知ろう!食入する厄介なオオタバコガ編ー農家の常備薬 アファームの特長
オオタバコガは、広食性で多くの野菜類を食害します。もともと日本にいた虫ですが、以前は害虫として問題になることはほとんどありませんでした。ところが、1994年に西日本を中心に多くの作物で大発生し、それ以降、重要害虫の座に居座り続けています。そんなオオタバコガの生態と被害について、詳しく説明し、オオタバコガに対する高い防除効果を発揮するアファームの特長をご紹介します。
オオタバコガの形態・被害について
|オオタバコガの形態
オオタバコガ成虫は体長15mm~20mm、開長35mm~40mm。体色は緑灰色~黄褐色。前翅は雄は黄色味を帯び、雌は赤味を帯びる。
【オオタバコガ_雌成虫】
成熟幼虫は体長35mm~40mmで、体色は淡緑色、緑褐色、黄褐色など個体変異幅が大きい。
【オオタバコガ_成熟幼虫】
|オオタバコガの被害
ヨトウ類と違って卵は1個ずつ産み、一晩に1頭の雌が200〜300卵も産む。従って、雌1頭がハウスに入っただけでも大きな被害になることもある。オオタバコガの幼虫は植物体内に潜る性質が強く、葉菜では結球に潜って食害し、育行期から結球前に新芽が食害されると被害が大きくなる。花きや果菜では花蕾や果実内に食入し、中を空にすると次々と移動して加害するので、幼虫数が少ない割に被害が大きくなりがちである。
【被害作物:トマト】
【被害作物:トウモロコシ】
【被害作物:レタス】
■オオタバコガの宿主範囲一覧表
ナス科 | タバコ | バラ科 | バラ |
---|---|---|---|
ピーマン | イチゴ | ||
シシトウ | イネ科 | トウモロコシ | |
ナス | ハトムギ | ||
ホオズキ | ソルガム | ||
トマト | ウリ科 | カボチャ | |
ジャガイモ | キュウリ | ||
マメ科 | ダイズ | メロン | |
エンドウ | アオイ科 | イチビ | |
ラッカセイ | オクラ | ||
インゲンマメ | ワタ | ||
キマメ | セリ科 | ニンジン | |
クロタラリア | ショウガ科 | ショウガ | |
キク科 | アスター | ツバキ科 | チャ |
キク | シソ科 | オオバ(青ジソ) | |
レタス | ヒユ科 | センニチコウ | |
オオバノセンダングサ | ゴマノハグサ科 | キンギョソウ | |
ガーベラ | サクラソウ科 | シクラメン | |
ヒマワリ | ナデシコ科 | カーネーション | |
ユリ科 | アスパラガス | カスミソウ | |
アブラナ科 | キャベツ | リンドウ科 | トルコギキョウ |
ハクサイ | イソマツ科 | 宿根スターチス |
|オオタバコガのライフサイクル
越冬は休眠した蛹で行い、春に羽化する成虫からシーズンが始まる。関東から九州北部まではあまり時期的な差はなく、5月中旬から成虫が確認される。春の発生密度は低く、7月から10月にかけて発生密度が高くなる。年間世代数は4〜5世代。地域や作物によって年発生回数やピークの時期に変化が見られ、7月にピークを迎え、そのまま11月まで高止まりする地域もある。
【オオタバコガのライフサイクル
オオタバコガに対するアファームの特長
|特長1 オオタバコガに高い効果を発揮!幅広い作物登録
アファームは、広食性の害虫として多くの作物を加害するオオタバコガに高い効果を発揮します。
■トマトの効果試験
2011年 兵庫県植物防疫協会
処理日・処理方法:7月25日/肩掛け式小型噴霧機で180L/10aを散布した。
調査方法:処理前および処理4日後、8日後に各区の中央部の下部の4-6段累計100果について寄生虫数を調査した。
