病害虫・雑草防除ガイド - 雑草の話
東北南部以南では、畑地雑草で最も一般的な優占種
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メヒシバ(前編)

※写真をクリックすると大きい画像をご覧いただけます。

写真(果樹園のメヒシバ)

写真1:果樹園のメヒシバ

メヒシバ(Digitaria ciliaris(Retz.) Koeler)はアジア原産とされ、全世界の温帯から熱帯に広く分布します。日本には史前に農耕に伴って大陸から入ったとされており、弥生時代の遺跡から本種の種子が出土されています。現在は全国に分布し、日本の代表的な夏生雑草の一つとなっています。

生育地は多様で、畑地、果樹園、日当たりの良い路傍、公園および空き地などにみられます(写真1)。北海道および東北北部の畑地ではタデ類やシロザ等の広葉雑草が優占することが多いのですが、東北南部以南においては本種が畑地における最も一般的な優占雑草であり、「畑雑草の女王」と呼ばれる由縁となっています。

写真(メヒシバを使った遊び)

写真2:メヒシバを使った遊び

メヒシバという和名は、日当たりのよい所に生え(日芝)、かつオヒシバ(雄日芝)に比べて繊細な印象からメヒシバ(雌日芝)とされたといわれます。方言名にメシバ、ジシバリ、スモトリグサなどがあります。スモトリグサは穂先をそろえた2つの穂を土俵代わりの箱の上に逆さに立て、箱をトントンたたいて押し出す遊びに由来するようです(写真2)。中国では蟋蟀(コオロギ)草と呼ばれ、闘蟋蟀(コオロギを戦わせる娯楽)の際、コオロギの注意をひき戦闘状態へと興奮させるのに用いられます。

写真(出穂期のメヒシバ)

写真3:出穂期のメヒシバ

本種は、夏生の一年草です。写真3は出穂期の形ですが、茎の下部は横にはい、節から不定根をおろし、茎の上部は斜上、直立し掌様の花序をつけます。春に発芽、出芽し、夏から秋にかけて出穂・開花・結実を行い、種子(植物学的には小穂(しょすい))を散布し、その後枯死します。種子は冬の間を土壌表面あるいは土壌中で過ごします。

写真(裸地で発芽するメヒシバ)

写真4:裸地で発芽するメヒシバ

発芽するために変温を要求する場合がありますが、この性質によって種子は自身が裸地におかれているのかどうかを感知し、無駄な発芽を避けています(写真4)。1個体当たりの種子数は数千から数万です。それらの種子の寿命は畑雑草のなかでは短いほうで、散布された翌春の生存率は2割程度という事例が示されています。

次回の「メヒシバ 後編」では、メヒシバが多様な生育地に生えることのできる理由、そしてメヒシバの防除と利用について紹介します。

 

秋田県立大学短期大学部
生物生産学科
露崎 浩

2005年9月6日掲載

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