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害虫と病気の話

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特別企画 「韓国農業の現状」

 21世紀を迎えて世界は政治・経済・社会など様々な面で激動の時代となっていますが,韓国の農業もまた貿易自由化・地球環境の変化など他の国と同様に多くの難しい問題を抱えています。このような韓国農業の全体像をご紹介することは簡単ではありませんが,その概略を紹介することにいたします。
 北を含めた韓国の総面積は約22万ですがその70%近くが山岳地帯です。韓国の耕地面積は約200万ヘクタールで,水田と畑の比率がほぼ半々となっています。気候は日本と同じように四季があり,年間の降水量は500〜1500mmでその50〜65%が6〜8月に降る夏期多雨型の気候となっています。
 昔は粗放な農業が行われていましたが,1964年から生産基盤となる土壌環境の整備と保全のための事業が進められ,1980年代には生産性を高め,環境に配慮した土壌管理・施肥技術が確立されて,日本と同様な集約的農業が行われるようになっています。主食であるイネの場合では,1960年代の10アール当たり収量が381Kg,国内自給が達成された1970年代には494Kg,1990年代以降は516Kgと着実に反収が増加しています。また,主穀の自給達成を目指した1970年代には,一時期,高い収量が得られる「統一型品種」が広く栽培されましたが,現在では良食味多収性で複合抵抗性を持った「日本型品種」が多く育種され,これらの品種が70万ヘクタールの水田で栽培されています。イネの栽培は機械移植栽培が中心ですが,8日苗の乳苗移植,直播栽培,不耕起栽培も盛んに行われている点が日本と少々違うところかもしれません。

 農村社会では老齢化が進み農業の担い手問題が深刻になっています。また,米を巡っては,食生活の西欧化が進んで一人あたりのお米の消費量が従来よりも26%も減って年間89Kgになったこと,ウルグアイラウンド協定によるミニマムアクセスの影響があることなど,生産量の増加と消費の減少による米の在庫量の増加という日本と同じような苦しい問題に直面しています。そこで,政府はイネ以外のムギ類・マメ類やトウモロコシのような雑穀,さらにはエゴマ,アブラナ,クコの実,ハトムギなどの特用作物への転作を奨励しており,それらの作物の加工・利用技術の研究も進んでいます。
 畑ではキムチ作りに不可欠の白菜・唐辛子を始め多種類の野菜が作られており,施設栽培の普及も進んで,生活が豊かになり多様化するにつれて栽培される野菜・花の種類も増え,高品質と高い競争力を目指した生産が行われています。

 これらの農業発展の歴史を反映して,作物保護の分野では1960年代には700種類に過ぎなかった病害虫の発生種類が1990年代には99種の作物で3900種にまで増加し,各種の作物の安定生産をおびやかす存在として問題になっています。一方,農薬使用量の増加に伴って環境保全・安全性についての社会的な関心が高まっており,病害虫・雑草発生の精度の高い予測法の確立と新たな防除技術の開発が求められています。おおざっぱでしたが,今回はこの程度のご紹介とし,次回以降にもう少し細かな点についてご紹介したいと思います。

(写真提供:韓国農村振興庁提供)

元韓国農業科学技術院
 金 章圭     

2002年7月26日掲載

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→→第2話「韓国におけるイネの主要病害」

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