無人ヘリコプターで120haの小麦を防除。ミラビスを採用したおかげで、仕上げの防除をせずに済んでコストダウン。-ミラビスフロアブル-

体験レポート
高棚営農 神谷様TOP画像

水稲、小麦、だいずを合わせた300haにおよぶ圃場のほとんどを、無人ヘリコプターで防除されている愛知県安城市の高棚営農組合。となりの生産者の「今まで見たことがないぐらい、きれいな小麦」に衝撃を受け、その秘密がミラビスフロアブル(以下、ミラビス)にあることを知ったと2021年当時を振り返る代表理事の神谷 力さんに、お話を伺いました。

採種用小麦も栽培。播種深度、播種精度の高さなどが大事


昭和54年(1979年)に設立された高棚営農組合では、地域の受け皿として大規模面積での農業経営を展開。120haの小麦を作付する中で、採種用の小麦も30ha手掛けていらっしゃいます。高棚営農組合の出荷先であるJAあいち中央では、豆腐製造会社、大手製パンメーカー、コープなどの実需との情報交換を行う組織「一粒の会」に参加。実需、JAあいち中央、JAの営農部会に所属する生産者の3者で組織されており、小麦・だいずの地産地消を盛り上げるために活発な情報交換が行われているそうです。
高棚営農組合も一粒の会の会合に積極的に参加され、求められる小麦やだいずの品質を実現するために、日夜努力を重ねていらっしゃいます。小麦栽培のポイントについて代表理事の神谷さんに伺いました。
「採種用小麦の栽培管理は、いちばん気を使いますね。採種用圃場は、天候・環境など最も圃場条件のいい時期に、最優先で播種しますが、まず、発芽を揃えるのが大事。それと出穂を揃えるのも重要です。発芽を揃えるためには、しっかりとした排水対策、雑草の防除、発芽3~4日後の天候を先読みした播種、播種深度、播種精度の高さなどが重要。また、出穂を揃えるためのポイントとしては、播種前日に施肥する元肥を均一に散布するのが大切です。一般用の小麦は、これら採種用小麦の栽培管理基準にあわせて栽培するので、小麦全体の品質向上にもつながっています」。

衝撃を受けた“60cm先の向こう側”とは!?


JAあいち中央管内では、小麦の収穫期である5~6月にかけて降雨が多いことから、雑菌によって小麦が黒ずんでしまいがちなのだそうです。そんな栽培環境の中、2021年産の小麦収穫期に神谷さんの概念を変えてしまうほどの出来事が起こります。その衝撃の出来事は、神谷さんの圃場の“60cm先の向こう側”にありました。
「2021年4月に管内ではじめてミラビスの試験散布をした生産者の圃場が、うちの圃場と60cmの畦を隔てて隣接していました。わずか60cm先の小麦なのに、ミラビスを使ったその方の小麦は、今まで見たことがないぐらいきれいだった。よく小麦の広告やイメージ写真で見る、穂も麦稈も美しいあの小麦だったんです(笑)」と神谷さん。早速、2022年産小麦の開花期にミラビスを試験導入し、2023年産小麦では全圃場で本格的に導入されました。
以前より小麦の防除体系は殺菌剤の3回散布。3月中~下旬にうどんこ病対象で1回目の殺菌剤、その後は赤かび病、赤さび病を対象として、開花期の4月下旬に2回目の殺菌剤、収穫前の5月下旬に仕上げとして3回目の殺菌剤を散布していらっしゃいました。2023年産小麦からは、2回目の殺菌剤をミラビスに替えて無人ヘリコプター散布されています。

雨が多くても防除効果が収穫期まで長く続き、耐雨性を実感


「近年は、天候の影響なのか赤かび病の感染が2~3次感染まで発生しがちでした。でも、ミラビスは赤かび病や雑菌をしっかり抑えてくれる。収穫期には以前よりもグッときれいな小麦に仕上がります。2023年産小麦では、従来3回防除していたのが2回でおさまった。2回目のミラビス散布できちんと抑えてくれたので、採種圃場以外は3回目の殺菌剤を散布しないで済みました。省力、コストダウンの意味でもありがたかったですね」。
そう話す神谷さんが実感されたのが、ミラビスの耐雨性。2回目の防除以降は降雨が続くことが多いもののミラビスの防除効果が収穫期まで長く続くことから、耐雨性の高さも高く評価されています。
また、以前は無人ヘリコプターで使用できる小麦殺菌剤の系統が管内に2種類しかなく、ローテーションに苦慮していたという神谷さん。「SDHIっていう名前でしたっけ? ミラビスは新規系統の薬剤だから、系統の選択肢が増えて助かります」と思わず笑みがこぼれます。

無人ヘリコプターのスムーズな散布で作業を効率化


神谷さんは、全国産業用無人ヘリコプター飛行技術競技大会の愛知県大会で2位に入賞するなどの実績をお持ちですが、無人ヘリコプターでのミラビスの散布しやすさにも高評価をいただきました。
「うちで使っている無人ヘリコプターはちょっと古い機種なんだけど、ミラビスの製剤改良のおかげで、問題なくスムーズに散布することができているので、防除作業の効率化につながっています」と神谷さん。2024年には無人ヘリコプターの機体をモデルチェンジする予定で、ますます防除が効率化されることが期待されています。
「目標は、となりの生産者の方が手がけた“60cm先の向こう側”にあった美しい小麦。あのときの小麦に近づけるように、これからもがんばりたい」と神谷さん。ミラビスも上手に活用しながら、きっとその目標を達成してくれることでしょう。

高棚営農 神谷様文末

 

 

 

 

 

 

農事組合法人 高棚営農組合の代表理事として活躍する
神谷 力(ちから)さん(右)と構成員の山口 元さん(左)。
同法人では8名で水稲180ha、小麦120ha(ゆめあかり、きぬあかり)、だいず120haを作付。

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