体験レポート

農薬の適正な使用量をきっちり守ることが高品質なにんじんにつながることを実感。

野菜
南浩明さんのにんじん圃場
【手入れの行き届いたにんじん畑。所有者は約50年にわたり熊本県菊池郡菊陽町でにんじん栽培(秋冬4ha・春5ha)を手がける南浩昭さん】

熊本県内トップのにんじん出荷量を誇る菊池郡。1978年にJA菊池管内の菊陽町が冬にんじんの国指定産地に、1998年には隣町の大津町と併せて春にんじんの国指定産地にも登録されています。そんなJA菊池管内で問題になっているのが、春にんじんのしみ腐病。上手に防除するための農薬の使用方法について、営農指導員と生産者、双方の視点からご意見を伺いました。 

 

【目次】

阿蘇山の黒ボク土が育む、JA菊池管内の高品質なにんじん 

規定量の範囲内であれば、しっかり効果が出ることを再確認 

しみ腐病が発生しやすい状況を鑑み、再びユニォーム粒剤を試験 

最先端のテクノロジーを活用し、高品質なにんじんをより多く市場へ 

 

 

 阿蘇山の黒ボク土が育む、JA菊池管内の高品質なにんじん 


 1970年代前半にコメの減反対策としてにんじん栽培が本格化した熊本県菊池郡菊陽町。高品質なにんじんができる理由について、JA菊池の営農部で指導員を務める西淳史さんは次のように考察します。 

 「この周辺の土壌は阿蘇山が噴火した際に積もった黒ボク土であり、保水性・排水性ともに優れていることが根物野菜であるにんじんに適しているのではないでしょうか。また、黒ボク土はにんじんの肌がきれいになるともいわれており、品質のよさにもつながっていると考えています」。 

 2025年におけるJA菊池管内のにんじん作付面積は198ha(秋冬にんじん133ha/春にんじん65ha)。60名の生産者により栽培され、熊本県内、中国地方を中心に、京都、兵庫などへも流通しています。 

 

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【出荷を待つJA菊池の春にんじん。皮まで生で食べられるほど、みずみずしくやわらかい食味が自慢】 

 

 規定量の範囲内であれば、しっかり効果が出ることを再確認 


 そんなJA菊池管内のにんじん栽培において、とくに秋冬にんじんで課題になっているのが極端な大雨と極度の乾燥。西さんは「秋冬にんじんは8月初旬から9月中旬に播種を行うのですが、近年はこの時期にゲリラ豪雨のような大雨が降るようになりました。その反面、播種以降はまったく雨が降らずに湿った土壌が一気に乾燥してしまうことで、リング症という生理障害が増えていることが大きな課題になっています」と表情を曇らせます。 

 リング症はにんじんの肌に、円状に黒く変色したような症状が出てしまう生理障害。発症すると品質を著しく損なってしまいます。そこでJA菊池では種苗メーカーと連携しながら、毎年10種類以上の品種を試験栽培。「こういう天候で、こういう作柄だった年は、この品種がよかった」というデータを積み重ねながら、生産者にフィードバックしているといいます。

 そしてにんじん栽培においてもうひとつの大敵といえるのが、しみ腐病。多雨や過湿により発生しやすい病害であることから、播種時期に大雨の降る近年はとくに発生が懸念されています。 

「とはいえ、しみ腐病や黒葉枯病といった病害は、アミスターオプティフロアブルでほぼ抑えられています」と話すのは、2025年12月にJA職員からにんじんの専業農家に転身し、2026年は3.5haの栽培を計画している西本博文さん。にんじん栽培においてこだわっているのは、病害虫防除だけではありません。

 地域で作付されている十数種類の品種の中でも、ベーター441がお気に入りという西本さん。「整った形状やきれいな色味が好みなんです」というように、見た目の美しさにも強いこだわりをお持ちです。 

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【JA菊池・営農部の広域指導員、西淳史さん(左)と、西本博文さん(右)】 

 そんな西本さんは、2025年に「しみ腐病の予防に役立つだけでなく、にんじんの肌ツヤがよくなる」との噂を聞きつけユニフォーム粒剤を試験。無処理の区画、ユニフォーム粒剤の下限量(9kg/10a)を使用した区画、上限量(18kg/10a)を使用した区画で検証されました。 

