農業に関わるCO2を削減する!シンジェンタジャパンの「エコレールマーク」認定取得は、「新しいグッド・グロース・プラン」実現に向けた取り組み

製品追加情報
農業に関わるCO2を削減する!シンジェンタジャパンの「エコレールマーク」認定取得は、「新しいグッド・グロース・プラン」実現に向けた取り組み

「エコレールマーク」をご存じでしょうか?エコレールマークとは、「CO2削減を進めエコ物流を実現している企業・商品である」と認定するための環境ラベルです。シンジェンタジャパンは、2021年に「エコレールマーク取組企業」として、2022年には当社の5商品を「エコレールマーク商品」 として、認定を取得しています。

シンジェンタジャパンは、何故、エコレールマーク認定を取得し、何を達成しようとしているのか。今回、認定取得の実務を担った、サプライチェーン部の髙橋、そして技術企画渉外部の齊藤に話を聞いてみました。

「生産者を支援し、気候変動と戦う」をテーマとするグローバルな取り組み「新しいグッド・グロース・プラン」


エコレールマークの認定取得の背景には、シンジェンタがグローバルで取り組んでいる「新しいグッド・グロース・プラン」があります。エコレールマークと「新しいグッド・グロース・プラン」の関係性につて、技術企画渉外部スペシャリストの齊藤健央から説明します。

【技術企画作用外部の齊藤(左)とサプライチェーン部の髙橋(右)】

「シンジェンタは、2013年に最初の『グッド・グロース・プラン』を発表したのですが、それは作物の効率を高める・小規模農家保護・生物多様性促進など、6つの具体的なコミットメントで構成されていました。国連でSDGsが採択されたのが2015年であることを考えると、シンジェンタの方向性と歩みは正しかったと思います。その後、最初のグッド・グロース・プランのコミットメントは計画よりも早く達成され、それまでのフィードバックをもとに、2020年には『新しいグッド・グロース・プラン』としてアップグレードされました」。

この「新しいグッド・グロース・プラン」の大きなテーマは、「生産者を支援し、気候変動と戦う」とされています。特に気候変動の一つで温暖化の原因となるCO2削減については、様々な取り組みが各国でなされており、エコレールマーク認定取得は気候変動を意識した日本の取り組みとなるのです。


気候変動は実存的な脅威であり、手遅れになる前に行動する必要がある


続けて、齊藤は「新しいグッド・グロース・プラン」の4つの取り組みとシンジェンタが共有している意識について語ってくれました。

「『新しいグッド・グロース・プラン』は、『生産者と自然のためイノベーション加速』・『カーボンニュートラルな農業への取組』・『人々の安全と健康を支援』・『効果的なパートナーシップ』から構成されています。なかでも、気候変動は実存的な脅威であり、手遅れになる前に行動する必要があると考えており、様々な取り組みが行われています。こうした取り組みにおいては、会社としての大きなメッセージだけを掲げるのではなく、きちんと現場の活動に落とし込まれていくことが大切です。今回の日本のエコレールマーク認定取得は、現場での積極的な検討や提案が発端となり、会社全体の取り組みにつながったという点も非常に注目すべきことだと思います」。

エコレールマーク認定取得は現場発のカーボンニュートラルな農業への取組


それではシンジェンタジャパンは、どのようにしてエコレールマーク認定取得に至ったのでしょうか?国内物流を担当するサプライチェーン部ロジスティクスチーム スペシャリストの髙橋皆美に説明してもらいます。

「齊藤から説明がありましたように、2020年に『新しいグッド・グロース・プラン』が発表されました。そうしたなか、アジア地域のサステナビリティ担当者より、カーボンニュートラルな農業への取り組みとして、『シンジェンタは2030年までにCO2排出量を50%削減する』という具体的な指針が示されました。それを受けて、日本国内輸送のCO2排出量の計算を始めたのがきっかけです」と当時を振り返ります。 

モーダルシフト、貨物鉄道輸送は貨物車輸送に比べてCO2排出量が1/13


「2030年までにCO2排出量50%削減という目標に、自身の担当分野である物流で、いかにCO2削減に貢献し、それを数値として示すのかという点が課題でした」と髙橋は言います。 

