知ろう!果実が大好きミナミキイロアザミウマ編ー農家の常備薬 アファームの特長
ミナミキイロアザミウマはウリ科、ナス科などの野菜に大きく被害を及ぼす重要害虫です。ミナミキイロアザミウマの生態と被害について詳しく説明し、ミナミキイロアザミウマに高い防除効果を発揮するアファームの特長と使い方のポイントをご紹介します。
ミナミキイロアザミウマの形態・被害について
|ミナミキイロアザミウマの形態
ミナミキイロアザミウマの体長は雌1.0~1.4mm。雄成虫は雌に比べやや小さく、体色は全体に淡黄色~橙黄色。卵は直径0.3mm程度の半透明。1齢幼虫の体色は乳白色で、複眼は小さく赤色です。2齢幼虫になると体色が淡黄色になります。蛹になると体色が黄色みを増して、触角が頭部に沿って後方に伸びます。複眼も大きくなり、将来翅となる翅芽(しが)が長くなります。
【ミナミキイロアザミウマ】
|ミナミキイロアザミウマの被害
ミナミキイロアザミウマは様々な野菜に広く加害しますが、特にウリ科、ナス科の野菜に与える被害は深刻です。
以下は各野菜の被害の特徴です。
- なす:葉裏の葉脈沿いを加害し、吸汁部分は白斑となる。多発すると広範囲に銀灰色に光る症状(シルバリング症状)となる。果実では幼虫がへた内部に潜り込んで吸汁し、果実の肥大に伴って、果面に茶褐色の縞筋状被害痕が生じる。
- ピーマン:葉では新芽の生長が停まり、葉が奇形になる。果実はなす同様。
- ウリ類:葉の被害は、なす同様。きゅうりの果実では、縦の傷が生じて曲がり果となる。メロンやスイカでは、果皮に不規則な傷が生じサメ肌状になる。メロン黄化えそ病(Melon Yellow Spot Virus : MYSV)を媒介する。MYSVに感染するとえそ斑点、退緑症状を生じ、最終的に枯死する。
【野菜に与える被害】
【各種野菜の被害の程度】
|ミナミキイロアザミウマのライフサイクル
- 低温に弱く、寒冷地の露地では越冬できない。
- 露地栽培では、5~10月に発生し、7~8月がピーク。
- 施設栽培では、周年発生し、なすやウリ科で多発する。
アザミウマは、成虫と幼虫は葉の上にいますが卵は葉の中、蛹は土中にいます。薬剤で防除できる世代は限られているので定期的な防除が必要になります。
ミナミキイロアザミウマに対するアファーム剤の特長
|特長1 変わらない殺虫効果!ミナミキイロアザミウマに高い効果を発揮
アファーム剤はミナミキイロアザミウマに高い殺虫効果を発揮します。近年の試験においても、ミナミキイロアザミウマに対して高い感受性が確認されています。
【ミナミキイロアザミウマの成虫の補正死虫率(宮崎県総合農業試験場による薬剤試験結果)】
【ミナミキイロアザミウマの成虫の補正死虫率】
|特長2 ウイルス媒介を抑制
アファーム乳剤はウイルス媒介を抑制するため、定植直後の感染リスク低下にも役立ちます。
【ミナミキイロアザミウマの防除によるキュウリ黄化えそウイルス(MYSV)媒介抑制効果】
【2016年 宮崎県総合農業試験場】
- 品種:エクセレント節成2号(本葉1葉期)
- 試験方法:1区10株 3反復 供試薬剤の散布後3-7日にMYSV保毒ミナミキイロアザミウマ成虫を放飼した。放飼した保毒虫は放飼3日後に薬剤で殺虫した。
- 調査方法:放飼18-33日後、MYSVの発病株を達観で調査した。
※九防協連絡試験(2016年)より引用
アファーム乳剤の高い安全性
|作物への安全性
【作物への安全性:トマト、なす】
【作物への安全性:きゅうり】
|有用昆虫(ハチ)に対する安全性
ミツバチ、マルハナバチに影響を与える場合がありますので、ミツバチ等の巣箱およびその周辺にかからないようご注意ください。
【アファーム乳剤の有用昆虫に対する安全性】
|天敵昆虫に対する影響
速効性で天敵への影響日数が短いアファーム乳剤は導入前のリセット散布にも使いやすく効果的です。
【アファーム乳剤の天敵昆虫に対する影響】
アファームは、果菜類で問題になるアザミウマ種に殺虫効果を発揮!
|野菜栽培で問題となる様々なアザミウマ種
|ミナミキイロアザミウマの防除ポイント
物理的・耕種的防除: 害虫防除は雑草防除から。”入れない”の徹底!
【侵入防止と周辺雑草の管理】
【施設からの距離と害虫の発生量】
化学的防除: ”害虫を知る”、”薬剤を知る”、ローテーション防除の実践!
【アザミウマ生態と加害の特徴を知る】
- 発生初期から防除
被害が見える前から、定期的に防除をスタート。定植時の持ち込みを防ぐ。
- ローテーション防除
薬剤感受性低下が問題となっているので、必ず系統の異なる薬剤数種類以上でローテーション防除を。
- 多発生時の追い撒き防除
アザミウマが多発生すると、1回の薬剤防除では十分な効果が認められない場合がある。卵は植物体内、蛹は土中等に存在するため、直接薬剤がかかることはない。そのため、数日後に出現する幼虫・成虫を対象に、2回目の薬剤散布を行う。さらに数日後に3回目の散布を行うと効果的。