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インパチェンスのべと病に注意!

2012.04.20

近年欧米で園芸種インパチェンスにべと病が流行し、大きな問題になっています。国内ではまだ発生例は限られていますが、今後汚染が広がると、苗の生産および植栽としてのインパチェンスの利用に障害となることが懸念されます。生産者の皆様には十分な注意をお願いするとともに、国内での本病の拡大を食い止めるため、適切な対応を取っていただくようお願いいたします。

インパチェンス べと病の病原菌

インパチェンスべと病の病原菌 (Plasmopara obducens) は、ツリフネソウ属のいくつかの植物にのみ感染し、他の花卉類には病気を起こしません。園芸種インパチェンス (Impatiens walleriana) の品種によって本病に対する抵抗性に強弱はあるようですが、研究が十分でないため、全ての品種について注意が必要です。なお、ニューギニアインパチェンス (Impatiens hawkeri) は本病に耐性を示します。

症状

葉の裏にかびが生えるため、初期の症状を見落とし手遅れになる場合が多く見られます。発病した葉は退色し、下に向かって巻き込むように変形する場合があります。発病がすすむと株の生育が遅れ、葉の破れや落葉が起こります。湿度の高い環境下では葉裏に白色の胞子がつくられます。この症状をうどんこ病と誤解したケースの報告がありますが、うどんこ病の胞子は主に葉表に作られますので注意して下さい。感染してもすぐに発病しない場合もあり、出荷時にみかけが健全であっても出荷後に発病して問題となる可能性があります。

伝染源

葉の裏面で作られた胞子は、風や散水で周囲に飛散し、圃場内にまん延していきます。発病株の葉や茎の内部には耐久体がつくられ、次年度の伝染源となります。

予防対策

  • 薬剤防除は予防的に行うこと。発病してからでは効果劣る。
  • べと病の感染初期は無病徴のため、差し穂やプラグ苗は信頼できる品質のものを使用する。
  • 種子伝染はしないので、育苗初期の予防的な防除は健全苗の育成に効果的。
  • 換気や送風などの対策を行い、過湿にしない。
  • 水やりは早朝に行い、葉をできるだけ乾いた状態に保つ。
  • 出荷終了後、残った株は速やかに施設外に持ち出し廃棄する。
  • 生産施設の中および周囲に営利目的以外のツリフネソウ属の植物を持ち込まない。
  • 出荷後、店頭や植込み直後の発病防止のため、出荷直前に仕上げの防除を行うことが望ましい。

発病後の処置

  • 明らかに発病している株、感染が疑われる株は速やかに施設外に出す。
  • 運び出す際は胞子が飛び散らないよう、ビニール袋などに封入して持ち歩く。
  • 発病株は穴を掘って埋めるなど、周囲に病気が広がらないようにする。
  • 発病株の周り半径1メートル以内の株は、既に感染している恐れが高いのですべて同様に処分する。
  • 落葉などの残さも施設外に持ち出し処分する。
  • 発病株を置いていた部分のベンチ表面を塩素消毒剤などで消毒する。
  • 残った株には薬剤散布を行う。

防除体系について

現在日本国内で本病に対して登録のある薬剤はない。花き類に登録があり、べと病に効果がある薬剤を選択して使用する。本病は発生後急激に被害が拡大するため、発生前からの予防的な防除を心がける。湿度が高く発生に適した時期には1週間間隔で殺菌剤を散布する。使用濃度等はそれぞれの薬剤の花き類における登録内容に従う。また、耐性菌の発達を防止するために同一系統の薬剤を連用しない。


※ 防除について詳しいアドバイスが必要な場合は、シンジェンタ営業担当者までお問い合わせください。

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