リゾケアXL導入6年目、面積を30aから36haへ拡大。 「リゾケアXLは絶対楽に決まっとる」――地域の先駆けとして、 品種構成の見直しも含めて湛水直播をさらに広げていく。
富山県で水稲を中心に大規模経営を営む株式会社中友農産の中村さん。地域でも早い時期からリゾケアXLに着目し、2020年に30aの試験栽培からスタート。以来6年、圃場の反応と収量を確かめながら段階的に面積を拡大してこられました。2026年産では、コシヒカリに加えて富富富や、てんたかくにも展開し、リゾケアXL圃場は36ha規模に。育苗ハウスの回転数も抑えられるようになり、経営全体の省力化が進んでいます。中村さんに、6年間の実感と今後の展望を伺いました。
【目次】
30aの試験栽培から始まった、地域でも先駆けとなるリゾケアXL導入
「リゾケアXLは絶対楽に決まっとる」――過去と比較して実感する省力化
育苗ハウスの回転数を抑え、経営全体の作業ピークを平準化していく
30aの試験栽培から始まった、地域でも先駆けとなるリゾケアXL導入
中友農産がリゾケアXLに取り組み始めたのは、2020年のこと。地域の生産者数名で試験的に導入する話が持ち上がり、中村さんもその一人として30aの圃場から一歩を踏み出しました。
「最初はうちも含めて3軒ぐらいでスタートしたんです。それが調子良くて、次の年から1haぐらいにして、そこからどんどん増えていった感じですね」。
もともと中友農産では、リゾケアXL以前から酸素発生剤コーティングによる湛水直播に取り組んでいました。既存のコーティング技術では、種もみを浸種してから加工まで、
…と、一連の作業に多くの手間がかかっていたといいます。
「酸素発生剤コーティングの場合は、浸種して100℃以上に温度をあげて芽だしをしてから、加工して…という工程が必要でした。それに比べると、リゾケアXLはその手間が全部いらない。この差は本当に大きいですよ」。
導入から6年、中村さんの中でリゾケアXLは、単なる代替資材ではなく「経営を変える技術」として明確に位置づけられています。
「リゾケアXLは絶対楽に決まっとる」――過去と比較して実感する省力化
長く酸素発生剤コーティングを扱ってきた中村さんだからこそ、リゾケアXLへの評価は具体的です。話は、酸素発生剤コーティング処理の作業風景から始まりました。
「酸素発生剤コーティングはJAいなば管内の場合、農協の機械を借りて加工するんですけど、順番待ちがあってね。しかも、あの作業は本当に汚れるんです。鼻の中まで真っ白になるぐらい。あれを見ていると、もう酸素発生剤コーティングに戻す気にはならないですね」。
作業性だけでなく、圃場内でも酸素発生剤コーティング・鉄コーティングとリゾケアXLでは差があるといいます。
「鉄コーティングは表面に播種するので、豪雨や風で倒伏してしまいやすい。根がしっかり入る前に流されたりして、盆前には倒伏してしまい絨毯みたいになっちゃうこともある。リゾケアXLはそこが全然違って、そういう倒伏の心配がずっと少ないんです」。結論として、中村さんはこう言い切ります。
「リゾケアXLは絶対楽に決まっとるじゃないですか。値段以上に、楽さにはかなわないですよ。それは6年やってきた実感です」。
品種構成の広がり。富富富、てんたかくにもリゾケアXLを展開
導入当初、中村さんがリゾケアXLで栽培していたのはコシヒカリでした。それが2026年から、富山県のオリジナル品種である富富富や、てんたかくへと展開が広がっています。
「早生は飼料用米のアキヒカリのみと予定していたんですけど、『てんたかくもやってみよう』となって、2026年から取り組んでいます」。
こうした慎重な姿勢の背景には、面積拡大と品種の適性を並行して見極めていく経営判断があります。むやみに広げるのではなく、圃場と品種ごとの反応を確かめながら、着実に積み上げていく。それが中村さんの6年間の進め方でした。
