体験レポート

様々な湛水直播を経てリゾケアXLへ。 4種類の直播を渡り歩いてきた組合が、 山田錦の苗立ち改善と省力化の両立に手応え

水稲
農事組合法人久保営農組合の皆様

富山県で水稲16.4ha、麦を含めて29.2haを手がける農事組合法人久保営農組合。構成員20名、役員9名で運営される組合は、10年以上前から移植を離れて直播一本の経営を続けてきました。様々な湛水直播を経て、2026年産からリゾケアXLへ切り替え。4種類の湛水直播を渡り歩いてきた組合です。とくに酒米・山田錦の圃場での苗立ちに、初年度から手応えを感じています。久保営農組合の皆さんに、4種類の直播を経験してきた立場から見たリゾケアXLの実感と、これからの水田経営についてお話を伺いました。

 

【目次】

10年以上前に移植を卒業。4種類の直播を渡り歩いてきた組合の歴史 

酒米・山田錦での苗立ち改善が導入の決め手。酸素供給剤への期待 

コーティング品質と作業性のメリット。田んぼの隅々まで綺麗な苗立ちに驚き 

持続可能な省力化を求めて。ドローン散布も次の選択肢に 

 

 

10年以上前に移植を卒業。4種類の直播を渡り歩いてきた組合の歴史


農事組合法人久保営農組合は、富山県で水稲16.4ha(コシヒカリ10ha、山田錦6.4ha)と大麦を合わせて29.2haを手がける生産組合。構成員20名、役員9名という組織で、地域の水田を担ってきました。

特筆すべきは、10年以上前から移植を完全に離れ、直播だけで経営を成り立たせている点です。久保営農組合はそのあいだに実に4種類の直播を経験してきました。

「順番でいくと、酸素発生剤コーティング、鉄コーティング、べんがらモリブデン、そしてリゾケアXLです。この4大直播を渡り歩いてきたことになりますね。もう移植は全く考えられないし、そのための設備もないので、戻れないという感じです」。

直播に舵を切った背景には、当時の組合長時代からの課題認識がありました。

農事組合法人久保営農組合の皆様

「高齢化が進んで、担い手が不足してきたので、省力化しなければいけないよね、と。育苗の負担も相当大きかったので、なんとかならないかということで、直播に切り替えたんです。もう10年以上前のことですね」。

一度、移植を離れると育苗ハウスや田植機の運用体制も直播ベースに最適化されていくため、後戻りは事実上できません。この言葉は、10年以上の実践を積み重ねた組合ならではの重みを持ちます。

 

酒米・山田錦での苗立ち改善が導入の決め手。酸素供給剤への期待


4種類の直播を経験してきた久保営農組合が、2026年産でリゾケアXLに切り替えた決め手は、大きく分けて2つありました。

一つは、酒米・山田錦の苗立ちの問題です。

「うちの田んぼは粘土質で、山田錦はどうしても苗立ちがうまくいかないところがありました。べんがらモリブデンでも、なかなか立ち上がらないんです。種子が潜ってしまって、干して酸素を送るような管理をしていたんですが、それでも初期生育がもう一つでした」。

農事組合法人久保営農組合の皆様

そんな中、リゾケアXLの研修会に参加した際、「酸素供給剤(過酸化カルシウム)が入っている」という説明を聞いて、期待が膨らんだといいます。

「酸素供給剤が入っているなら、ひょっとしたらうちの粘土質の田んぼでもうまくいくのかなと。そこに興味を持ったのが一つのきっかけです」。

もう一つの決め手は、コーティング作業そのものへの負担感でした。

「鉄コーティングもべんがらモリブデンも、コーティング作業は素人である我々自身がやるんですが、マスクをしても、汚れることが多々ありまして 加えて、コーティング後の保存期間の短さも制約でした。酸素発生剤コーティングは1週間程度しか保管できず、浸種→コーティング→保管→播種というスケジュールを一連の作業として組まなければならない。担当者にとって精神的な負担も大きかったといいます。

「浸種一つ取っても、水温も見なきゃいけないし、時間も見なきゃいけない。乾燥では、水を吸って重くなったモミを一定の重さまで戻さなきゃいけないんですが、乾燥しすぎると今度は痩せて、コーティングが剥がれやすくなる。そういうデリケートな管理を毎年続けるのは、担当者への負担が大きかったんです」。

コーティング品質と作業性のメリット。田んぼの隅々まで綺麗な苗立ちに驚き


2026年産、久保営農組合は水稲16.4haすべてでリゾケアXLに切り替え。播種は4月29日から5月9日にかけて、乗用播種機で行いました。導入前は、県内でも山田錦での事例が少ないため一抹の不安を抱えていたものの、初年度から予想を上回る結果が現れています。

「まず驚いたのは、コーティングの品質です。今まで自分たちでやっていたべんがらモリブデンのコーティングと比べて、リゾケアXLのコーティングはめちゃくちゃ綺麗なんです。ムラがないし、団子状になっているところもない。乗用播種機を通したときも、詰まったりする心配が全くない」。

田んぼでの苗立ちも、予想以上でした。

「田んぼの角まで、綺麗に苗立ちしているんです。今まではそういうことがあまりなかったので、これはすごいなと。根の張りも、なんかいい感じがしましたね。たまたま天気が良かったのかは分からないですが、今までとは違うなという実感はあります」。

