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レタスの重要害虫と上手な防除方法

病害虫・雑草コラム

シンジェンタが行ったアンケートでは、「レタスでお困りの害虫」のトップ5は、1位オオタバコガ、2位ヨトウムシ、3位ナモグリバエ、4位が同率でカブラヤガとハスモンヨトウでした。これらレタスの害虫トップ5にスポットを当て、その生態や防除ポイントをご紹介します。

幼虫が新芽内に潜り食害「オオタバコガ」


オオタバコガの生態と被害

【オオタバコガの幼虫】

オオタバコガの幼虫

 

オオタバコガの幼虫の体色は淡緑色から茶褐色まで変化に富んでいます。成虫の前翅長は約15mmで、前翅は、雄成虫が黄色身を帯び、雌成虫がやや赤みを帯びているのが特徴。若齢幼虫は新芽内に潜って食害するので、育苗期から結球前は被害が大きくなります。

また、展葉した葉の食害はほとんどが成熟幼虫によるもの。レタスではハスモンヨトウなどと混在して発生し、9月から多発生になり11月に終息。中齢幼虫以降は食害量も多くなり、結球後でも球に潜って食害するほか、外葉を食害することもあります。

オオタバコガの防除のポイント

圃場を絶えず観察して、初期被害を発見次第、薬剤散布を実施。広食性のため周辺作物や雑草が発生源になることが多いので、周辺作物の防除や除草対策も組み合わせて実施しましょう。多くの薬剤に感受性が低下しているので、薬剤の選定には注意が必要です。

定植直後の発生に要注意!「ヨトウムシ」


ヨトウムシの生態と被害

主に夜間に活動して農作物を食害する大型のガ類の幼虫をヨトウムシ(夜盗虫)といいます。幼虫の体色は、1齢が淡緑色で頭部が黒く、3齢から徐々に暗色に。4齢では茶褐色に変わって、日中は土中や結球部に潜り、夜間は葉上を食害します。

春季の発生が少なく、9月から10月後半に多発生。1齢幼虫、2齢幼虫は、集合して食害するので、葉表に白く透けた円形状の初期被害が出現。3齢幼虫は、成熟するにつれて他の株へも移動し食害量も増加します。
結球開始以降の食害は、外葉が中心なので、球伸びは劣るものの収穫は可能。しかし、定植直後から発生すると、新芽を食害されて収穫不能になることがあるので要注意です。

ヨトウムシの防除のポイント

圃場をよく観察し、若齢幼虫の被害を発見したら葉ごと摘み取りましょう。被害が増えてきたら薬剤防除を開始し、周辺作物の防除や除草対策も組み合わせて実施します。

葉肉内を潜りながら食害する「ナモグリバエ」


ナモグリバエの生態と被害

ナモグリバエの成虫は灰黒色で体長は約2mmで、低温期に蛹化したものは黒色、高温期に蛹化したものは白色。ふ化した幼虫が葉肉内を潜りながら食害し、食害痕が不規則な線状になることから、"絵描き虫"とも呼ばれています。絵描き症状が多発生した葉は、その後枯れることもあり、株の生育に影響を与えるほか、越冬成虫が吸汁のためにあけた多数の小穴は、淡褐色に変色して収穫時まで葉に残るので、商品価値を低下させます。

ナモグリバエの防除のポイント

レタスの苗の定植時に薬剤を処理するのが、本圃での初期生育防除に効果的。本圃で初期被害を確認したら、薬剤散布を行いましょう。周辺作物の防除や除草対策の組み合わせも効果的です。

圃場内外のイネ科雑草からやってくる「カブラヤガ」


カブラヤガの生態と被害

作物の発芽後の茎や、定植後の苗の茎を食害する"ネキリムシ"の1種。ネキリムシにはカブラヤガ幼虫のほかに、タマナヤガ幼虫などが同様の被害を及ぼします。被害は露地栽培の定植直後に発生し、施設栽培で発生するのはまれです。レタスには直接産卵せずに、圃場内外のイネ科雑草に産卵します。一般的には幼虫による作物被害が3~5月と9~11月に発生。定植前の耕耘や除草により、中齢以降の幼虫が餌としていた雑草がなくなり、定植直後のレタスの圃場に移動してきたカブラヤガが茎葉を食害するケースが主になります。

カブラヤガの防除のポイント

定植10日前に耕転や除草剤散布を行い、幼虫を餓死させてから定植をするようにします。 苗の定植時には、薬剤を土壌処理し、定植後に被害が見られたら、株周辺の土中を掘り幼虫を捕殺するようにします。

多発生すると株全体を食べ尽くす「ハスモンヨトウ」


【ハスモンヨトウ】

ハスモンヨトウ

 

ハスモンヨトウの生態と被害

ハスモンヨトウの成虫の前翅長は約17mm。雌雄で前翅の紋様が異なります。2齢幼虫からは、腹部第1節に1対の黒い斑紋が生じるのが特徴です。卵塊で産卵し、1、2齢幼虫は集合して葉裏から葉表の表皮を残して食害するので葉表に白く透けた円形状の初期被害が現れます。3齢幼虫の後期から徐々に他の葉などに分散して食害を開始し、暖地の平地では8月から9月に多発生します。

ヨトウムシ同様に、幼虫は成熟につれて食害量も増加し、多発生時には株全体の葉が食べ尽くされます。結球開始以降の食害は、外葉が中心なので、球伸びは劣るものの収穫は可能。しかし、定植直後から発生すると、新芽を食害されて収穫不能になることがあります。

ハスモンヨトウの防除のポイント

若齢幼虫の被害発見次第、葉ごと摘み取ります。周辺作物の防除や除草対策の組み合わせも効果的。多くの薬剤に感受性が低下しているので、薬剤の選定には注意が必要です。

レタス害虫の上手な防除の仕方とは


圃場をよく観察し、レタスの生育ステージと発生する害虫に応じた薬剤で対処することが重要です。育苗期や定植時に予防効果の高い薬剤で苗を守り、生育期には速効性や残効性のある薬剤をローテーション散布するのが効果的。

例えば、育苗期のアクタラ粒剤5や定植時のジュリボフロアブルで約1ヵ月間害虫を予防し、生育期では速効性のあるアファーム乳剤サイハロン水和剤で害虫密度を下げ、残効性のあるアファームエクセラ顆粒水和剤マッチ乳剤で長期間害虫を抑えるといった使い方がおすすめです。

出典:シンジェンタジャパン(株)発行「レタス栽培の知恵袋」