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害虫と病気の話

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第73話 成虫、幼虫共に農作物に被害を与える重要害虫、ヒメコガネ

日本本土全域に分布し、年1回発生するヒメコガネ

コガネムシ類の多くは、農作物に悪影響を及ぼし、大きな問題を引き起こします。なかでも食葉性コガネムシ類のヒメコガネは、ドウガネブイブイ、アオドウガネとともに代表的な重要害虫です。
 今回はヒメコガネの生態と、防除についてご紹介します。
 ヒメコガネは日本本土と対馬、トカラ列島の一部に分布し、成虫の体長が13〜15mmくらいのコガネムシです。金属のように輝く羽が特徴で、体色は銅緑色、青緑色、栗色などの変異が多く見られます。
 発生は年に1回。土中でふ化し、1齢から3齢幼虫を経過した後、黄熟幼虫となり、蛹になります。羽化し、成虫となってからも土中で5〜13日間、潜伏した後、地上に出て、植物の葉を摂食し、卵巣が発育した後交尾し、土中に産卵するというライフサイクルです。個体差はあるものの、1匹が50個前後の卵を産卵します。
 成虫は6月〜9月に発生し、農作物に飛来し摂食・産卵します。ふ化幼虫の1齢幼虫の期間は約1カ月ですが、2齢幼虫以降は成虫の産卵時期や幼虫の餌条件によって9〜10月に3齢幼虫まで成長し、越冬するグル−プと、2齢幼虫で越冬し、翌年に3齢幼虫に成長するグループがいます。
 南九州の例では7月中旬以前に産卵された個体群は、8月下旬には3齢幼虫まで生育し翌年5月から蛹化しましたが、7月中旬以降の産卵した個体群は年内に3齢幼虫までは生育せず2齢幼虫で越冬することが確認されています。

ヒメコガネ成虫
ヒメコガネ成虫
ヒメコガネの卵
ヒメコガネの卵
ヒメコガネ幼虫
ヒメコガネ幼虫
ヒメコガネ蛹
ヒメコガネ蛹

葉を食害する成虫、根を食害する幼虫

ヒメコガネの成虫はダイズの葉を加害することから、英名はsoybean beetleと呼ばれています。ダイズのほかにはラッカセイ、ブドウ、クリなどの葉も食害します。葉の摂食は昼夜ともに認められますが行動は夜行性で、日中は葉裏、または土中にひそみ、夜間に飛翔します。また、走光性が強いため、外灯や蛍光灯などに集まる習性もあります。
 7〜8月にかけての産卵期は、特に摂食量が増えるため、被害が増大します。被害を受けた農作物は、葉脈だけになってしまい、落葉期が早まることもあるので、注意が必要です。
 また、幼虫も食害を引き起こします。2齢幼虫、3齢幼虫が各種野菜、サツマイモ、陸稲,ムギ、タバコや樹木の苗などの根部を食害するのです。根が食害されるため作物の成長が阻害され、サツマイモやラッカセイなど根部そのものが収穫物となる作物は収量減や食害痕による商品価値の低下を招きます。
 ただし、1齢幼虫は有機物などを摂食するため植物は食害しません。また蛹になる前の黄熟幼虫は全く摂食しないことも知られています。

ヒメコガネ幼虫
ヒメコガネ幼虫
ヒメコガネによるサツマイモの被害
ヒメコガネによるサツマイモの被害

成虫は飛来初期に、幼虫は土壌処理で薬剤防除

成虫の防除は畑を見回り、食害が発見された飛来初期に1〜2回薬剤防除するようにします。コガネムシ類に効果が高いのは、ネオニコチノイド系のアクタラ粒剤5などの殺虫剤で、残効が長いことが特徴です。効果的なタイミングで散布することによって、少ない回数で薬剤の効果を最大限に引き出すことができます。
 幼虫は地下部に生息するため防除が難しいのですが、前述の通り、2齢幼虫、3齢幼虫が被害を及ぼしますので、植え付け時の土壌消毒や粒剤土壌混和による越冬幼虫の防除の防除を行うことで効果が得られます。土壌混和剤としては上記のアクタラ粒剤5の効果が期待できます。被害が現れてからの殺虫剤散布は効果的とはいえません。また、成虫・幼虫とも、発見したらその場で取り除くことも大切です。

シンジェンタジャパン株式会社 技術顧問

2011年7月29日掲載

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→→第74話 100種類以上の植物に害を及ぼす重要害虫、ヨトウガ

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