「最初に行なったのは、物流分野でのCO2排出に関する勉強です。その結果、輸送モード別のCO2排出原単位では、貨物車に比べて貨物鉄道は大幅に少ない(国土交通省の実績では1/13)ということを学びました。CO2削減には鉄道輸送の割合を増やすことが有効でした。

そんな折、当社と取引のある物流パートナーとのワークショップのなかで、エコレールマーク制度の紹介を受け、当社CO2排出削減目標と方向性が合致すると感じ、エコレールマーク認定取得を目指し取り組みを開始することとしました」。

【モーダルシフトの効果】

モーダルシフトの効果


パートナーの協力と社内の後押しを支えに「エコレールマーク取組企業」・「エコレールマーク商品」の認定を取得、国内輸送で400tのCO2削減

鉄道輸送への切り換えによりCO2排出量を1/13削減できる……それは大きな効果であると認識していましたが、エコレールマーク認定取得はシンジェンタジャパンとして初めての試みであったため、最初は手探りだったそうです。

「エコレールマーク取組企業」の認定取得には、国内の500㎞以上の長距離陸上貨物輸送のうち15%以上を貨物鉄道輸送とする必要があり、当初はエコレールマーク認定の要件を満たしていませんでした。まず最初の取り組みは、貨物鉄道輸送の割合をさらに増やすことでした。

そこから、物流パートナーそして委託生産先などにご協力いただき、地道に輸送手段を貨物鉄道輸送に切り替えをすすめた結果、遂に2021年に「エコレールマーク取組企業」として認定を受けることができました。

その後、当初は社内でもエコレールマークの認知が得られていませんでしたが、「エコレールマーク取組企業」認定を取得すると認知が広がり、経営陣の後押しを得られるようになりました。このような社内からの追い風も受け、さらに2022年には、「アミスター20 フロアブル」・「コラトップジャンボ P」・「アグリメック」・「ボクサー」・「アシュラスター液剤(ゴルフ場向け除草剤)」の5商品が、「エコレールマーク商品」認定を受けることができました。

【『エコレールマーク商品』 認定取得した農業用農薬4商品】

「皆さんの関心があるのは実際のCO2削減効果だと思いますが、この取り組みの結果として、2021年の国内輸送で400tのCO2削減に成功しました」と笑顔で髙橋が教えてくれました。

エコレールマーク認定取得はさらなるパートナーシップの醸成の始まり


エコレールマーク認定を取得したことによる効果は、CO2削減だけではないようです。髙橋の話にあったように、そもそもエコレールマーク認定を取得するための作業において、取引先企業や協力企業と、CO2削減に向けた共同作業が行われました。その意義を、齊藤が説明してくれました。

「『新しいグッド・グロース・プラン』のテーマの『生産者を支援し、気候変動と戦う』という取り組みは、シンジェンタ単独で成し遂げることは容易ではありません。実現には、この取り組みの理解者を醸成し、農業・食品産業をはじめとする関係者様との協力も欠かせません。

こうした協力につながるパートナーシップを、当社はより大きく、強くして行きたいと願っています。そうすることで、当社はもとよりパートナー・生産者の皆様が、今後も食糧生産という重要な役割を担える環境をつくっていけると思います。

実際に、エコレールマーク認定を受けられた企業様には、化学・食品関係の方々も多くいらっしゃいます。そうした同じ志を持たれた方々との連帯意識を大切にして、広げて行きたいです。これも『新しいグッド・グロース・プラン』で注力する取り組み『効果的なパートナーシップ』に通じた考え方なのです」。

 


農業に携わるなかでCO2削減を意識するきっかけとしてのエコレールマーク


シンジェンタジャパンは『新しいグッド・グロース・プラン』のもと、カーボンニュートラルな農業への取り組みを積極的に行っています。これは世界的に行われているSDGsへの取り組みや、2020年に農水省が発表した『みどりの食料システム戦略』の趣旨にも合致しています。

これからの農業生産においては、CO2削減も含め持続可能な食料システムの構築が強く望まれています。薬剤を手に取った際、エコレールマークにも目が向く、といったことが少しずつでも増えていき、環境への関心や取り組みに繋がっていく……それがシンジェンタの願いです。