病害虫・雑草防除ガイド - 雑草の話
イヌビエ、スズメノカタビラなどは、は種後の土壌処理が基本
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麦畑に発生する雑草と防除対策

北海道の輪作体系の中で欠かせない作物である小麦。晩秋に種をまく秋まきと、融雪後に種をまく春まきに分かれ、栽培地域や管理期間の違いなどにより、問題となる雑草が異なります。今回は、北海道の小麦栽培で問題となる雑草と防除対策についてご紹介します。

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栽培期間の長い秋まき小麦の問題は
越年生の雑草が成育に悪影響を与える

スズメノカタビラ

スズメノカタビラ

秋から翌夏までほぼ1年間畑を占有する秋まき小麦は、輪作体系を組むには早堀りバレイショやスイートコーンを前作物に組む以外ありません。もしくは2年作として交互作を行うか、やむを得ず連作することになります。
こうした作付体系で問題となる雑草は主に耕起後に発生してくる越年生のスズメノカタビラ、ハコベ、イヌカミツレなどで、春先からの雑草競合により小麦成育に悪影響を及ぼします。特にイヌカミツレは草高が麦を超え、収穫時の作業性に影響し、コンバインなどを経由して他の畑に種子拡散するため、特に注意が必要です。
連作しているほ場ではコヌカグザ(レッドトップ)、シバムギといった地下茎で増えるタイプの多年生雑草が繁茂する場合もあります。これらの草種は麦とほとんど同様に成育し、収穫時まで継続的に雑草競合と生育障害を引き起こし、大きな減収をもたらしますので、強害雑草といえるでしょう。

麦畑における主な畑地雑草
秋生え
越冬一年生
雑草
広葉 ハコベ、イヌカミツレ、ナズナ、スカシタゴボウ、ナタネタビラコ
イネ科 スズメノカタビラ、スズメノテッポウ
春生え
一年生雑草
広葉 ハコベ、シロザ、タデ類、タニソバ、ノボロギク、スカシタゴボウ、ヒユ類
イネ科 イヌビエ、スズメノカタビラ、エノコログサ、メヒシバ
多年生雑草 広葉 エゾノギシギシ、キレハイヌガラシ、スギナ
イネ科 コヌカグサ、シバムギ

輪作体系を守り、耕起前、播種後の除草剤で効率よく除草

雑草の防除には耕種的防除と、除草剤による防除がありますが、ポイントは3つです。

(1)輪作体系を守る
雑草防除の基本は土壌中の雑草種子の密度を高めないことです。雑草種子の休眠期間は、イチビのような長い物では数十年にもわたり、一度、種が落ちてしまうと長期間に渡って苦労することになります。そのためにも、北海道のような畑作中心の栽培体系では輪作体系を守ることが重要です。画一的な栽培管理を続けると土壌処理剤が効きにくい草種が勢力を強めてしまいます。また連作は防除の難しい多年生イネ科雑草を増やすことにつながるので注意が必要です。

(2)雪腐病の防除やほ場管理の実施
雪腐病の防除により、春先に雑草発生の格好の温床となる「生え切れ部分」を作らないことも1つのポイントになります。また、栽培期間中以外のほ場管理も雑草防除の観点から重要で、収穫後の畑に雑草を発生させないように、適宜、耕起作業を入れたり、緑肥作物を作付したりするなどの管理が必要です。

(3)耕起前に非選択性除草剤、は種後に土壌処理剤
除草剤による防除のポイントは、播種後の土壌処理除草剤で越年生の雑草の生育初期をしっかりと防除すること。秋処理で充分に防除できなかった場合は、融雪後の春処理のときには、除草剤が効かない大きさになってしまうため、防除が困難になってしまいます。土壌処理剤の効果を最大化するには、は種前の丁寧な砕土と整地、適期防除であるは種後から雑草発生始期までの適湿な土壌条件で処理することです。また、イネ科の多年草雑草の多発ほ場では、耕起前の雑草成育時に移行性のある非選択除草剤で、しっかりと防除することで、密度抑制をはかることも重要なポイントです。

春まき小麦、大麦の雑草防除はは種後の土壌処理剤が基本

イヌビエ

イヌビエ

道央、道北の転換畑地帯で作付されることの多い春まき小麦は地域的にてんさいやばれいしょの栽培が少なく、結果的に大豆との短期輪作や連作の割合が多くなっています。
こういった画一的な栽培体系の場合、春から夏の一年生雑草であるイヌビエ、スズメノカタビラ、ハコベ、シロザ、タデ類、タニソバ(道東)などや、エゾノギシギシやキレハイヌガラシといった多年草雑草が繁茂するケースが目立ちます。
さらにはスギナの侵入が目立つ畑や、転換畑地帯ではイヌカミツレの発生も見られ、雑草は多種に渡っています。
雑草管理方法は秋まき小麦と共通です。除草剤のポイントは、は種後の土壌処理剤が基本。多年草雑草が多発しているほ場では、栽培期間中以外に耕種的防除と合わせ、移行性のある非選択性除草剤などを利用することで発生密度を抑制できます。

  • シロザ

    シロザ

  • タデ

    タデ

 

地方独立行政法人
北海道立総合研究機構
中央農業試験場 作物開発部
研究主幹
前野 眞司

2011年10月31日掲載

関連製品

◎イネ科から広葉まで1成分で!「土壌処理除草剤 ボクサー」
http://www.syngenta.co.jp/cp/items/boxer/special_content/14/

◎コヌカグサやシバムギが多い場合は、ボクサーと「茎葉処理除草剤 タッチダウンiQ」の体系処理で!
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http://www.syngenta.co.jp/cp/items/preegloxl/apply/

◎広葉雑草が多い場合は、ボクサーと「茎葉処理除草剤 レグロックス」の体系処理で!
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関連情報

雑草の話 第21話 メヒシバ(前編)
http://www.syngenta.co.jp/cp/columns/view/?column_id=98

雑草の話 第3話 キレハイヌガラシ
http://www.syngenta.co.jp/cp/columns/view/?column_id=80
 

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