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カメムシの防除 :斑点米カメムシ発生を低減する、圃場周辺の雑草管理

病害虫・雑草コラム

斑点米カメムシの生態や特徴、上手な防除の仕方などをわかりやすく解説します。水田内の雑草管理や畦畔等の発生源対策で斑点米被害のリスクを低減させ、今後の営農にお役立てください。

水田内の雑草管理について


アカスジカスミカメは、ノビエやイヌホタルイ等に産卵

アカヒゲホソミドリカスミカメとアカスジカスミカメは、水田内において寄主として産卵する草種と産卵部位で、大きな違いがあります。
アカヒゲホソミドリカスミカメは稲の出穂後、水田内に成虫が侵入。稲の穂や葉鞘に産卵してその後幼虫が発生し、登熟期後半に斑点米の被害をもたらします。このとき、水田内の稲以外の雑草にはほとんど産卵しないので、水田内に雑草が多い場合に、水田内への侵入が助長される事例は確認されていません。

一方、アカスジカスミカメはアカヒゲホソミドリカスミカメのように稲に産卵する場合は少なく、水田内の雑草管理が適切であれば幼虫が多発することはないため、斑点米をもたらすのは主として水田内に飛び込んでくる成虫によるものです。しかし、水田内にノビエやイヌホタルイ、シズイ等が多いと、これら雑草の穂に産卵するため、幼虫が多発生し斑点米被害が甚大になります。

【水田内で多発生しているイヌホタルイ】

水田内で多発生しているイヌホタルイ

 

【水田内雑草発生程度別のすくいとり虫数】

水田内雑草発生程度別のすくいとり虫数

 

適切な本田除草剤活用により、アカスジカスミカメの寄主となる雑草を排除

また、アカスジカスミカメは、産卵部位が穂に依存します。ノビエやイヌホタルイ等はイネより出穂が早いため、これら雑草の多発圃場では7月中からカスミカメムシ類の成虫はもとより幼虫が多発生します。したがって、水田内の雑草管理により斑点米被害のリスクを低減するため、適切に除草剤を使用し、アカスジカスミカメの寄主となるノビエやイヌホタルイ、シズイ等のカヤツリグサ科雑草を排除する必要があるのです。

畦畔等の発生源対策


6月上旬から稲の出穂10~15日前までの水田周辺雑草により、カスミカメムシ類の密度を低減。

アカヒゲホソミドリカスミカメやアカスジカスミカメは、主として畦畔等のイネ科雑草で増殖し、出穂期以降に成虫が水田内へ侵入します。そのため、稲の出穂期前に畦畔等のカスミカメムシ類の密度を低減できれば、水田内に侵入する成虫個体数を抑制し、斑点米被害のリスク低減につながるわけです。カスミカメムシ類の生息密度を低下させるため、草刈りや除草剤の利用などにより、6月上旬から稲の出穂の10〜15日前までに水田周辺の除草を徹底して行い、その後、水田内に追い込まないために収穫2週間前まで除草を控える耕種的防除対策は重要です。

【無防除田における発生推移】

無防除田における発生推移

 

【蛙畔におけるカスミカメムシ類の発生推移】

蛙畔におけるカスミカメムシ類の発生推移

 

出穂期前の蛙畔防除は、カスミカメムシ類の水田内への侵入抑制に効果的

さらに、稲の出穂期の約1週間前頃に効果の高い茎葉散布剤を用いて、畦畔防除を行うと、水田内に侵入するカスミカメムシ類の密度抑制に効果的です。

【水田内におけるすくいとり成虫数】

水田内におけるすくいとり成虫数

 

転作ダイズ圃場など水田以外の発生源対策も重要

また、水田エリアには、イネ科植物が主体の牧草地や休耕田等のカスミカメムシ類の増殖地が多く存在します。特に、転作ダイズ圃場が点在している場合、なかには管理不徹底によりノビエ等のイネ科雑草が多いダイズ場も散見され、カスミカメムシ類の発生源となっています。このような発生源が水田に隣接している場合、そこから多くの成虫が水田内に侵入し、斑点米被害をもたらす原因に。したがって、地域で連携を密にした水田以外の発生源対策も重要なのです。

【ノビエが多発しているダイズ圃場】

ノビエが多発しているダイズ圃場

 

【イネ科雑草が多いダイズ圃場の隣接水田におけるカスミカメムシ類成虫の圃場内分布】

イネ科雑草が多いダイズ圃場の隣接水田におけるカスミカメムシ類成虫の圃場内分布

 

秋田県農林水産 技術センター
農業試験場 生産環境部

高橋 良和さん

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