トップコースとともにNO.17 ターフ訪問 太平洋アソシエイツ 佐野ヒルクレストコース

●コースとともに

太平洋アソシエイツ 佐野ヒルクレストコース(栃木県佐野市)

ラフの法面では刈り込みの労力を軽減!!


プリモマックスを利用してグリーンの芝密度を上げる

佐野ヒルクレストコース  コースデザインの奇才と称されるデズモンド・ミュアヘッドが設計監修に当たった太平洋アソシエイツ佐野ヒルクレストコース。日本の庭園美をテーマに、欧米風と日本風の趣が微妙にマッチしたコースで、ワングリーンとそれを囲むガードバンカーの独特な形状が印象的です。
 この美しいグリーンについては、管理が行き届いていると高い評価を得ています。この点について同ゴルフ場のコース管理課ディレクター・井上実氏は「チャンピオン杯やシニア選手権など、いろいろな競技が頻繁に開催されるので、いつでも競技ができるようにと心がけています。突然、『明日頼むよ』と言われても対応できるように最高の状態を目指しています」と語ります。
 もちろん、高いレベルを維持するためには苦労が多く、特に当地は夏の高温が大敵となっています。今夏の猛暑で全国的に有名になった館林が隣の市であることからも、その環境の厳しさがうかがえます。
「グリーンの芝はベントグラスですが、メインの品種が夏に弱く、高温で雨が続いたりすると芽数が減って芝が薄くなってしまいます。そこで別の品種をインターシードすることによって一定の水準を確保しています。また、夏を良好な状態で乗り切らないと、秋のハイシーズンにベストな状態になりません。10月ごろの状態を良くしたいというのもインターシードをしている理由です」

コース管理課ディレクター 井上 実氏
コース管理課ディレクター
井上 実氏

 井上氏はグリーンの品質維持のため、このインターシードと並行して、植物成長調整剤の『プリモマックス』を散布しています。昨年は試験的に散布し良好な結果が得られたので、今年は6月半ばと7月初旬の2回、グリーンへの散布を行いました。芝の芽数を密にするというのが目的です。
 この『プリモマックス』については、芝の密度向上という目的のほか、梅雨時の刈り込み軽減という用途でも5〜6年前から利用しています。「6月初旬から半ばにかけての梅雨前にラフへ散布しています。当コースのラフは法面が多いです。平坦なコースと異なり、法面の多いコースは刈り込みに手間取ります。特に大変なのは、刈りカスを熊手で集めること。この労力を削減するためにも『プリモマックス』は必需品ですね」
 今年はフェアウェイと平行ラフへの散布も実施しましたが、こちらは刈り込み軽減が目的ではありません。同コースでは、フェアウェイにカートの乗り入れを認めており、そのために芝が傷むので、この問題への対策だそうです。
 「セルフカートを増やしたことが大きく影響していますね。電動カートなのでスピードが出るため、どうしても運転が荒っぽくなります。カーブを曲がりきれなくて芝生を傷めてしまう。芝を張り替えても同じことを繰り返すことになります。カート乗り入れ可能というのはセールスポイントとはいえ、悩ましい問題です。やはり芝がはげていると印象が悪いですからね」
 つまり『プリモマックス』を散布すれば芝が密になって立ってくるので、これによってカートから受けるプレッシャーに対抗し、傷みを軽減しようというわけです。フェアウェイへの全面散布が理想だそうですが、いまは予算の範囲でラフとフェアウェイへの散布をバランスよく配分しています。

写真(プリモマックスを利用してグリーンの芝密度を上げる)

 「経済環境が厳しいので、やはり管理の予算も削られています。その際に何を削るかということになるわけですが、目砂やラフの肥料などは真っ先に削減されてしまいます。やはり優先順位はグリーンからとなり、ラフやフェアウェイの管理は一段低く見られてしまいます。今後さらに経済状況が厳しくなれば、除草剤などの散布も限られてくるでしょう。ただ、あまり予算を削ってしまうと、芝の品質を維持できなくなってしまうので、下げ止まっているというのが現状です」
 管理の予算を一気に圧縮した場合、1年や2年では目立った変化は見られなくても、3年くらい経過すると弊害が出てくることがあります。たとえば、新たな種類の雑草が発生して、その対応のために従来よりも除草剤の費用がかさんでしまうというケースなどです。
 「経費を削減したことによって、かえって費用がかかってしまう。悪循環になるので、あまり下げすぎるのも問題ですね。最近は、限界を超えてしまうと後が大変だという考えが定着しつつあります。無条件で予算を下げろという意見は少なくなってきました。いずれにしても、いま確保できる予算の中で、いかに有効な管理を行い課題に対処するかということが重要ですね」
佐野ヒルクレストコース  井上氏は当面の課題として、夏場のグリーンの芝密度、フェアウェイへのカート乗り入れによる芝の傷みのほか、池の周囲とバンカー周りの刈り込みなども重視しています。この作業は非常に手間がかかるそうで、ここには別途に月1回のペースで『プリモマックス』を散布しています。
 「グリーンに関しては、『プリモマックス』を積極的に使っていきたいと考えています。夏の芝密度を下げたくないので、来年は5月ころから使い始めて、定期的に2週間おきに散布するつもりです」
 このように『プリモマックス』を5回程度散布することによって、グリーンにどのような効果があるのか楽しみだ、と井上氏は来年への展望に思いを巡らせます。

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