省力化のメリットは、コーティング作業がなくなったことに加え、浸種の作業も不要になった点にも及びます。

「浸種は担当者の負担が大きかったんです。種もみを何百キロも扱って、毎日温度と時間を見て、途中で水を入れ替えて、乾燥させて。それが全部いらなくなったのは、本当に楽になりました」。

雑草管理は、播種同時で初中期一発剤、体系処理ではアクシズMX1キロ粒剤と後期剤を基本に防除。加えて各構成員が自分の担当圃場ごとに、必要に応じて追加処理を行う体制です。

「3回の除草体系に加え、自分の田んぼの癖を分かっている構成員が、状況に応じて除草剤の追加処理をする形です」。

コスト面については、率直に「高い」と認めた上で、その意味合いをこう整理されます。

「コーティング作業に投入していた人件費や資材費と比べれば、リゾケアXLはやはり高い。ただ、その高さをどう考えるかです。省力化のカバーとして見るか、単なる資材費として見るか。少ない人数で経営を回していかなければならない今、精神的な負担を減らせるという意味では、目をつぶってもやる価値があると判断しました」。

農事組合法人久保営農組合の皆様

持続可能な省力化を求めて。ドローン散布も次の選択肢に


現在の播種体制は、オペレーター1名と補助員2名の合計3名。人数の負担は移植時代と比べて大幅に軽減されていますが、久保営農組合はさらに踏み込んだ省力化の可能性を探っています。

「次に試してみたいのは、ドローン散布です。乗用播種機だと3人必要ですが、ドローンなら2人で回せる可能性がある。散布業者に依頼する形なら、うちのメンバーの負担はもっと減らせるかもしれない」。

肥料散布についてもすでにヘリコプター散布業者を活用しており、省力化のためなら経費増もある程度は許容するという方針です。

「省力化するとコストが上がる部分もあるかもしれないけど、なるべく続けられる体制を作りたいんです。人数が少なくても回せる仕組みを作らないと、この先どうやってやっていけるか分からない」。

その姿勢の背景には、地域の水田を長期的に守っていくという視点があります。

「うちの畦畔は、20年ほど前はゴルフ場並みに綺麗と言われるくらい手入れが行き届いていました。今も畦は綺麗にしていますが、それを維持していくのも、少ない人数でどう回すかにかかっている。時間を使わずに、どうやったらやっていけるか、というのが基本ですね」。

酒米・山田錦、そしてコシヒカリ。同じ組合の中で異なる用途の稲を作りながら、直播一本の経営を10年以上続けてきた久保営農組合。4種類の直播を経験した末に辿り着いたリゾケアXLで、初年度から確かな手応えを掴んでいます。

「秋の収穫を見てみないと最終的な評価はできませんが、今のところは悪くない感じですね。ここから2年、3年と続けてみて、うちの田んぼに合ったやり方をさらに固めていければと思っています」。

【久保営農組合からのメッセージ:リゾケアXLを検討している方へ】
「4種類の直播をやってきた立場から言うと、リゾケアXLはコーティングの品質が明らかに違います。今までのように自分たちでコーティングする手間もないし、浸種の管理も要らない。粘土質で苗立ちに苦労している圃場や、種子が潜りやすい圃場で作っている方には、酸素供給剤の効果も含めて一度試してみる価値があると思います。値段だけを見れば安くはないですが、作業性、精神的な負担、苗立ちの品質を含めて総合的に考えると、選ぶ理由が十分にある資材です」。

農事組合法人久保営農組合の皆様

写真:JAなんと 販売指導課兼特産振興課(左)
農事組合法人久保営農組合の皆様(右)
富山県。構成員20名、役員9名で運営される農事組合法人。水稲16.4ha(コシヒカリ10ha、山田錦6.4ha)、大麦を含めて29.2haを手がける。10年以上前から移植を離れて直播一本の経営を続け、様々な湛水直播を経て2026年産からリゾケアXLを全面導入。

 

 

関連製品:

リゾケアXL

※掲載内容は取材当時のものです。 
※記事に登場する人物の、製品に関するコメントは個人の感想です。 
※本記事は農事組合法人久保営農組合への取材に基づく事例紹介です。製品の使用感、コーティングの状態、苗立ち、根張り、作業負担およびコスト等は、同組合の圃場条件、品種、使用機器および作業体制に基づくものであり、すべての条件で同様の結果を保証するものではありません。 
※山田錦を含む苗立ちや初期生育に関する記載は、2026年産における取材時点の観察と同組合の所感です。取材時点では収穫前であり、収量・品質については未確定です。 
※酸素発生剤コーティング、鉄コーティング、べんがらモリブデン等との比較は、同一条件下で実施された比較試験による一般的な評価ではなく、同組合の過去の使用経験に基づくものです。 
※栽培結果、省力化の程度、必要人数およびコストは、品種、土質、圃場、水管理、気象、播種方法、使用機器、作業体制その他の条件により異なります。 
※農薬を使用する際はラベルをよく読み、登録された作物、使用時期、使用量、使用方法等を守って使用してください。