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第63話 だいずのタネバエ
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第63話 だいずのタネバエ
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タネバエは名前の通りダイズやアズキ、インゲンマメなどの豆類をはじめ、ネギ類、ウリ類、トウモロコシなど様々な作物の種子を食害します。また、ダイコンやカブなどでは肥大した根部に幼虫が食入するため、商品価値を損うこともあります。タネバエによる種子の被害は、土壌中にいる幼虫が発芽前の水を吸って膨らんだ種子に食入し、内部を食べ尽くされたり胚芽が食べられると発芽できずに腐敗します。土壌中にある幼芽の場合には、子葉の間に入って食害するので、子葉に食害された痕が残りその後の生育が悪くなります。さらに、ダイズが出芽した後でも幼茎や幼根を加害する場合もあります。このように、タネバエによるダイズの被害は多様です。播種時の条件により多発が予想される場合は、次に述べる発生生態と防除対策を参考にして予防的な対策が必要になります。
発生生態:
タネバエは日本全土に分布し、幼虫は白色〜乳白色のウジ虫で老熟幼虫は6mmくらいの大きさになります(写真−1)。成虫は5mm程度の大きさで灰黄色〜暗黄褐色のハエです(写真−2)。東北地方では蛹で越冬しますが、暖かい地方では蛹の他に幼虫や成虫でも越冬します。3月下旬〜4月上旬頃から羽化しはじめ、畑に飛来し産卵します。成虫は未熟堆肥や鶏ふん、油かすなどの有機物の腐った臭いのする所や耕起したばかりの湿った畑に集まり、土の塊が地面と接している部分などに点々とまたはまとめて産卵します(写真−3)。年5〜6世代を繰り返し、一般に春と秋に産卵数が多く、夏は産卵数が少なくなります。これは、本種が低温適応性の害虫で発育適温が15〜20℃の範囲にあり、夏の高温は発育に適さないからです。また、雨が多く土壌水分が多いと産卵数が多く、幼虫の生存率が高まる傾向があります。
 写真-1 タネバエ幼虫 |
 写真-2 タネバエ成虫 |
 写真-3 タネバエ卵 |
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防除対策:
成虫は未熟な有機物に誘引されるので、有機物を畑に入れる場合は完熟したものを早めにすき込むようにします。また、水分の多い状態で耕起すると成虫を誘引し、砕土率が悪いとダイズの出芽を遅らせ幼虫による加害を助長するので、適湿な土壌条件の時に早めに耕起、整地をしておきます。
それでもタネバエの発生が懸念される場合は、薬剤による防除を考えましょう。タネバエ防除にはイソキサチオン粉剤や同粉粒剤、またはダイアジノン粒剤を播種時に散布して土壌と混和するかECP・チウラム水和剤を粉衣して播種するのが一般的でした。ECP・チウラム水和剤の種子粉衣は処理が簡便で立枯性病害にも効果があるのでタネバエ防除によく用いられていますが、他の害虫には効果がありません。これに対し、第62話のタマナヤガでご紹介したように、最近登録されたチアメトキサム水和剤は種子に塗沫処理(種子消毒)ができ、タネバエやアブラムシ類、フタスジヒメハムシなどの幅広い害虫に効果が高いので利便性が良く、ダイズの出芽や初期生育の安定化が期待できます。
(写真提供:青森県農林総合研究センター)
前秋田県農林水産技術センター農業試験場 生産環境部 主任研究員 新山 徳光 2007年4月25日掲載
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→→第64話 ジャガイモヒゲナガアブラムシとウイルス病
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