨時の水の浸透を促し、流出や侵食の抑制にもつながります。

シンジェンタは、不耕起・省耕起、被覆作物、輪作などの再生農業の考え方を含む栽培手法を通じ、土壌の健全性と農地のレジリエンス向上を支援しています。より健全な土壌は、干ばつや豪雨などの気象変動に対応しやすい農業の基盤となります。

変化する気候に対応する選択肢を、生産者へ

気候変動の影響を受ける農業では、干ばつ、高温、洪水などの非生物的ストレスへの対応が一層重要になっています。

シンジェンタは、厳しい生育環境でも生産性の維持・向上を目指す種子、作物の健全な生育を支えるバイオロジカル製品、栄養利用効率の向上に貢献する技術などを開発・提供しています。生産者が地域や作物、気候条件に応じて適切な選択肢を活用できるよう、製品、技術、知見を組み合わせた支援を進めます。

自社操業における責任ある水管理

シンジェンタは、農業現場だけでなく、自社の事業活動においても責任ある水管理に取り組んでいます。HSE(健康・安全・環境)方針および関連基準に基づき、地下水、地表水、第三者から供給される水を適切に管理し、用途に応じた水質の確保を進めています。

また、製造工程由来の排水、生活排水、雨水流出を含め、発生から最終放流まで適切に管理しています。製造拠点では、水利用を継続的に見直し、可能な場合には使用量の最適化・削減を図っています。サプライチェーンにおいても、水利用と排水管理の観点をサプライヤー評価に組み込んでいます。

2025年の水管理実績

2025年におけるシンジェンタの自社操業の取水量は、3,270万m³でした。売上高当たりの水使用原単位は、1.9リットル/米ドルです。

前年と比べ、水使用量と水使用原単位はいずれも8%減少しました。これは、一部拠点における冷却および灌漑需要の気象条件による変動を含みます。

なお、2025年の産業排水量は950万m³で、前年から7%減少しました。事業所内で処理した排水は520万m³でした。

流域とともに、水の未来を考える

水資源の課題は、一つの農地や事業所だけで解決できるものではありません。地域や流域、生態系とのつながりを見据え、さまざまな関係者と協働することが重要です。

コロンビアのEcoaguasプログラムでは、2025年に7つの重要な農業流域へ在来種の樹木43,000本を追加で植樹しました。この活動は3,660ヘクタールに好影響をもたらし、プログラム開始以来の累計植樹本数は200万本に達しています。

シンジェンタは、農業イノベーションと責任ある事業活動を通じて、水資源を守りながら、持続可能でレジリエントな食料システムの実現に取り組みます。