培土時のユニフォーム粒剤散布で根腐病をブロック! 実のしまったこんにゃくを栽培し、農林水産大臣賞も受賞しました
全国のこんにゃくの栽培面積の約9割を占める群馬県。高橋秀幸さんは群馬県利根郡川場村でこんにゃく栽培を行っています。価格が低迷し、生産者も減少するなか、品質の良いこんにゃくを生産することで収益を上げ、農林水産大臣賞など大きな賞も受賞しています。その栽培方法と病害対策について伺いました。
【目次】
粘土質に近い土壌で品質の良いこんにゃくを生産
高橋秀幸さんは、川場村の標高350mから800mの山間地でこんにゃく栽培を手がけています。お母様と奥様、息子さん夫婦を含む5人での家族経営です。栽培面積は約10haで、品種は群馬県の育成品種「みやままさり」。川場村は粘土質に近い重たい土壌が特徴で、その土質にみやままさりが適しており、ギュッとしまった実入りの良いこんにゃくができるといいます。
こんにゃくは多年性で、生育に2~3年を要します。春に種芋(種玉)を植え付けると、秋には生子(きご)と呼ばれる小さな種芋ができます。この生子を翌年の春に植え付け、秋に収穫したものが2年生、さらに次の春に2年生を植え付け、秋に収穫したものが3年生です。
高橋さんは、7割を2年生、3割を3年生で収穫しています。その理由について、次のように話します。
「2年生の1.5キログラム程度のこんにゃくが最も高い価格で取引されるんです。実がしまっているので、粉にした際にきめの細かい、品質の良いこんにゃく粉になります」
基本を大切に、手間暇をかけた栽培方法を実践
高橋さんは「令和7年群馬県こんにゃく立毛共進会」で、農林水産大臣賞を受賞した実績もあるこんにゃく栽培の名人です。栽培のこだわりをうかがうと、「基本的に基本しかやらないこと」と話します。
「昔ながらの栽培方法を大切にしています。最近は省力化が進んでいるので、周りからは手をかけすぎているように見え、『面倒くさいことをしている』と思われているかもしれません。でも、基本に忠実に栽培することが、品質の良いこんにゃくをつくるために大切です」
その基本の一つが、培土作業を植え付け時と、芽が出る直前の5月下旬から6月上旬の2回実施することです。この段階で肥料も一緒にすき込みます。周囲には、植え付け時だけ培土や施肥をして、そのままにしている生産者も少なくないそうです。
「植え付け後に雨などで土が流れて畝が低くなったり、葉が茂って風通しが悪くなったりする前に、もう一度培土します。風通しを改善させることで、病気が出にくくなると思っています」
ユニフォーム粒剤は根腐病だけでなく、白絹病にも効果を実感
こんにゃくの病害で最も心配なのは、根腐病です。以前は生育期に2回目の培土や施肥をしていましたが、根腐病対策にはそれでは遅いと感じ、芽が出る直前に2回目の培土を行うように変更しました。この2回目の培土のタイミングで、根腐病対策としてユニフォーム粒剤を使用していただいています。
「種芋を栽培する採種圃場で、主にユニフォーム粒剤を使っています。植え付けて1週間くらいで土中に根が出てきますが、根腐病は土中に菌があるとその時期に感染してしまいます。芽が出る前にユニフォーム粒剤を散布することで早期に有効成分が取り込まれるため、健康な根が育ち、根張りも良くなります。実際に培土のタイミングを早めたことで、根腐病が減少しました。残効も長いので、芽が出てからも効果が持続し、助かっています」
さらに、高橋さんは、ユニフォーム粒剤への信頼の高さを次のように話します。
「ユニフォーム粒剤は、リドミル粒剤(終売済み)の代替として使用を始めましたが、白絹病でも効果を実感しました。最近は白絹病はほとんど出ていませんが、根腐病を抑えてくれているので、手放せない剤になっています」
また、他の地域で白絹病が発生した際には、知り合いに「ユニフォーム粒剤が効果があるから使ってみたら」と勧めてくださいました。早速使用したところ、白絹病をしっかりと抑えられたとのことです。それが同じ地域のほかの生産者にも口コミで伝わり、ユニフォーム粒剤を導入する生産者は増えたそうです。
猛暑の影響を受けつつも、品質の良い種芋を収穫した令和7年
こんにゃく栽培は、気候や病害の影響で収穫量の変動が大きく、価格もそれに左右され、長く価格低迷が続いてきました。生産者も減少しています。また、シカやイノシシによる獣害も、圃場管理上の課題です。
令和7年産は、猛暑の影響で品質が低下しました。収量も減少したことで価格は上昇しましたが、産地全体では、令和8年産に向けた種芋の不足と品質低下が深刻になりました。高橋さんの圃場は収量こそ減少したものの、標高の高い圃場で栽培していたこともあり、品質の良い種芋を収穫でき、ほかの生産者にも販売できたそうです。
高橋さんは、令和8年産の生産動向を次のように分析します。
「前年の品質の悪い種芋を植え付けた生産者が多いため、収量は大幅に減少するのではと予想しています。すでに土中で種芋が腐敗して、倒伏している圃場も見られます。これまでの経験から、一見、順調に生育しているように見えても、土中で腐敗が広がっていると思える圃場もあります。私は県の役員などもしており、多くの生産者とつながりがあるので、ユニフォーム粒剤などの良い剤や優れた技術は隠さず教え、情報共有をしながら産地全体で早めの対策を取り、収量アップと品質向上を目指したいです」
手間を惜しまず、基本的な栽培方法を大切にする高橋さん。現在の栽培規模を維持しながら、質の良いこんにゃくを生産し、収益を上げる経営を重視していきたいと話してくださいました。
高橋秀幸さんのこんにゃく(採種圃場)の防除スケジュール
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※掲載内容は取材当時のものです。
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