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●雑草ポケットブックオンライン版

チガヤ(Imperata cylindrica L.)

写真(チガヤ)

● 説明

イネ科の多年生雑草で、葉は線形緑褐色でやや堅く、下部は狭くなって葉鞘のようになり、葉鞘には通常毛がはえます。茎は直立して高さ50-150cmほど、葉は長さ15-50cmほどに成長します。
本種は日本全土に分布しており、その旺盛な繁殖力や根茎からの再生力の強さなどから世界の最重要害草10種のうちの1つとされています。

● 区分

多年生イネ科

● 主な発生場所

日当たりや水はけが良い所を好み、土壌の種類を選びません。ゴルフ場ではラフ、バンカー周、のり面に多く見られますが、造成初期や刈り込み回数の少ない所で発生しやすくなります。

● 特長

チガヤの根茎は地中を長く匍匐して、多数の休眠芽を有します。また節々から芽を出すことが可能なため、しばしば大群落を作ります。刈り込みを続けることで徐々に株は衰退しますが、芝生に侵入・定着したものを根絶するには時間がかかります。
大量の根茎を非常に密に発生させるため、発生量が多くなると根群が押し上げられたり押し下げられたりする対抗現象が生じて芝草の生育を悪化させることがあります。
地上部の刈り込みを行った際に刈り込まれた株からの再生に加えて、株周りの休眠芽から多数の新しい芽が発生するために、地上部の数や量が増えたように見えることもあります。
近年増加している少人数で管理を行なうコースにおいて、ラフなどの刈り込みが十分に行なわれない場合、刈り込み後の再生力に優れる本種の発生が多くなる傾向があります。

写真:密生した根茎(左)、チガヤ地下部の様子(右)
写真:密生した根茎(左)、チガヤ地下部の様子(右)

● 生態

種子と根茎により繁殖しますが、一度定着した場合には主に根茎による栄養繁殖で広がります。根茎による繁殖力は著しく、この雑草の特徴となっています。根茎の分布は深さ約120cmにもなり、根茎につくひげ根は深さ150cmに達することもあります。
新しい株の形成は親株の基部から伸長した根茎の先端が地上部に萌芽することによっておこりますが、根茎が切断された場合、根茎の各節に1つずつ存在する不定芽から新芽が伸長してそれぞれが新しい株を形成します。条件によっては切断根茎の全ての節から新芽が伸長することもあります。
定着したチガヤは4月頃出芽して、5-6月頃に開花、その後に葉が生育します。そして晩秋11月頃まで生育した後は、地下茎で越冬します。しかし、草型の大小、発生と開花が春から夏に生じるものから周年に渡るものなど、形態や季節性が異なる変異集団がいくつか確認されています。
花序は細長い茎が立ち、白色で絹毛が生えた長さ5-20cmほどの尾状の穂をつけます。

写真:開花期のチガヤ
写真:開花期のチガヤ
写真:根茎の先端部
写真:根茎の先端部
写真:根茎から再生した個体
写真:根茎から再生した個体
 

● 発生環境

種子の休眠性は浅く、結実後は20-35℃の湿潤条件下で速やかに発芽(落下時の環境が発芽に適さない場合、深い休眠に入り発芽率が低下することもあります)して、20/30℃の変温条件や光が発芽率を高めます。土壌中の種子の寿命は通常1年程度と短いです。
根茎は芽(休眠芽)があれば長さ1cm以上、幅2-5mm以上で再生可能となり、切断根茎からの新芽の萌芽は20-35℃の範囲で発生、その萌芽能力は出穂の1ヶ月程前に著しく増加します。また、萌芽数は気温が高いほど多くなる傾向があります。

● 発生消長

チガヤ
発生消長

発生時期の表記について
:多発生 :発生
温暖な地域では発生時期、開花時期ともに早く、また長くなる傾向があります。

● シンジェンタからのおすすめ防除法

  • 出穂期である5〜6月頃の刈り込みを随時行なうことで種子の形成を抑え、種子由来の新しい株の発生を抑えます。
  • 地下茎の抜き取りによる防除を行なう場合、少しでも根茎が残っていると再生が進むため、取りこぼしがないように注意します。
  • 発生が甚だしい場合には、非選択性の茎葉処理剤のスポット処理や塗布処理を行なうことにより地下部まで大きなダメージを与えることができます。
  • 芝草でチガヤに登録のある除草剤を春秋期に連続使用することにより、チガヤの密度を徐々に低下させることができます。

● 雑草コラム

ゴルフ場で強い多年生雑草:なぜチガヤは刈り込みに強いのか?
理由はたくさん考えられますが、その1つに地下部への養分蓄積量が盛んであることが挙げられます。
ゴルフ場であまり問題にならない多年生イネ科雑草の1つであるススキは株元からの分げつで増えていくタイプの植物です。このタイプは地下部に蓄えている養分量が比較的少ないため、頻繁に刈り込みが行なわれる条件では生育が困難になり、衰退しやすくなります。
それに対して、チガヤは地下茎(匍匐茎)で繁殖するタイプの植物であるため、地下部に蓄える養分量が多く、頻繁な刈り込み条件においても生き残りやすくなります。
このことからチガヤが発生している場合には、耕種的防除(刈込み)と化学的防除(除草剤)を組み合せて行なうことをお勧めします。

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