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●雑草ポケットブックオンライン版

スズメノヒエ(Paspalum thunbergii Kunth)

写真(スズメノヒエ)

● 説明

日本在来の多年生イネ科雑草で全国に分布しています。茎は直立して根元から群生し、高さ30-90cmほどの大きな株を形成します。全身が白く柔らかい長毛に覆われています。

● 区分

多年生イネ科

● 主な発生場所

日当たりの良い少し湿った所を好みますが、乾燥にも強く土壌の種類を選びません。ゴルフ場では造成から4-5年経過したコースで発生が多くなり、また芽数の少ない芝地で発生しやすくなります。

● 特長

スズメノヒエは茎が地際で分枝して株を形成するとともに根生葉(地面近くの茎から葉が出ていること)が多いことから、刈り込みを繰り返しても株の基部は残りやすく、また刈り込み条件下では横に這うように広がり生長するために耕種的な方法のみによる防除は難しくなります。
多年生雑草であることから年を経るごとに根株が強大化して、一度大きな株になってしまうと更に防除が難しくなります。

● 生態

種子と地下茎および株の肥大により繁殖し、種子と地下茎で越冬します。生育期間は4-11月頃までで、8-10月頃に茎の上部に淡黄緑色の穂状花序を総状に発生させます。小穂は短柄、円形で白い短毛を持ち、2列に発生して枝穂になります。枝穂は長さ5-10cmほどで3-5本をまばらに互生して総状になります。全身に毛があることと穂の形が特徴となります。

写真:スズメノヒエ種子

● 発生環境

通常、種子は光のあたる明条件で発芽率が高まるため、土壌表層1mm以内から発生する傾向です。種子の伝播は主に動物、人間などによるとされています。


● 発生消長

スズメノヒエ
スズメノヒエの発生消長

発生時期の表記について
:多発生 :発生
地域によっては発生時期、開花時期などが異なることがあります。

● シンジェンタからのおすすめ防除法

  • コース内だけでなく、ラフやコース周辺地の雑草を放置すると結実して有力な伝播源となるためコース周りも可能な限り管理を行ないます。
  • 発生したら株が大きくなる前に早めの駆除を実施します。発生前や発生初期であれば一般的なイネ科除草剤の土壌処理や茎葉処理での防除が可能です。
  • 株が大きくなった場合は必要に応じて株の抜き取りによる防除が必要になります。
  • 開花期である8-10月頃の刈り込みを随時行なうことで種子の形成を抑え、種子由来の新しい株の発生を抑えます
  • 除草剤の春・秋の連用処理で大型の株も徐々に減らすことができます。

● 雑草コラム

スズメノヒエには様々な類似種が確認されていますが、芝生地で問題になるのは主としてスズメノヒエ、シマスズメノヒエ、タチスズメノヒエとなります。3草種の相違点を表に示しました。
スズメノヒエは、シマスズメノヒエ、タチスズメノヒエに比べて全体に小さく、全体が軟毛で覆われています。またスズメノヒエは小穂の縁が無毛であるのに対して、シマスズメノヒエ、タチスズメノヒエの小穂は縁のみが毛に覆われます。タチスズメノヒエはスズメノヒエ、シマスズメノヒエに比べて枝穂の数が多いのが特徴です。シマスズメノヒエは南方原産で耐寒性があまり強くないため、関東以西、特に西九州などの南の地方での発生が多くなります。

表:Paspalum属草種間の相違点
種名 スズメノヒエ
Paspalum thunbergii Kunth)
シマスズメノヒエ
Paspalum dilatatum Poir.)
タチスズメノヒエ
Paspalum urvillei Steud.)
原産 日本在来種 南アメリカ原産 南アメリカ原産
草高 40-90cm 80-120cm 100-150cm
全体が軟毛で覆われる 葉身は白色を帯びた緑色で無毛
基部に長い毛が発生
基部の葉鞘には剛毛
上部の葉鞘は無毛で
葉身との接点に毛が発生
小穂 淡黄緑色
緑紫褐色で白い短毛を持ち
縁が無毛
緑色
縁に絹糸状の長毛が密生
淡緑色〜紫色を帯びる
縁に絹糸状の長毛が密生
枝穂数 3-5本 3-7本 10-20本
分布 日本全国 関東以西
西九州など南の地方に多い
関東以西
写真:芝生地に発生したシマスズメノヒエ 写真:芝生地に発生したシマスズメノヒエ
写真:芝生地に発生したシマスズメノヒエ

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