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キスジノミハムシの食害と生態

病害虫・雑草コラム

キスジノミハムシはアブラナ科の野菜に寄生する害虫です。とりわけだいこんでは、幼虫による根の食害が深刻な問題となります。キスジノミハムシの食害と生態を解説します。

キスジノミハムシ:ノミのように鋭く跳ねることが名前の由来


【写真1 成虫】

成虫

 

キスジノミハムシはカブトムシやクワガタムシと同じ甲虫の仲間。成虫の体長は約3mmと小さく、左右の翅に黄褐色の帯状の斑紋がある(写真1)。後脚はよく発達していて、ノミのように鋭く跳ねる。キスジノミハムシという名前はこうした特徴に由来する。

だいこんの食害が最も大きな問題に


キスジノミハムシはだいこん、はくさい、かぶ、こまつな、チンゲンサイなどアブラナ科の野菜に寄生する。成虫は葉を、幼虫は根を食害する。多発すると、葉に小さな穴が点々とみられるようになる。幼虫による根の食害が最も問題となるのはだいこんである。幼虫が食害した痕が網目状に残り、いわゆる「なめり」状となる(写真2、3)。内部に食入する幼虫もおり、激しく食害されると、奇形となり肥大も抑制される。夏だいこんの栽培が多い高冷地で問題となりやすい。

キスジノミハムシの発生のピークは7~8月


キスジノミハムシの成虫は4~10月まで発生し、この間、3~4世代を繰り返す。発生のピークは7~8月。産卵は土壌の浅いところに数粒かためて行われる。ふ化した幼虫は根部を食べて発育する。幼虫の頭部は褐色で胴体部分は乳白色。土中で蛹となる。卵から成虫まで期間は約1ヶ月。成虫で越冬する。雑草ではイヌガラシやスカシタゴボウなどに寄生する。

防虫ネットで侵入を防ぐ


キスジノミハムシの成虫を防除するほか、幼虫に対しては粒剤を散布する。だいこんの場合、栽培初期ほど被害が大きくなる。根部に被害が出てからでは手遅れである。成虫が観察されたら、早めに対策をとるようにする。
こまつなやチンゲンサイなどでは防虫ネット(0.6mm目合)の利用も考えたい。ネットの裾の部分に隙間があると、そこから侵入するので、注意が必要である。

静岡大学農学部生物生産科学科
応用昆虫学研究室

西東 力