■レタスの効果試験
2000年 (社)日植防協会研究所
処理日・処理方法:10月11日/背負式全自動噴霧器を用いて150L/10aを、葉の表裏が十分に濡れるように散布した。
調査方法:散布前、2日後、7日後、および14日後に、各区中央付近40株の寄生虫数をステージ別に調査した。
その他:散布前日に各区中央14株に2-3令幼虫を株あたり3頭の割合で接種した。
■未成熟とうもろこし(スイートコーン)の効果試験
1999年 千葉県農業試験場
処理日・処理方法:8月26日/肩掛け式散布機によって展着剤(グラミンS5000倍)を加用して十分量(300L/10a)を散布した。
調査方法:散布3時間後に直径60㎝の補注網を株上からかぶせ、オオタバコガ2齢幼虫を30頭を放虫して捕虫網の口を閉じた。放虫6日後に株ごと採取し、生存虫数を調査した。
|特長2 優れた浸達性
葉内にしっかりと浸達し、葉裏や葉の中にいるオオタバコガも確実に防除します。
■アファーム乳剤の浸達性試験
2021年 シンジェンタジャパン(株)中央研究所
供試作物:キャベツ(品種: 金系201)
区制・面積:φ5 cmシャーレ/1区 4反復 幼虫10頭/区
供試虫:オオタバコガ(日植防牛久試験場飼育系統,2021年4月譲与)孵化幼虫
処理方法:所定倍数に希釈した薬液をキャベツ葉の表面のみに十分量散布し(クミテン3000倍加用)、風乾後に葉を水差しにした。散布1日後にφ5 cmリーフディスクを作成し、1%寒天を充填したシャーレに葉表(薬剤処理面)、葉裏(薬剤非処理面)を上にして置き、リーフディスクの切断面をホットボンドで覆い、リーフディスク上にオオタバコガの孵化幼虫10頭を放虫した。
薬剤処理日:6月1日
調査方法:放虫1日後に生存、異常、死亡虫数を計数した。
※キャベツにおけるオオタバコガの登録はありません
・葉表の処理だけで葉裏に処理したオオタバコガに高い効果を示しました。 葉裏にもしっかり薬剤が届くから、食入するオオタバコガにも確実な効果が期待できます。
|特長3 成虫活性と殺卵効果
アファームエクセラ顆粒水和剤はオオタバコガの卵に対して高い殺卵効果を発揮します。また、成虫に対する効果も期待できます。
2021年 シンジェンタジャパン(株)中央研究所
区制・面積:12号角底紙袋(幅178×奥行112×高さ350mm)/1区、成虫8頭(♂4:♀4/区)、6反復
供試虫:オオタバコガ(日植防牛久試験場飼育系統,2021年4月譲与)
薬剤処理日:2021年7月30日
試験方法:羽化3日以内の未交尾の雄4頭、雌4頭を紙袋に入れ、中に所定濃度に希釈した薬剤または水(無処理区)25 mlを染みこませた脱脂綿を入れ、内部に産卵のためのリードペーパーをつるして25℃、RH60%、16L:8D恒温条件下に置いた。処理3日後にリードペーパー1/4上の卵の数を計数し、ビニール袋に入れた。
<■産下卵の孵化率に及ぼす影響試験>処理7日後に卵の孵化および幼虫の孵化状態を調査した。
<■殺成虫効果の試験>処理1日後および3日後に成虫の生死を調査した。
■産下卵の孵化率に及ぼす影響試験
・アファームエクセラ顆粒水和剤およびマッチ乳剤を処理した区における孵化率はそれぞれ26、24%であり、高い殺卵効果が認められました。ルフェヌロンが孵化抑制に作用していると考えられます。
■殺成虫効果の試験
・アファームエクセラ顆粒水和剤を給餌法でオオタバコガ成虫に与えると、高い殺成虫効果を示しました。マッチ乳剤区では殺成虫効果が見られなかったことから、アファームエクセラ顆粒水和剤に含まれるエマメクチン安息香酸塩が作用したと考えられます。