定植前の全面土壌混和で、にらのネダニ類とネキリムシ類への効果を実感。処理のしやすさと残効の長さも魅力です-フォース粒剤-

体験レポート
栃木県都賀町 出井操さん

肉厚で味が濃く、棚もちの良いにらを栽培


栃木県都賀町でにらを手がける出井操さん。会社経営をしていましたが、41歳のとき、お父様の経営を引き継ぐ形で就農しました。にら栽培の盛んなJAしもつけ管内では、施設でのにら栽培が行われています。ハウス内で丁寧に管理することで、品質が高く、露地栽培に比べて棚もちが良いのが、管内のにらの特徴だと出井さんは教えてくださいました。

「栽培している品種は主にミラクルグリーンベルト、ハイパーグリーンベルト。分けつが少ないことで肉厚で幅広のにらが栽培できる品種です。低温伸長性がないため、寒い時期には伸びが悪いのですが、年間を通して安定した収量が期待できます」

にら栽培は5月~6月に定植し、株元に栄養が十分に蓄えられた11月下旬、一度、すべて刈り取って捨てる“捨て刈り”をします。約1カ月後、生えそろったにらを“一番にら”として市場に出荷。その後、30日サイクルで収穫して翌年の10月ごろまで、6回~8回、出荷するそうです。

【葉色が濃く、肉厚で幅広の葉がJAしもつけ管内のにらの特徴】

葉色が濃く、肉厚で幅広の葉がJAしもつけ管内のにらの特徴

定植前の散布で、にらのネキリムシ類による食害が減少


にら栽培の課題となっているのが、ネダニ類やネキリムシ類などの害虫対策です。主なネダニ類の被害としてはにらの葉の湾曲があります。湾曲すると出荷調整に時間がかかり、ひどいときは収穫ができなくなることもあるそうです。過去には2~3割程度の収量しかなかったときもあったほどだとか。ネダニ類は、連作圃場で発生しやすくなるのだといいます。それを防ぐため、にらの収穫後に緑肥として小麦を栽培するなどの耕種的防除も実践しているそうです。

一方、ネキリムシ類は定植したばかりのにらの幼苗を、根元から噛み切ってバタバタと倒し、苗を枯らしてしまうのでやっかいです。どちらも早めの防除で発生を抑えていかなければなりません。その対策として、2022年からフォース粒剤をにら栽培で使用していただいています。

「にらの定植前に全面土壌混和したことで、ネキリムシの食害が明らかに減少しました。ネキリムシはにらの定植から1カ月くらいの間に増え、被害が広がってしまいます。この1カ月を抑え、株が成長してくるとネキリムシの発生が減るのですが、これまでの薬剤は定植前に散布しても残効が思わしくないことが課題でした。フォース粒剤は残効が長く、定植後のにらに対しても、しっかりとネキリムシを抑えてくれていると実感しています」と評価してくださいました。

【出井さんのハウス。最後の収穫後ハウスを解体し、連作障害を防ぐために小麦を栽培、緑肥にし、翌年の栽培に備える】

出井さんのハウス。最後の収穫後ハウスを解体し、作障害を防ぐために小麦を栽培、緑肥にし、翌年の栽培に備える

冬場に発生しやすいにらのネダニ類、冬場の防除が勝負の分かれ目


ネダニ類に対しても5月~6月の定植前の全面土壌混和で密度が下がったようだとおっしゃられる一方、出井さんはフォース粒剤を使った冬場の防除にも関心を寄せられています。

「ネダニは乾燥を好み、お正月明けから2月頃に発生します。ハウス内は屋外より暖かく、しかも冬は乾燥しているのでネダニが発生しやすいのです。その時期に増やしてしまうと、ずっと増えたまま付き合っていかないとなりません。冬の間に防除し、発生をどのくらい抑えることができるかが勝負。まだ冬のネダニ対策としてフォース粒剤をにらで使用していないので、2023年1月にフォース粒剤を株元散布し、どのくらいの効果が得られるかを試す予定です」

【収穫期を迎えたにら圃場。2022年は生育が順調で収穫のサイクルが早くなっているそう】

収穫期を迎えたにら圃場。2022年は生育が順調で収穫のサイクルが早くなっているそう

散布しやすく、ネキリムシ類とネダニ類を同時防除できるのもフォース粒剤の利点


さらにフォース粒剤の利点として、散粒器でそのまま散布できる「使い勝手の良さ」もあげてくださいました。

「これまで、定植前のにらのネダニ対策は、灌注処理剤で行なっていました。そのため、タンクに水を汲み、薬剤を溶かすだけで20分~30分くらいかかっていました。それがフォース粒剤は散粒器に入れてすぐに散布できるので、灌注処理剤を準備している間に終わります。これはすごいことです」

つづけて「にらのネキリムシ対策とネダニ対策に、それぞれ別々の薬剤を使ってきましたが、フォース粒剤なら1つで済むのも助かります。価格も手ごろなので今後もローテーション防除の1つとして使っていきたいですね。にら栽培は登録されている薬剤の数が少なく、生産者は試行錯誤をしてきました。フォース粒剤が使い勝手が良いうえに効果も高いことがわかると、ほかの生産者にも広めていけると思います」とも仰ってくださいました。

にらの病害では、白斑葉枯病対策としてアミスター20フロアブル(以下、アミスター20)と、セイビアーフロアブル20(以下、セイビアー)もお使いいただいているとのこと。12月~3月にかけて、前作の収穫後1週間以内にアミスター20、さらにその1週間後にセイビアーを使用することで、にらの白斑葉枯病がかなり抑えられると評価してくださいました。

「アミスター20とセイビアーを使えば、にらの白斑葉枯病対策はほとんど抑えられるという実感を得ています。2023年の年明けからのローテーションにネダニ対策のフォース粒剤を加え、より品質の高いにらを栽培していけるように頑張りたいですね」

フォース粒剤を使った「にら」のネダニ類・ネキリムシ類防除スケジュール

今後の目標は家族皆が健康で経営をしていくことだという出井さん。そして、防除を惜しまず、基本に忠実に栽培し、肉厚のおいしいにらを出荷していきたい。最後にそう話してくださいました。

栃木県都賀町 出井操さん

 

 

 

 

 

 

栃木県都賀町 出井操さん
JAしもつけにら部会では123名の生産者が、約33haの圃場でにらのハウス栽培を行なっている。

※掲載内容は取材当時のものです。

 

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