根腐病を抑え、シミや毛穴の目立たない“きれいな肌”に。ながいも栽培にはもちろん、根菜類の多い地域には心強い味方ですね。-ユニフォーム粒剤-

体験レポート
JA幕別町のながいも

作付面積は285haにおよび、ながいもの著名な産地として知られる幕別町。幕別町農民同盟の委員長を務めるほか、北海道農業士の肩書きもお持ちの黒沼茂樹さんに、ながいも栽培と病害防除のポイントについてお話を伺いました。

ながいもの種子委員を担い、地域のながいもづくりを牽引


農業歴40年の黒沼茂樹さんは、秋まき小麦、てんさい、ばれいしょ、あずき、ながいも、かぼちゃ、スイートコーンのほか、お父様から受け継いだ和牛を90頭飼育しています。

現在は幕別町農協長芋事業部会種子委員をされており、地域のながいもづくりの“畑の下の力持ち”ともいうべき存在。品種は「とかち太郎」を中心に、幕別町特産の「和稔(わねん)じょ」もあわせて2haの種いもを栽培されています。

根腐病の被害を抑えきれず、ながいも栽培をやめた生産者も


ながいもづくりで課題になっているのが土壌病害。「ながいもづくりを始めたころは連作をしても悪い影響はなかったのですが、2000年ごろから根腐病が問題になり始めました。その後は輪作を心がけているのですが、この地域は根菜類が多いため作物を変えても根物の連作を避けられないんです」と黒沼さん。

過去には根腐病の被害を抑えきれず、ながいもづくりをやめてしまった生産者もいるのだとか。黒沼さん自身も、その当時は将来的に栽培面積の削減を考えたほど根腐病に悩まされたといいます。


【きれいな肌のながいもと(左)と根腐病の病斑が目立つながいも】

きれない肌のやまいもと根腐病の病斑が目立つながいも

※写真はJA幕別町より提供

ながいもの根腐病対策に『ユニフォーム粒剤』は待望の薬剤


「種いもの品質は地域全体のながいも品質に影響を与えてしまうだけに、病害虫防除は徹底しなければいけません。種いもがしっかりとしていれば、食用のながいもづくりも楽になりますからね」という強い責任感から、これまでは輪作の組み合わせを変えたり、緑肥をまいたりと、耕種的防除に努めてきました。

そんな中、「ながいもの根腐病に使える薬剤がなかったので、ユニフォーム粒剤の適用拡大は待ちに待ったニュースでした。この地域は他の根菜を多く作っていますしね」。黒沼さんは2021年にユニフォーム粒剤を採用。2haの圃場すべてに10aあたり18kg処理されています。

溝切時にユニフォーム粒剤を処理後、トレンチャーで土壌混和


2021年は溝切(畝切)の時にユニフォーム粒剤をまき、その後、トレンチャーで深くまで土壌混和する方法を選んだとのこと。理由は作業スピードでした。

「トレンチャーの時速は200m程度。一方、溝切に使用している農機は時速5kmで走行することができます。だから、溝切時にユニフォーム粒剤を処理しておき、そのあとにトレンチャーで深くまで土壌混和した方が効率的と考えました。もちろん、トレンチャーと同時に処理した方が土壌混和のズレなどを防止できるため確実かと思いますが、今はGPSもありますのでその心配もほぼありません。」

【マーカーアームによる溝切時散布】

黒沼さんは、畝切りプランターでユニフォーム粒剤を処理

【マーカーアームに装備された薬剤ホッパに充填されたユニフォーム粒剤】

畝切りプランターに装備された薬剤ホッパに充填されたユニフォーム粒剤

【トレンチャーによる植え溝堀時同時散布
 ※以下写真は植え溝堀と同時に薬剤を処理し、トレンチャーで土壌混和した際のもの

畝切りプランターでユニフォーム粒剤を処理した後は、トレンチャーで攪拌

※写真3点は管内別生産者の事例

「とはいえ、処理方法は生産者によりさまざまですね。私のように18kg程度をまくのであればトレンチャー前に処理した方が効率的かと思いますが、もっと多くの量を処理するならトレンチャーと同時でもいいかもしれません」と、ご経験からのアドバイスもいただきました。

病気を予防することで、シミの少ない“きれいな肌”に


2021年のながいも圃場は比較的土壌の状態が良く、保険的な意味でユニフォーム粒剤を使用したため根腐病への効果は測りにくいものの「明らかに肌のきれいな、ながいもが穫れるようになりました」という黒沼さん。

JA幕別町の谷山課長も、その効果に確かな手応えを感じてくださっています。「ユニフォーム粒剤を使用した生産者の方は全体的に品質が底上げされ、歩留まりも上がっている印象です。ユニフォーム粒剤がながいもの根を腐敗させるリゾクトニア菌を抑えることで、シミや毛穴の目立たない、いわゆる“肌のきれいな、ながいも”になった結果と考えています。」

また、「JA幕別町ではながいもの品質をA・B・Cの3つのランクに分けているのですが、2021年度は品質改善に苦労されていた生産者の方がユニフォーム粒剤を使用したところ、A品率が向上した事例が多く見られました」とのことです。

【出荷を持つ幕別町の食用のながいも】

出荷を持つ幕別町の食用のながいも

【ユニフォーム粒剤を使った「ながいも(種いも)」の根腐病に対する防除スケジュール】

ユニフォーム粒剤を使った「ながいも(種いも)」の根腐病に対する防除スケジュール

"魅せる農業"を追求しつつ、味にもとことんこだわりたい


高品質な種いもづくりを通じて地域のながいもづくりを牽引し、ひいては幕別町の農業全体に貢献している黒沼さん。「農業者以外の方にも“農業っていいな、農業って素晴らしいな”と思っていただけるような“魅せる農業”を追求していきたいと考えています。そのためにも見た目はもちろん、味にもとことんこだわった作物をつくっていきたいですね」と今後へのビジョンを語ってくださいました。

【JA幕別町のながいも選果風景】

JA幕別町のながいも選果風景

 

北海道中川郡幕別町 黒沼茂樹さん(中央)


北海道中川郡幕別町 黒沼茂樹さん(中央)
JA幕別町 農産部青果販売2課の谷山光一課長(左)、柚原祥吾係長(右)

※掲載内容は取材当時のものです。

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