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畑作物の少水量散布について:ヨーロッパの実態
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1.少水量散布がヨーロッパで普及してきた理由
ヨーロッパでは、少水量散布が以前から行われています。その背景には環境対策の強化、そして農作業の省力化による経済性向上などの目的があります。特に高圧散布による農薬噴霧のドリフト(漂流飛散)を防止するためにいろいろな対策がとられました。なお、水量が減らされても面積あたりの農薬投下量の変更はありません。
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環境保護:
ヨーロッパ諸国ではドリフトに対する厳しい規制があります。少水量散布がその対策にもなっています。 |
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2.ヨーロッパの少水量散布の水量
北海道では10aあたりに100Lの散布水量が標準ですが、ヨーロッパの場合は同じような標準がありません。作物・生育段階によって違うだけでなく、国と国の間にも差があります。その理由は気候的、地理的条件の違いがあるからです。
| 表1 散布水量(10aあたり) |
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小麦 |
てんさい |
| ドイツ・フランス |
10〜30L |
10〜30L |
| イギリス |
7〜20L |
10〜30L |
| その他のヨーロッパ諸国 |
20〜60L |
20〜60L |
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3.ヨーロッパの散布機
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畑作物の防除のために、ブームスプレヤー、けん引スプレヤーが多く使われますが、畑が広い場合には自走式スプレヤーが使われます。基礎構造は日本のスプレヤーに近いのですが、近年は散布量と進行速度を自動的に調整する機種も多く使われています(速度連動型)。ブームにサスペンションがついているものがほとんどですので、散布速度は10キロ前後が一般的です。 |
(1)ヨーロッパの散布ノズル
ヨーロッパの散布機には主にフラットファン(扇型)ノズルがついています。フラットファンの場合は、1〜4キロ(bar)の低圧での散布が可能です。また、噴霧角度が大きい(110度)ので、ブームの高さが低くても、揺れても散布むらがあまりないという利点もあります。一方、同じ散布圧で均一の粒子ができますので、作物・対象病害虫・雑草によってノズルの種類を変える必要があります
| 散布粒子の適サイズ |
| 対象・目的 |
散布粒子の大きさ |
例 |
| 光沢のある葉 |
細 |
てんさいの茎葉病害防除 |
| 表面が粗い葉 |
中・大 |
小麦の茎葉病害防除 |
| 土壌散布 |
大 |
土壌処理除草剤 |
| 雑草処理 |
中・大 |
イネ科雑草:中、広葉雑草:大 |
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注:散布粒子の大きさは目安です。 |
4.散布機の検査
ヨーロッパ諸国では、ブームスプレヤーの定期的検査が法的に義務づけられています。その理由は安全性と環境対策ですが、同時に効率的な防除にも貢献します。検査の内容は、散布機の機能のチェックです。
スイスの検量プロトコール

↑画像をクリックしますと、大きな画像がご覧になれます |
| 構成成分 |
必要な条件 |
検査方法 |
| タンク |
目盛り表示:50リットル単位 |
肉眼
(有/無) |
| ブーム |
設置ノズル間隔の均一性 |
肉眼・測定 |
| フィルター |
吸水フィルター:メッシュサイズ0.5ミリ以下 |
肉眼 |
| ポンプ |
全ノズル吐出量+タンク内容の5%=最適 |
計測器 |
圧力
調整器 |
運転席から0-10気圧(kg/cm2)の範囲で
調整が可能であること |
肉眼、テスト |
| 圧力計 |
0-10気圧(kg/cm2)の範囲における
精度0.5気圧(kg/cm2) |
検査装置 |
| ノズルの滴下 |
散布終了後にノズルから滴が落ちない |
肉眼 |
散布量・散布の
均一性 |
±15%の範囲内で正しく散布されること |
検査装置
(スキャナー) |
散布量計算の
基礎知識 |
面積あたりの目標散布量から
適正な散布速度と散布適量が計算できること |
散布者による
テスト |
| ノズルの滴下防止 |
全ノズルが同タイプであること
(同色、コード番号) |
メスシリンダー |
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5.シンジェンタ ジャパン(株)と北海道での少水量散布
シンジェンタは、ヨーロッパにおいて散布技術の面で幅広い経験をもっています。スイス、イギリスなどのヨーロッパ諸国には散布技術の専門家がおり、農薬の効率的散布について農家をサポートします。
日本でも、農薬の少水量散布用の登録が可能になったことを受け、同じく散布技術面もサポートしたいと思っています。北海道で販売される当社の製品については少水量散布の登録を取得するのみならず、社内試験を実施して現地の条件にあった少水量散布方法についても調べています。
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