トップ虫害ポケットブックシバオサゾウムシの被害

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写真(シバオサゾウムシ)

シバオサゾウムシの英名はHunting Billbug といいます。ゾウムシの仲間は世界で60種類以上確認されていますが、北米において芝草に害を与える種類としてシバオサゾウムシのほかに Bluegrass Billbug、Phoenician Billbug、Denver Billbug の3種類が知られています。北米でもシバオサゾウムシはノシバやコウライシバなどの日本芝、バーミューダグラスのほかバヒアグラス、セントオーガスティングラスなどに害を与えるゾウムシとして問題となっています。日本においてはシバオサゾウムシがゴルフ場の問題害虫として知られるようになったのは1970年代の終わり頃から1980年代前半頃と言われています。

写真(シバオサゾウムシ)

幼虫は卵から孵化した1令幼虫から蛹になる直前の6令幼虫まで約3週間から5週間かけて脱皮をしながら徐々に大きくなっていきます。幼虫の特徴としては脚をもっていないことが挙げられます。卵は芝草などの茎や葉鞘部に産み付けられるため、孵化幼虫(1令)は新芽や髄を食害しながら地際へ移動していきます。生息場所を地中に移した幼虫は芝草の生きた根や匍匐茎(ランナー)を好んで食害します。ゴルフ場で芝の根を食害し、フェアウェイ、ラフ、グリーンなどに被害を起こしているコガネムシ類とシバオサゾウムシには、その食害の仕方に違いがあります。コガネムシ類の幼虫は基本的には雑食性で、芝の根だけでなく周辺にあるサッチなども一緒に摂食します。これに対してシバオサゾウムシは芝の根、匍匐茎(ランナー)の生きたものしか食べません。そのため、被害は深刻となりやすく、幼虫1頭あたりの被害も甚大なものとなってしまいます。

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表面上の被害は日本芝に発生する春はげ症や、その他のしずみ症と似ているかもしれません。写真のような症状では病気と思い違いをしても仕方のないところです。また、2005年のような、西日本における乾燥した状況では、乾燥害と見分けがつきにくいかもしれません。しかし、食害されている箇所では芝の根が極端に短くなっていたり、匍匐茎(ランナー)が途中で切れていたりすることがあるため、ほかの箇所より枯れ症状が早めに現れてくると思われます。そのようなところは、シバオサゾウムシによる被害を疑ってみる必要があります。シバオサゾウムシの幼虫は生きた芝の根、匍匐茎(ランナー)をねらって的確に食害するので、被害箇所の芝を引っ張ると、ターフがめくれ上がることが見られます。

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防除の方法としては、幼虫は地中深くに生息しており、幼虫対象の防除が困難なことから、以前までは地際付近に生息している成虫を対象として薬剤を散布することが主流であったと思います。しかし、地際の土壌やサッチなどに強力に吸着してしまうタイプの殺虫剤とは異なり、深いところまで届くネオニコチノイド系殺虫剤の登場によって、今ではシバオサゾウムシは幼虫対象の防除が主流となってきています。
特に、ビートルコップ顆粒水和剤は、希釈倍率400倍で、1m2当り100mlの散布水量でもシバオサゾウムシ幼虫の防除が可能です。潅中機も必要ありません。シバオサゾウムシ防除も効率化が可能な時代です。地中に染み込んだ有効成分のチアメトキサムが素早く芝体内に取り込まれ、長く留まります。ビートルコップが散布された芝の根を幼虫がかじろうものなら、たちどころに摂食を停止します。他の系統の殺虫剤とは違う、芝生を芝生の内側から守る殺虫剤です。生きた根や匍匐茎(ランナー)しか食べないシバオサゾウムシにも効果が高い理由がここにあるのです。

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