トップコースとともにNO.11 ターフ訪問 草津高原ゴルフ場

●コースとともに

草津高原ゴルフ場(群馬県吾妻郡草津町)

薬剤の選択もコース管理者のテクニック!!


寒冷地並みの気候条件 夏のダラーと冬の雪腐病が課題

 草津高原ゴルフ場は、標高1200mという高地に位置しているため、関東にありながら環境的には寒冷地のゴルフ場に近いといえます。グリーンはベント芝で、フェアウェイは、ブルーグラスとライグラスの混合。例年、根雪になるのは、12月10日前後で、4月の第2週までは雪が残ります。年間120日はクローズされるため、積雪からは寒冷地のコースといえるでしょう。
「真夏の最高気温が平均28度。最高気温が30度を記録するのは稀です。一方、夜は気温が10度台まで下がります。夏は北海道の低地よりも気温が低いかもしれません。湿度も低いですね」

 そう語るのは、グリーンキーパーの中沢文行さんです。夏のシーズンが短い分、真夏でも快適にプレーできるのが同コースの大きなセールスポイントです。
「こうした気候条件のせいか、それほど病気は問題になりませんが、フェアウェイにダラースポットが目立ちますね。ひどくなると芽数が少なくなるし、見栄えも悪くなります」

 リゾートエリアなので夏のハイシーズンにはコースをきれいにしておきたいのですが、この時期にダラースポットなどの病害が出てきます。見栄えをよくするために芝をせっせと刈り込むと、ダラースポットもどんどん広がることになると中沢さんは渋い顔です。


副支配人・グリーンキーパー
中沢 文行氏

「フェアウェイの病害の発生期間は長いですね。まず梅雨どき、6月後半から動き出し、梅雨開けにも出ます。お盆前にも必ず出て、秋、9月にも出ます。毎年、ほぼ同じサイクルで発生します」

 殺菌剤の使用については、発生してから散布するという態勢でやってきましたが、最近、少し考えが変わってきたそうです。その契機になったのが、新発売になった殺菌剤『ダイブ』の登場です。
「ティーとグリーンに散布したのですが、45日後には歴然とした違いが出ていました。ダイブを散布したところはきれいでしたが、無処理区には病害の発生が見られました。残効が長いので、うちのコースのように発病期間が長い場合には効果的ですね」

 治療的に殺菌剤を散布する場合、後手に回ると1回で済むところが2回になったりと、費用も労力もかかることになります。フェアウェイについては、予防的に散布したほうが合計コストは少なくて済むだろうと、中沢さんは指摘します。
「お客様が最も多く訪れる時期に、芝がきれいなほうがいいに決まっています。お客様にクオリティーの高い芝を提供し満足していただくためには、一度は全面散布をする必要があると考えています」

 同コースでは、夏のダラースポットもさることながら、冬の雪腐病対策も重要な課題となっています。ゴルフ場にとってゴールデンウィークは集客の一つのポイントですが、ここでベストの芝をお客様に提供するには、いかに冬をうまく越すかが問題になります。同ゴルフ場の場合、4月半ばまで雪が残るので、この問題は切実です。この雪腐病対策に、中沢さんは、殺菌剤『ヘリテージ』を活用しています。
「一昨年、部分的に他の薬剤と組み合わせて使用し、昨年はフェアウェイ全面に散布しました。雪腐病にヘリテージを使うなどということは、考えたこともなかったですね。雪腐病に効果があるとわかって驚いています」

 以前に使っていた薬剤から切り換えた最大の理由は、散布タイミングの問題です。根雪直前に散布しなければならない薬剤の場合は、もし雪ではなく、みぞれや雨になれば散布した薬剤が流れてしまうという弱点がありました。

写真(寒冷地並みの気候条件 夏のダラーと冬の雪腐病が課題)

「ヘリテージの組み合わせ使用は、根雪の1か月前に散布しても大丈夫。いつ根雪になるかと心配しなくてもいい。多少、コストは増加しますが、雪解け後の芝生が大丈夫だと保証されるので安心ですよ」

 ヘリテージは魚毒性などから、役所に対する届けなどの煩わしさからも解放されるのも利点だと中沢さんは指摘します。散布薬量も、ヘリテージの場合、雪腐病の薬剤の中では少ないので、総量規制の面からもメリットがあります。
「作業するスタッフも汚れなくなって喜んでいます。ヘリテージは汚れが少なく、臭気もありません。作業者の気分が全然違いますよ。使用者へも優しい剤。散布機材の傷みも少ないです」

 ヘリテージは薬剤が浸透移行するので、芝生の体内に取り込ませれば、効き目が持続するという性質があります。雨が降っても流れ落ちることはなく、散布後に刈り込みができるのも長所です。
「いままでは、秋にきれいにつくった芝生が春先にどうなるかわかりませんでした。ヘリテージのおかげで、仕事に計画性を持たせることができるようになりました。これまでは、補修作業が1〜2か月必要でした。春の作業が読めるようになるというのは、コース管理者にとっては最もありがたいことです」

 常にきれいで良い状態の芝をお客様に提供するのがグリーンキーパーの仕事だと言い切る中沢さん。与えられた予算の中で、できるだけ芝をきれいに見せる努力をする、これがグリーンキーパーの役目だと語ります。
「いつ、どの薬剤を使うのかというのもグリーンキーパーのテクニックです。殺菌剤はたくさんあります。事前にいつどこでどのような剤を散布すればいいか、またその薬剤がどのような特性をもっているのかをきちんと把握する必要があります。何を選定するか、それはわれわれの課題です」


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