湛水直播を1haから15haへと拡大。 兄弟でつなぐ経営の次のステージに、 リゾケアXLを組み込む黒部の水田経営
富山県黒部市で水稲を中心に約60haを手がける松島さん一家。秋作業受託を合わせると約90haという大規模な水田経営を、松島功治さん、松島修二さんご兄弟とお父様の3名を中心に、繁忙期には10〜12名のアルバイトを含めた体制で運営されています。2025年に湛水直播をリゾケアXLで1haから試験導入したところ、想像を超える手応えを得たことから、2026年産では一気に15haへ拡大。リゾケアXLは水稲全体の約4分の1を占めるまでに成長しました。「産地としての富山」を常に意識する松島功治さん(兄)と、現場を担う松島修二さん(弟)に、直播との向き合い方と、経営の展望について伺いました。
【目次】
1haから15haへ。湛水直播で大きな勝負に出た2年目
松島さん一家は、富山県黒部市で水稲を中心に約60haを手がける個人経営。秋作業受託を合わせると全体で約90haという大規模な水田経営を、松島さんご兄弟とお父様、細野さんの4名で運営されています。
「弟が去年就農してくれて、それまでは兄と父の2人でずっとやってきたんです」と功治さん(兄)は振り返ります。地域では家族経営から法人経営への移行が進む中で、地域の水田を支える中核的な存在となっています。
2025年、湛水直播でリゾケアXLを初めて試験導入。1haという小さな面積からのスタートでしたが、結果は想像を超えるものだったといいます。
「近隣で乗用播種機を使ってリゾケアXLでやっている生産者がいらっしゃって、その話を聞いて『あっ』と思ったんです。ちょうど弟が就農してくれたタイミングだったので、1年目は試験として1haやってみて、うまくいったので今年は思い切って一気に15haに増やしました」。
修二さん(弟)も、この判断の重みを実感しています。
「1haから15haって、15倍ですからね。思い切った判断だったんですけど、拡大していくなら避けては通れないよねという話をしていて、思い切って踏み込みました」。
リゾケアXLでの直播は合計で水稲面積の約4分の1を占めるまでに拡大しています。
写真:松島 功治さん(左)松島 修二さん(右)
小売顧客への提案。販路戦略とセットで進める直播導入
直播へ大胆に踏み込めた背景には、販路戦略とのセット思考があります。
「うちは小売のお客さんがいるので、そのお客さんに承諾いただいた上で、直播でやっている部分もあるんです。リスク的にはそこは分散できているので、取り組む価値がある、と」と功治さん。
功治さんが強く意識しているのが、産地としての富山県のブランド確立です。
「富山県産の米を使っています、リゾケアXLでやっています、新しい取り組みでもしっかり管理して高い品質のものを出しますよ、という形で継続していかないと、お客さんに買ってもらう理由がなくなってしまう。ただ安いだけ、ただ大量にあるだけでは、海外の米や大手産地との勝負にはならないんです」。
「単純に価格や数量の勝負で戦おうと思ったら、単純に価格や数量だけで勝負しようとしても、関税が撤廃されたら、打つ手がない 。だから何を武器にするかを考えないと。直播も、その武器の一つだと思っています」。
こうした視点は、県全体の農業を支える技術としてリゾケアXLをどう位置づけるかという問題意識にも繋がっています。
「県の職員さんにも話したんですが、こうした取り組みを様々な用途で広げていかないと直播も広がらない。JA全農とやまさんも一生懸命やっていらっしゃるので、うちも協力しながら、切磋琢磨していきたいですね」。
作業効率が格段に向上
現場作業を担う松島修二さん(弟)は、リゾケアXLでの直播が経営にもたらす省力効果を、具体的な数字で実感しています。
「移植時代は1日田植えをするのに2haぐらいで体力的な限界を感じることが多かったんですが、直播だと2.5haぐらいまで進められる感覚があります」。
作業の広がりだけでなく、天候条件への強さもメリットの一つだといいます。
「雨の日でも、農機を格納する倉庫などの屋根の下で1人で直播の種子を補給しながら、小さな田んぼだったら進められた。移植だと、雨で肥料が詰まりやすくなるので、なかなかそういうわけにはいかない。そこを気にせずに済むのは、やっぱり楽ですね」と修二さんは語る。
田植えの補助員として集めるアルバイトの負担も、明らかに軽減されているとのこと。
「以前は種まきや箱運びで10人ぐらいの体制を組んで、みんなでワイワイやっていました。それは顔合わせの意味も含めて良かったんですが、一人ひとりの体力的な負担は結構大きかった。リゾケアXLが入ったことで、5月の人件費が明らかに減ったのを実感しています」。
