トップ病害ポケットブックネクロティックリングスポット病

●病害ポケットブックオンライン版

● 病原菌

Ophiosphaerella korrae

● 芝種

ノシバ、コウライシバ、ケンタッキーブルーグラスなど

● 病徴

春先に発生する病害でリング状やパッチ状に芝が枯れ、盛夏になっても発病跡が分かる場合はネクロティックリングスポット病が疑われます。春先の芝が萌芽してくる時期には乾燥害のような不定形パッチに見えることがありますが、萌芽率が上がってくる5月・6月には明確に色抜けした淡黄色の半円形からリング状のパッチとして現れ、直径は30センチから2メートルに及びます。病勢が激しい場合はパッチ内部が陥没してしまうこともあります。パッチの周縁部はラージパッチのように赤味を帯びることはなく、また植物体を引っ張っても地際部から取り外せることもありません。病害に感染した芝の地際部、根と匍匐茎は、こげ茶色や黒色に変色します。盛夏になるとパッチの周囲から健全植物が覆ってくるので徐々に自然治癒しますが、発生が激しい場合は回復が遅れます。

半円形からリング状のパッチ
半円形からリング状のパッチ
パッチ内部が陥没してしまうパターン
パッチ内部が陥没してしまうパターン

● 病原菌の生態

日中の温度が21〜24℃になる晩夏から初秋にかけて根・匍匐茎に感染が始まり、10〜15℃になると感染がより活発となります。病原菌の生育速度は非常に遅く、発病に至るまでに2、3年を要するとも言われています。一旦発生すると毎年同じ個所に発病は観察される傾向にあります。

● 発生環境

ネクロティックリングスポット病はpHが5-8の土壌を好みます。また比較的乾燥する場所を好むため、傾斜地やマウンドの頂上などの水はけの良い場所に発生することが多いです。一度発生が見られると数年間同じ場所での発生が繰り返される傾向にあります。発病エリアの土や感染芝の張替による持込み、バーチカルカット等の強い更新作業を発病中の感染芝に実施することによって更に病気が拡大する可能性があります。

● 管理のコツ

  • 石灰等を入れて強アルカリ状態にします。
  • 中〜高レベルのリン、カリ、微量要素を与え、根の活性を高めます。
  • サッチの量を減らします。
  • 冬期間でも散水を行い、乾燥を避けます。
  • 根・匍匐茎の活動が活発となる秋期に殺菌剤によって病原菌が感染することを防ぎます。
  • ラフ等の刈高が高い場所で芽数やサッチが多い場合、殺菌剤の散布水量は多めにしてやる方が効果は安定します。
  • 殺菌剤の散布水量を多めにできない場合は、ムク刃での穴あけ等をしてルートゾーンに薬剤が届きやすくします。
  • 散布時に土壌が乾燥している場合は浸透剤を用いることで薬剤の土壌への浸透を促します。

● 発生時期

図(発生時期)

発生時期の表記について
:多発生 :発生

● シンジェンタからのお奨め防除法

ネクロティックリングスポットに対して多くのラージパッチ剤は高い効果を示すことができません。また春期に一旦発生してしまったネクロティックリングスポットに対して薬剤を処理しても顕著な効果は確認できません。芝がまだ休眠に入る前の秋期に予防的に殺菌剤を散布することが効果的です。

● 最近の話題

ネクロティックリングスポットにかかった場所が冬に緑色に見える場合があります。これは芝が回復してきたのではなく裸地化した場所に雑草が侵入してきているためです。春先だけでなく冬場でも目立ってしまうやっかいな病害です。雑草を除去し、ネクロティックリングスポットからの回復を促進させることが重要です。

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