トップ病害ポケットブックフェアリーリング病

●病害ポケットブックオンライン版

▼ 問題解決のソリューションシートはこちら
・ 病害ソリューションシート
フェアリーリング病(コムラサキシメジ)

● 芝種

暖地型芝草

● 病原菌

フェアリーリング病を発生させる可能性のあるキノコは世界で約54種類にものぼります。日本でよく見られるものとしては、

チビホコリタケ Bovista dermoxantha
ヒダホコリタケ Vascellum curtisii
シバフタケ Marasmius oreades
コムラサキシメジ Lepista sordida

などがあります。この中でもノシバ・コウライシバで被害が大きいのがコムラサキシメジです。

● 病徴

コムラサキシメジは秋になるとキノコを形成させます。芝が緑色を保っている間、キノコが発生した場所は濃緑色化リングや枯死リングとなって目立ちます。リングは外側へ1年間で80cm程度広がり、内側は回復します。

コムラサキシメジによるリング症状 コムラサキシメジの子実体
コムラサキシメジによるリング症状 コムラサキシメジの子実体

● 病原菌の生態

コムラサキシメジは10-30℃で生育し、最適生育温度は25℃です。

コムラサキシメジの病原菌

● 発生環境

コムラサキシメジによるフェアリーリング病は、通常の管理をしているゴルフ場ならどこでも発生する可能性があります。しかし発生を促す最大の要因はサッチなどの未完熟有機物が土壌中に豊富にあることです。

● 管理のコツ

  • 未熟な有機物の使用を避けます。
  • バーチカルカットによってサッチの量を減らします。
  • エアレーションを実施します。
  • 充分な散水を行います。
  • 適度に窒素施肥(一部のフェアリーリング病の症状を緩和)します。
  • 浸透材・保水材を使用(撥水性を帯びたエリアへの水の浸透を助ける)します。
  • 予防・治療殺菌剤の使用をします。

● 発生時期

コムラサキシメジの発生時期

発生時期の表記について
:多発生 :発生

● シンジェンタからのお奨め防除法

  • 薬剤散布水量は多めにし、地下の菌生息域に届かせます。
  • コムラサキシメジによるフェアリーリング病が発生する場所はサッチが多いため、薬剤がサッチに吸着してしまうため効果が明確に現れない場合があります。普段からサッチの量を適切に管理することが必要です。
  • フェアリーリング病によって病徴が表れている土壌は撥水性を帯びている場合があります。殺菌剤を処理する前に浸透材を散布し、撥水性を改善することが重要です。
引用文献

寺嶋芳江・加藤正広・真行寺 孝・藤家 梓(2002)コウライシバ芝生におけるコムラサキシメジ子実体発生とフェアリーリング病徴の5年間の動態.芝草研究31:64-65
Yoshie Terashima and Azusa Fujiie (2005) Development of a fairy ring caused by Lepista sordida on Zoysiagrass over an eight-year period. International Turfgrass Society Research Journal Vol. 10: 251-257

コムラサキシメジ / ホコリタケ類 トップへ戻る このページのトップへ戻る

● 芝種

あらゆる種類の暖地型芝草および寒地型芝草

● 病原菌

フェアリーリング病を発生させる可能性のあるキノコは世界で約54種類にものぼります。日本でよく見られるものとしては、

チビホコリタケ Bovista dermoxantha
ヒダホコリタケ Vascellum curtisii
シバフタケ Marasmius oreades
コムラサキシメジ Lepista sordida

などがあります。この中でも特にベントグラスで問題となっているのがチビホコリタケとヒダホコリタケです。2種類のキノコの違いは、下写真と下表の通りです。

チビホコリタケ(上段)とヒダホコリタケ(下段)
チビホコリタケ(上段)とヒダホコリタケ(下段)
特徴 チビホコリタケ ヒダホコリタケ
キノコ形態 大きさ 1-2cm 2-3cm
トゲ ない ある(とれやすい)
乳白色、傷をつけると黄色に変わる 乳白色
類球形 逆洋なし形、電球形
芝生の被害 キノコの発生 6-9月(7-8月に多い) 6-11月(8月にはない)
ベンドグラス 濃緑色リング、枯死 濃緑色リング、枯死
コウライシバ 濃緑色リング
ケンタッキー
ブルーグラス
濃緑色リング、枯死
地下の菌糸 位置 地下0.5-4.0cm サッチ部分〜地下約2cm
存在形態 点在 密に集中
病原性 ベンドグラス 被害性大 加害する
日本芝 加害する 加害性大

● 病徴

フェアリーリング病の症状は様々です。通常は、地表に子実体が現れた後に濃緑色のリングを形成し、その部分が枯死(局所的なドライスポットに似た撥水性を帯びたエリアを形成)します。しかしキノコだけが発生する場合、濃緑色のリングだけという場合もあります。さらに症状の順番が異なる場合や、リングが発生すると同時に芝生が突然枯れてしまうこともあります。

チビホコリタケの子実体 濃緑色化リング 枯死リング
チビホコリタケの子実体 濃緑色化リング 枯死リング

● 病原菌の生態

2種のホコリタケ類の間でも生態は異なります。
ヒダホコリタケの菌糸は土壌表層に高密度に存在し、そのために通水性が悪くなって枯れると考えられています。6-11月に発生しますが、8月の暑い時期は発生しません。
チビホコリタケの菌糸は地下4-5cmの間にまばらに存在しますが、菌糸の束を作る性質を持っています。この菌糸束は芝の根毛にぐるぐる巻きついて、根毛が水分を摂取できない状態にしてしまいます。盛夏に活発に活動し、特にベントグラスに対して加害性が大きいという傾向があります。

根に絡みついたチビホコリタケ菌糸 根の組織に感染したチビホコリタケ菌糸
根に絡みついたチビホコリタケ菌糸 根の組織に感染したチビホコリタケ菌糸

● 発生環境

フェアリーリング病は、通常の管理をしているゴルフ場ならどこでも発生する可能性があります。しかし最も発生に適した要因はサッチなどの未完熟有機物が土壌中に豊富にあることです。

● 管理のコツ

  • 根圏における未熟な有機物の使用を避けます。
  • バーチカルカットによってサッチの量を減らします。
  • エアレーションを実施します。
  • 充分な散水を行います。
  • 適度な窒素施肥(一部のフェアリーリング病の症状を緩和)。
  • 浸透材・保水材を使用(撥水性を帯びたエリアへの水の浸透を助ける)。

● 発生時期

チビホコリタケの発生時期

発生時期の表記について
:多発生 :発生

● シンジェンタからのお奨め防除法

  • 散布水量は多めで地下4-5cmの菌生息域に届かせます。
  • 菌は土壌中の広範囲に生息していると考えられるため、カラーを含めたグリーン全面に薬剤散布を行います。
  • ホコリタケ菌の活動は15℃以上であるため、5-6月頃から予防処理主体で防除します。
  • 一系統の薬剤に頼らずにローテーション散布を行います。
引用文献

Terashima Y, Fukiharu and Fujiie (2004) Morphology and comparative ecology of the fairy ring fungi, Vascellum curtisii and Bovista dermoxantha, on turf of bentgrass, bluegrass, and Zoysiagrass. Mycoscience 45:251-260

コムラサキシメジ / ホコリタケ類 トップへ戻る このページのトップへ戻る

Copyright Syngenta. All rights reserved.