さらに、田植えの期間にも効果が現れているといいます。
「結果的に去年よりも田植えの終わりが5日ぐらい早くなったんです。60haで15haをリゾケアXLに切り替えたことで、作業ピークが分散して、経営全体の負担が明らかに軽くなっています」と修二さんは語ります。
「産地として富山を守る」——兄弟でつなぐ経営の次のステージ
松島さんご兄弟が直播を経営の骨格に組み込もうとする根底には、「産地として富山を守る」という明確な意思があります。
「うちは60ha、秋受託作業を合わせて90haを回していますが、これから周りの状況次第で受託面積は増える可能性も減る可能性もある。どちらに転んでも対応できる仕組みを作っておかないといけないんです」と功治さん。
「もし僕とか弟が体を壊してしまったら、この面積は3分の2とか3分の1になってしまう可能性がある。それを避けるために、少人数でも回せる仕組みが必要で、そのためのリゾケアXLなんです」。
修二さんも、経営を継いだ立場から未来への視線を語ります。
「1年目に試験でやってみて、これはうまくいくと判断できたから、今年一気に15haまで拡大できた。今後もし本当に周辺の田んぼを受託していく形になれば、直播は避けては通れない選択肢になる。そのために今、経験を積んでおくのが大事だと思っています」。
一方で、直播に完全に振り切るのではなく、移植とのバランスも重視しています。
「移植は移植で良さがあります。両方を経験して、それぞれの良さを分かった上で使い分けていく。それが経営として大事だと思っています」と功治さんは語る。
これから10年、20年と経営を続けていく上で、功治さんが描く姿は明確です。
「産地としての富山、黒部の米の価値をどう保っていくか。そのために新しい技術も含めて共有していく流れをつくりたい。全国にいろんな品種、いろんなやり方がある中で、生き残っていくには、みんなで協力していかないといけないんです」。
家族経営から次の世代への継承、そして地域の水田を守る中核としての役割——松島さんご兄弟の取り組みは、大規模水田経営の未来像を示す一つのモデルとなっています。
【松島さんご兄弟からのメッセージ:リゾケアXLを検討している方へ】
「うちは1haの試験から一気に15haまで踏み込みましたが、それは1年目でしっかり手応えを感じられたからです。単なる省力化としてだけでなく、産地として何を武器にするかという視点で見ると、リゾケアXLはこれからの水田経営の重要な選択肢になると思います。もちろん圃場条件によって向き不向きはあるので、まずは小さな面積で試して、自分の田んぼでの手応えを確かめてから拡大していくのがいいと思います」。
松島 修二さん(左)、松島 功治さん(右)
JAくろべ 営農指導課 林 敬裕さん(中央)
富山県黒部市。水稲を中心に約60ha(個人分)、秋受託作業を合わせて約90haを手がける大規模水田経営。ご兄弟とお父様を中心に、繁忙期は10〜12名の体制で運営。2025年からリゾケアXLを試験導入し、2026年産では合計15ha規模でリゾケアXLによる湛水直播を実践。小売顧客への販売と組み合わせながら、産地としての富山の価値を保つ経営を続けている。
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※掲載内容は取材当時のものです。
※記事に登場する人物の、製品に関するコメントは個人の感想です。
※本記事は松島功治さん・松島修二さんご兄弟への取材に基づく事例紹介です。製品の使用感、作業面積、作業日数、必要人数、人件費および作業負担等は、同経営体の圃場条件、経営規模、使用機器および作業体制に基づくものであり、すべての条件で同様の結果を保証するものではありません。
※記事中の1日当たりの作業面積、田植え終了時期の約5日間の短縮および人件費の軽減等は、同経営体における事例と所感です。一般的な作業効率やコスト削減効果を示すものではありません。
※品質および販売に関する記載は、同経営体の管理方針、目標または販売上の考え方を示すものです。リゾケアXLの使用により、米の品質、販売価格、販売数量その他の販売成果が向上することを保証するものではありません。
※栽培結果、省力化の程度および経営上の効果は、品種、土質、圃場、水管理、気象、使用機器、作業人数、作付規模その他の条件により異なります。
※農薬を使用する際はラベルをよく読み、登録された作物、使用時期、使用量、使用方法等を守って使用してください。