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稲穂枯れ症とは?代表的な「ごま葉枯病の特徴と防除方法」について

病害虫・雑草コラム

「稲穂枯れ症」は出穂後にも防除が必要になる穂の病害です。ここではもっとも多く見られる「ごま葉枯病菌」による穂枯れ症を中心に、発生の特徴と防除方法についてご紹介します。

もっともよく見られるごま葉枯病菌による「稲穂枯れ症」


稲の穂の病気にも、冷夏に発生が多くみられる穂いもち・稲こうじ病・葉鞘褐変病、高温・多雨で発生するもみ枯細菌病、どちらかというと暑い夏に発生が多い穂枯れ症・褐色米など多種類の病気があります。

【稲のごま葉枯れ病の写真】

稲のごま葉枯れ病の写真

 

暑い夏に発生が多い穂枯れ症は、穂軸には黒色の短い線や不鮮明なしみができ、籾には微細な斑点が多くできたり褐変したりする症状が現われるため、穂全体が汚れたように見え、症状が進むと穂が枯死して稔実が悪くなり、青米や茶米が増える穂の病気の総称です。この病気は、ごま葉枯病菌、褐色葉枯病菌、小黒菌核病菌、すじ葉枯病菌などが感染して起こりますが、もっとも普通に見られるのはごま葉枯病菌による穂枯れ症です。

ごま葉枯病はいもち病と並んで昔から良く知られている病気です。この病気は窒素・カリ・鉄・マンガン・マグネシウム・珪酸などが欠乏状態している老朽化水田や根腐れを起こしやすい泥炭土壌、養分が抜けやすい砂質土壌などのいわゆる「秋落ち水田」で発生しやすい病気ですが、戦後、全国的に実施された耕地整理や土壌改良、また、施肥の改善などによって昔ほど広い地域で発生することはなくなりました。しかし、現在でも場所によっては毎年のように発生して収量の減少や米質の低下を引き起こしている圃場があります。

ごま葉枯病の病害の特徴


ごま葉枯病の伝染源は種もみや稲わらですので、いもち病と同様に種子消毒をしっかりと行なうことが大切です。これらの伝染源の上には胞子が沢山作られ、昼間に空中を飛散します。感染すると葉には黒ゴマを思わせる病斑が沢山でき、これが「ごま葉枯病」という名前の由来でもあります。

菌の侵入は若い葉でも行われますが、体内での菌の増殖は老化した葉で活発で、古い葉ほど発病が激しくなります。白穂になることはありませんが、籾では出穂期から乳熟期、枝梗では糊熟期以降に主に感染して上に述べたような穂枯れ症状となります。

ごま葉枯病の防除方法


ごま葉枯病の防除の基本は客土やケイカル施用、窒素肥料の分施などの土壌管理ですが、穂ばらみ期から穂揃期の薬剤散布によっても十分被害を軽減することができます。いもち病防除剤の中には穂枯れ症の原因となる病原菌にも効果を示す防除剤があるのでいもち病との同時防除が可能です。適切な防除によってどの圃場でも黄金色の稔りの秋を迎えてほしいものです。

シンジェンタが開発したいもち病菌、紋枯病菌、ごま葉枯病菌などによる穂枯れ症、カーブラリア菌・アルターナリア菌などによる褐色米に防除効果を示すアゾキシストロビンを有効成分とするアミスターエイトが八洲化学工業株式会社から販売されています。

シンジェンタ ジャパン株式会社
開発本部 技術顧問

吉野 嶺一