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加害部が腐敗して収量減をもたらす、ねぎの「ネダニ」をしっかりと防除するために

病害虫・雑草コラム

ねぎの重要害虫である「ネダニ」は、防除が難しく作物に大きな被害をもたらす土壌害虫です。防除の重要性と実際の防除対策について、秋田県農業試験場 生産環境部 病害虫担当主任研究員(現 秋田県山本地域振興局農林部)の菊池英樹さんにお話を伺いました。

秋田県のねぎの問題害虫について教えてください。


【秋田県農業試験場 生産環境部 病害虫担当 主任研究員(現 秋田県山本地域振興局農林部)菊池英樹さん】

秋田県農業試験場 生産環境部 病害虫担当 主任研究員(現 秋田県山本地域振興局農林部) 菊池英樹さん

 

難防除害虫「ネギアザミウマ」、そして「ネギハモグリバエ」が基幹防除の必要な重要害虫です。また、そのほかにシロイチモジヨトウ、ハスモンヨトウ、ネギコガといったチョウ目害虫もあげられますが、これらチョウ目は発生したときに対応する臨機防除の位置づけです。

土壌の害虫で言えば、ねぎの品質・収量に大きく影響する「ロビンネダニ」が問題害虫と言えますね。

ねぎの「ネダニ」の発生傾向と、発生しやすい環境について教えてください。


県内では県北部の能代(のしろ)地域や県南部の雄勝(おがち)地域といった、ねぎを長期間連作している地域でロビンネダニの発生が多く、問題になっています。発生しやすい条件として、砂地・連作といった要因が重なる地域の圃場は発生密度が高いようです。

また、ロビンネダニに近縁の「ネダニモドキ属」のネダニ類がいま西日本を中心に問題になっており、ロビンネダニに効果のある薬剤が効きにくいという事例も報告されています。

【ロビンネダニ】

ロビンネダニ

 

【ロビンネダニ(盤茎部に寄生する様子)】

ロビンネダニ(盤茎部に寄生する様子)

 

「ロビンネダニ」の特徴や防除の重要性についてはいかがでしょうか。


【ロビンネダニによる被害】

 ロビンネダニによる被害

 

ロビンネダニは、ねぎの根と、葉の基部にある“盤茎(ばんけい)部”に寄生して、加害する害虫です。盤茎の真上には生長点があるので、加害されるとねぎの生長が止まり、そこから腐敗して収量に直接影響します。甚発生の場合には収量半減や圃場全滅という事例も報告されているので、防除をしっかりと行うことが大切ですね。

また、ロビンネダニに加害された部分はフザリウム菌(ネギ萎凋病の病原菌)が繁殖しやすく、お互いの被害を助長する関係にあると考えられるので、ネギ萎凋病などの病害防除をしっかりと行うことも重要です。

「ロビンネダニ」の防除のポイントについて教えていただけますか。


【ロビンネダニ防除では耕種的防除も重要】

ロビンネダニ防除では耕種的防除も重要

 

一番重要なのは、ネダニに有効な土壌処理の殺虫剤を定植時に施用し、土壌中の密度を低減することです。以前は有機リン系の殺虫剤を土壌処理していましたが、登録が失効し使えなくなったことで、生産現場が抱える防除上の課題になっていました。しかし、フォース粒剤が2018年にねぎのネダニ類に登録を取得したことで、ようやくネダニ防除が安定して行えるようになりました。

また、薬剤による防除とともに、ネダニの密度を増やさない耕種的防除が重要で、連作はできるだけ避ける、収穫残渣は圃場に残さないといった対策が挙げられます。そのほか、ネダニが好むフザリウム菌を原因とするネギ萎凋病を予防することも有効なので、薬剤防除や排水対策でネギ萎凋病を抑えるようにしましょう。

フォース粒剤は、ねぎの生産現場でどのように活用されていますか。


ロビンネダニは高温期に増加しやすいので、被害の中心は5~6月に定植して10~12月に収穫する作型の秋冬ねぎです。フォース粒剤は、処理層周辺にいるネダニの密度を低く抑えてくれるので、現場で非常に喜ばれていますね。

その一方、定植1ヵ月以降のネダニ生育期防除の場合、現状では株元に灌注処理する殺虫剤しか選択肢がありません。大面積となると大量の希釈水が必要となるため実施が難しく、実際には発生が認められた株にスポット的に処理をするぐらいで、生育期の灌注処理を実施できない生産者が多いようです。このため、ねぎの生産現場では、生育期に使用できるネダニ防除の殺虫剤が増えてくれるのを期待しているところです。

【ネダニ類(ロビンネダニ)に対する防除効果】

ネダニ類(ロビンネダニ)に対する防除効果

 

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