トップ雑草ポケットブックブタナ

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写真(ブタナ)

● 説明

ヨーロッパ原産の多年生雑草で全国に分布します。葉の形は変異が大きいですが一般に鋸歯のような切れ込みのある根生葉が地面にへばりつくように生育するため刈り込みに強く、また、しばしば群落を形成して広がるため、芝地における強害雑草となります。別名「タンポポモドキ」とも呼ばれタンポポに似た形状をしています。


● 区分

多年生キク科

● 主な発生場所

乾燥や土壌環境に対する適応力が強いため、土壌の種類を選ばず、やせた土壌や酸性土壌でもよく生育します。コース内では刈り込みの少ないフェアウェイやラフに比較的多く発生します。

● 特徴

ブタナはセイヨウタンポポと同様に、葉は根生葉(ロゼット)が地面にへばりつくように生育するため、刈り込みを実施しても株の基部は残りやすく、深く伸びた根部には養分貯蔵量も多いことから再生が早く、刈り込み回数を増やすだけでは一時的な抑草は可能でも根絶することはできません。また発生が多くなると群落で折り重なるように、隙間なく生育することがあり、発生場所の芝生がなくなってしまうこともあります。

● 生態

種子と根茎により繁殖し、根生葉(ロゼット)で越冬します。春から秋を中心に、ほぼ通年にわたって生長を続けます。開花時期は通常6-9月頃で、上部でいくつにも分枝した高さ60-80cmほどの花茎を複数伸ばし、先端に直径3-4cmほどのタンポポに似た黄色い頭状花をつけます。種子は赤褐色で長さ約3-5mmほど、灰褐色の冠毛を持つため、風による伝播が起こりやすく、遠くまで種子の拡散が可能です。

写真1:ブタナロゼットの形状 写真2:隙間なく発生したブタナ群落 写真3:上部で分枝した多数の花茎を発生させる
写真1:ブタナロゼットの形状 写真2:隙間なく発生したブタナ群落 写真3:上部で分枝した
多数の花茎を発生させる
写真4:ブタナ花序 写真5:ブタナ種子と冠毛  
写真4:ブタナ花序 写真5:ブタナ種子と冠毛  

● 発生環境

種子の休眠性は浅く、結実落下後の種子でもすぐに発芽可能になります。種子の伝播はおもに風により、雨、動物、人間なども関係するとされています。

● 発生消長

ブタナ
ブタナの発生消長

発生時期の表記について
:多発生 :発生
なお、地域や生育環境によっては発生時期、開花時期などが異なることがあります。

● シンジェンタからのおすすめ防除法

  • コース内だけでなく、ラフやコース周辺地の雑草を放置すると結実して有力な伝播源となるため、コース周りも可能な限り管理を行ないます。
  • 芝密度の低くなった場所に入り込みやすいため、芝の密度を高く保ちます。
  • 発生場所では刈り込みを丁寧に実施するとともに、開花期に伸びる花茎の刈り込みをきっちり行なうことで種子の形成を抑え、種子由来の新しい個体の発生を抑えます。
  • 株が大きくなる前、また数が増える前に早めの駆除を実施します。株が大きくなった場合は必要に応じて抜き取りによる防除が必要になることもあります。
  • 薬剤防除を行なう場合には春秋のSU剤や夏期のホルモン剤などで年間での体系防除を計画して駆除を実施します。発生量が多い場合や再生が早い場合は春夏秋の年3回連用での防除を行います。

● 雑草コラム

タンポポモドキと呼ばれるほどタンポポと間違えられやすい雑草ですが、見た目の特徴だけでも異なる点がたくさんあるため、慣れれば見間違うことはほとんどありません。

表:ブタナとセイヨウタンポポの相違点
  ブタナ セイヨウタンポポ
学名 Hypochoeris radicata L. Taraxacum officinale Weber
年生と科名 多年生キク科
葉の形状 葉は厚みがあり葉縁の
切れ込みがなだらか
葉は厚みがあり葉縁の切れ込みがなだらか
葉は薄く葉縁の
切れ込みが鋭い
葉は薄く葉縁の切れ込みが鋭い
葉の表面 葉の裏表に毛がびっしり生える
葉の裏表に毛がびっしり生える
表面の毛はほとんど生えない
表面の毛はほとんど生えない
花茎の形状 上部で分枝して
1本の花茎に多数の花序がつく
上部で分枝して1本の花茎に多数の花序がつく
分枝しない
1本の花茎に1つの花序
分枝しない1本の花茎に1つの花序(写真はカントウタンポポ)
(写真はカントウタンポポ)

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