トップコースとともにNO.15 ターフ訪問 軽井沢ゴルフ倶楽部

●コースとともに

軽井沢ゴルフ倶楽部(長野県北佐久郡軽井沢町)

美しいコースづくりのため
新たな病害の防除にも苦心


全国屈指の名門コース!!芝のクオリティも高いレベルを維持

軽井沢ゴルフ倶楽部  軽井沢ゴルフ倶楽部は大正8年(1919)、軽井沢へ避暑に訪れる華族たちによって設立されました。当時の名士たちが発起人として名を連ね、初代会長は公爵・徳川慶久が務めています。現コースは、白樺や松などの樹林が美しい林間コースで、間近に望む浅間山の景色も絶品。全国屈指の名門コースとして高い評価を得ています。
 こうした名門コースゆえ、芝のクオリティにも高いレベルが求められます。グリーンキーパーの大野哲也氏は「いつもトーナメントを開催している気分ですよ」と、常に美しい状態を保つように努力しています。
「グリーンやフェアウェイの更新作業も極力、シーズン中ではなくシーズンオフに行うようにしています。やむを得ずシーズン中に行う場合でも、できるだけプレーに支障がないように配慮します。その分、労力はかかりますが、お客様に好印象をもっていただくことは大切です」

グリーンキーパー 大野 哲也氏
グリーンキーパー
大野 哲也氏

 病害の防除についても、労力を惜しまずに対処しています。同ゴルフ場は、グリーンがベント芝で、フェアウェイ、ラフ、ティーグラウンドがノシバ。このノシバの至るところに、ラージパッチ、ダラースポット病、犬の足跡、ネクロティックリングスポット病という4つの病害が発生します。
「平地ではラージパッチは春や秋に発生しますが、高原の軽井沢ではシーズン中、常時発生します。完全に抑えようとしたら年6回の薬剤散布が必要。5月から10月まで月1回散布するという勘定です。しかし、年6回の全面散布というのは費用的に厳しいものがあります。ダラースポット病や犬の足跡は7月〜9月に発生します。これも完璧に抑えようとしたら、各月1回の合計3回の全面散布が必要です」
 実際には、ラージパッチの防除については年2〜3回の全面散布で対処しています。ほかの病害については発生してからスポット散布で主に対処しています。予防で散布するのは総面積50万m2のうちの50002くらい。全面散布が理想ですが、こちらも「費用がかかりすぎる」とのことです。そして最近、大野氏を悩ませているのが『ネクロティックリングスポット病』という病害です。
「この病害はどこに出るかわかりません。直径2〜3cmのものが最初に発生します。病害なのかターフを取った跡なのか判然としません。いきなり5cmくらいになったり、10cmくらいになることもあります。いま有効な防除法を模索中です。発生後は放置していても治らないので、発生場所に肥料を多く与えるなど、回復を図るための処置を施しています。石灰などを散布したこともありますが、いったんは回復が早くなっても、また翌年発生しますね」

写真(美しいコースづくりのため新たな病害の防除にも苦心)

 このネクロティックリングスポット病は、土壌のpHが酸性寄りだと発生しやすいという報告もあります。同ゴルフ場の土壌は火山灰土で、pH4.5〜4.6と完全に酸性です。
「石灰を入れてpHを調整しても、一時的に表層部分のpHが上がるだけで、長期的な散布が必要です」
 大野氏によれば、まだこの病気を認識していないゴルフ場が多いのではないかということです。ラージパッチや春はげ症と誤認して、薬剤が効かなくなったと嘆いているケースが少なくないのでは、と指摘します。
 病害防除に欠かせない薬剤選びについては、やはり値段が気になるとのことです。ただし、値段が1.5倍でも残効が2倍なら、そちらを選択するそうです。

写真(フェアウェイに発生したネクロティックリングスポット病(軽井沢ゴルフ倶楽部/2007年6月13日))
フェアウェイに発生した
ネクロティックリングスポット病
(軽井沢ゴルフ倶楽部/2007年6月13日)
写真(ダラースポット病や春はげ症に類似したネクロティックリングスポット病も発生)
ダラースポット病や春はげ症に
類似したネクロティックリング
スポット病も発生

「散布にかかる人件費なども考慮します。安いけれど毎月散布しなければならないものと、高いが3カ月に1回の散布でいいものは、散布にかかる人件費が違ってきます。そこまで考えて年間ではどちらが得になるかを判断します。散布する時期をはじめ、使い勝手も重要な要素。お客様がたくさん来場される時期には散布できません。たとえ値段が高くても、散布時期に余裕があるものは有利。安くても散布時期が限られると困ります。残効が長い薬剤も、値段が高くても有力な選択の対象ですね。散布のタイミングをはずすリスクを考えれば、コスト的に十分に見合います」  このように、表面的な薬剤の単価だけではなく、もろもろの条件を総合的に判断してトータルな単価を勘案、最も安いものを選ぶとのことです。
「幅広いスペクトラムがある薬剤も魅力ですね。当コースでは7月〜9月、ラージパッチ、ダラースポット病、犬の足跡の発生が重なります。これらを同時に防除できる薬剤があれば、購入額を抑えられるし、散布の手間、人件費も節減できます。願わくば、ネクロティックリングスポット病に効いて、ラージパッチや春はげ症にも効果のある薬剤が早く登場してほしいですね」
 薬剤選びは一概に値段だけで判断できない面もあり、それぞれのゴルフ場の事情に合致したものを選ぶことが肝要だ、と大野氏は強調します。


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