育苗ハウスの回転数を抑え、経営全体の作業ピークを平準化していく
リゾケアXLの導入によって、中友農産の経営には目に見える変化が現れています。とくに大きいのが、育苗ハウスの運用です。
「以前は3回転させていたハウスが、いまは2回転で済むようになりました。今年、これだけリゾケアXLの面積が増えたら、1回で済む部分もあります。ハウスをもう1棟建てる必要があった状況が、直播で吸収できるようになったんです」。
育苗ハウスの増設には、当然ながら大きな初期投資が伴います。それをリゾケアXLでの省力化によって回避できているという事実は、経営面でも大きな意味を持ちます。
「今、育苗の枚数はもう限界に近い。ハウスの規模で言えば、これ以上増やすなら建てるしかない、というところまで来ていました。でもリゾケアXLの面積を増やしたら、その必要がなくなった。この差は経営的にも本当に大きいですよ」。作業ピークの平準化も、直播導入の大きな効果です。移植栽培は苗の運搬、田植機のオペレーター、補助員など、複数人の稼働が必要になる工程が集中します。
「移植だと、田植機を最低2台動かして、苗を運ぶ人、補助員、合計3〜4人は最低でも必要になる。それが直播なら、そこがぐっと減らせるんです」。
今後の展開について尋ねると、中村さんの答えは明快でした。
「元には戻らないでしょうね。直播はこれから確実に増えていきます。ハウスをもうこれ以上大きくすることもないし、育苗の枚数も減らしていきたい。ゆくゆくはゼロに近づけていくのが野望と言えば野望ですね」。
「ゼロ野望」――冗談交じりに笑う中村さんの言葉には、これから先の水田経営に対する明確なビジョンが込められています。地域の直播の先駆けとして6年間実践を重ねてきた経験が、その言葉に確かな重みを与えていました。
【中村さんからのメッセージ:リゾケアXLを検討している方へ】
「リゾケアXLは絶対楽に決まっとる。酸素発生剤コーティングや鉄コーティングをやっている方には、まずそれを伝えたいですね。作業の手間、汚れ、順番待ち、それに倒伏のリスク。いろいろな問題が、リゾケアXLに変えるだけでかなり解消されます。値段だけを見れば安いとは言えないかもしれないけど、その値段以上に楽になる。うちは30aから始めて6年で36haまで来ましたけど、それだけの手応えがあったからここまで広げてきたんです」。
写真:JAいなば 営農経済課 東 英隆さん(左) 株式会社中友農産 中村 友平さん(右)
富山県。水稲を中心に大規模経営を展開し、地域の担い手として活動。2020年に30aの試験栽培からリゾケアXLを導入し、6年間で36haまで規模を拡大。栽培品種はコシヒカリ、富富富、てんたかくなど。育苗ハウスの回転数を抑えながら、地域全体の直播移行を見据えて経営を進めている。
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※掲載内容は取材当時のものです。
※記事に登場する人物の、製品に関するコメントは個人の感想です。
※本記事は株式会社中友農産への取材に基づく事例紹介です。記載された製品の使用感、苗立ち、倒伏、作業負担および育苗ハウスの運用等は、同社における複数年の使用経験と作業体制に基づくものであり、すべての条件で同様の結果を保証するものではありません。 ※酸素発生剤コーティング、鉄コーティング、移植栽培等との比較は、同一条件下で実施された比較試験による一般的な評価ではなく、同社の圃場における経験と所感に基づくものです。
※省力化の程度、必要人数、育苗ハウスの回転数、コストおよび栽培結果は、品種、作付面積、圃場条件、気象、使用機器、作業工程、作業体制その他の条件により異なります。
※農薬を使用する際はラベルをよく読み、登録された作物、使用時期、使用量、使用方法等を守って使用してください。