「それぞれの区画から3本くらいパッと抜いて見たところ、やっぱりユニフォーム粒剤を使用したにんじんは明確に肌がきれいでしたね。印象に残っているのは、9kg処理した区画と18kg処理した区画で、ほとんど差がなかったこと。農薬に関しては規定の使用量を守るのが大前提ですが、その範囲内であればしっかり結果が出るということを再確認できました」と西本さん。 

 さらに、規定量を守ることの重要性をこのように話します。「たとえば農薬を背負い式の動力噴霧器等で処理していると、歩く速度によって濃度が変わりますよね。疲れてくれば遅くなりますし、どうしてもムラが出てしまいます。だからこそ、多少薄くなってしまった場所でも効果が見込めるよう、規定量は守る必要があると考えています」。 

 また、ユニフォーム粒剤を使用した区画では想定外の恩恵もあったとのこと。「理由は定かではありませんが、葉の生育が無処理の区画に比べて明らかによかったです。葉が元気に茂っていると圃場がきれいに見えますので、生産者としてはうれしいメリットですよ」と笑顔を見せます。

 

 

しみ腐病が発生しやすい状況を鑑み、再びユニフォーム粒剤を試験   


 同じくJA菊池管内の菊陽町で、50年近くにわたりにんじん栽培を手がけている南浩昭さん。現在は約9ha(秋冬にんじん4ha/春にんじん5ha)の圃場を経営されています。そんな南さんも、ユニフォーム粒剤の効果を実感されています。

「最初にユニフォーム粒剤を試験したのは2021年です。2haほどの春にんじんの圃場に撒いたところ、しみ腐病の防除にも肌ツヤの向上にも、いい手応えを感じることができました」と南さん。その後はユニフォーム粒剤を使用しない年もありましたが、多雨や過湿によりしみ腐病が発生しやすい状況を鑑み、2025年に再び春にんじんの圃場でユニフォーム粒剤を試験されました。

「使用量による違いを見るため、規定量の上限(18kg/10a)と下限(9kg/10a)の比較をしてみました。9kg撒いた圃場でも無処理区とは肌ツヤのよさにはっきりとした違いがありましたが、それ以上に18kg撒いた圃場はよかった。コストとの兼ね合いもあるのでどう使うかは迷うところですが、これからも上手に活用していきたいですね」と、ユニフォーム粒剤の試験結果を振り返りました。

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【「これからも上手に活用していきたいですね」と試験結果を振り返る南浩昭さん】 

 

 

最先端のテクノロジーを活用し、高品質なにんじんをより多く市場へ


 西本さんや南さんのような生産者の努力によって育てられた高品質なにんじんをより多く市場へ届けるため、JA菊池では2025年11月に選果場をリニューアル。選果規模を日量40トンから60トンへ大幅に拡大するとともに、AI選別機やロボットパレタイザを導入した最先端の選果場へと生まれ変わりました。

 選果場ではまっすぐで肌のきれいなにんじんを秀品、多少の曲がりや変色のあるものを優品、割れや折れのあるものを加工品、それ以外の販売に適さないにんじんJA熊本果実連にジュースの原料として卸しています。

 その選別においてAI選別機が大いに活躍するかと思いきや、意外な課題もあるとのこと。「今まではパートさんの経験と感覚で選別していましたが、AIで選別するには、その判断の基準を数値化しなければなりません。今はその設定に苦労しているところですね」と話すのは、選果場の運営を管理する営農部南営農センターの島田雄太さん。今後はこうしたテクノロジーを上手に使いこなし、パートさんの労力低減にもつなげたいと展望を語りました。

 

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【2025年11月にリニューアルされたJA菊池のにんじん選果場では、人の目とAI選別機によるダブルチェックにより、高精度な選別を実現している。写真右下は、選果場の運営を管理する営農部南営農センターの島田雄太さん】 

 

関連製品:

ユニフォーム粒剤

アミスターオプティフロアブル

※掲載内容は取材当時のものです。

 ※記事に登場する人物の、製品に関するコメントは個人の感想です。