病害虫・雑草防除ガイド - 雑草の話

雑草コラム Vol.4 オオバコ科雑草 オオバコ

オオバコ(オオバコ科)は日本全域に分布する多年草です(写真1)。その花茎を互いにからませ引っ張る「オオバコ相撲」を楽しんだ方は多いのではないでしょうか(写真2)。

山西弘恭氏らは「地域によってオオバコの生態が異なるのではないか?」と考え、札幌市から那覇市にかけての計30地点でオオバコの種子を採集し、それらを発芽させ同一の環境条件下で栽培しました。その結果、オオバコに二つのタイプ(生態型)があることが分かりました。一つは、低温(6℃)条件下で成長を止め休眠状態になる「休眠タイプ」、もう一つは、低温条件下でも成長を続ける「常緑タイプ」です。そして、「休眠タイプ」は夏緑広葉樹林(冬に葉を落とす樹林)域に分布し、「常緑タイプ」は常緑広葉樹林域に分布することを明らかにしました。皆さんの住む地域のオオバコは、どちらの「タイプ」でしょうか。オオバコという小さな草が、二つの樹林域に対応するような「タイプ」を分化させたことに、植物の分布と気候との関連の強さを改めて感じます。

さて、オオバコの種子は水分が与えられると粘液を出します。
その粘液で種子が人の足に着き運ばれ、散布されます(種子散布の様子はNHKが配信する映像でみられます)。
粘液の役割は、種子散布だけでしょうか。
私は学生(学部2年生)と発芽試験をし、粘液のある種子は粘液を取り除いた種子に比べ、水分が少ない条件下での発芽率が高いことを観察しました。粘液は、水分を保持し発芽を助けていると思われます。

また、オオバコは、他の雑草が生えないような踏み固められた場所にも生育します。
オオバコの種子根が硬い地表を貫通できるように、粘液が種子を地表に固着する役割を果たしているのかもしれません。

学生たちは、「作物の発芽と芽生えを助ける“種子粉衣資材”が作れないだろうか」と応用面も考えながら、オオバコと向き合っています。粘り強く取り組んでほしいと思います。


 

【引用・参考図書等】
・山西弘恭・福永典之(1983年)、日本列島におけるオオバコPlantago asiatica L.の生態型分化、  日本生態学会誌33:473-480。
・NHK、NHK for School ミクロワールド 道ばたに育つオバコの秘密。
 http://www.nhk.or.jp/rika/micro/?das_id=D0005100140_00000(2015年11月6日閲覧)。

【備考】
秋田県立大学は1・2年生を対象とする「学生自主研究」制度を持つ。入学後の早期から研究をしたい学生は、その制度により研究資金の交付と教員の支援を受け、研究に取り組んでいる。

 

雑草コラム執筆者プロフィール
露﨑 浩
秋田県立大学生物資源科学部教授として、雑草の生態と制御および利用に関する研究、ならびに畑作物の安定・多収生産技術に関する研究に取り組んでいる。

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