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害虫と病気の話

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第67話 耕種防除と適正な農薬で黒星病を防ぐ

春先と秋の発生が心配な黒星病

黒星病は日本特有の病害で、幸水や豊水などの赤ナシに多く発生します。中でも幸水は黒星病に極めて弱い品種です。一方で、青ナシの20世紀、新水、早生赤は少なく、今村秋、菊水、八雲などの品種や西洋ナシにも発生しません。時期的には5〜6月の春先と9月中旬〜10月中旬頃に、最も多く発生します。それは黒星病菌が10℃前後と比較的低温で活発化するためです。20℃近くになると菌の活動が停止し、25℃以上では発生が抑制されますが、雨が多いと感染が拡大するため、梅雨が長く、冷夏の年には夏でも発生します。
 また、秋に発病した葉は落葉し、地表面で越冬、秋芽の鱗片に感染したものは樹上で越冬し、それぞれ翌年の発生源となってしまうため、注意が必要です。

ナシ収穫時果実に発生した黒星病
ナシ収穫時果実に発生した黒星病
ナシの果梗・果実に発生した黒いスス状の病斑
ナシの果梗・果実に発生した黒いスス状の病斑

黒星病を早期に発見するポイント

黒星病の特徴は葉、果実、枝など樹各部位に異なった症状を呈し現れます。
 葉では黒スス状の病斑が見られますが、果実の幼果期に発病すると黒色の病斑をつくり、その後拡大せずコルク化し成長とともに病斑部が陥没し、亀裂が入ってしまうため、早期に発見し除去することが重要です。では、早期に発見するためには、何をチェックすればいいのでしょうか。

ナシの葉に発生した黒星病
ナシの葉に発生した黒星病
黒星病によるナシの幼果裂果
黒星病によるナシの幼果裂果

第一ポイントは、芽基部病斑といわれる春型病斑です。春先は、基部に発生した春型病斑がある近くの葉や葉柄、幼果の果梗での発病が多く見られます。1本の樹に10個以上の病斑が見られる場合は、その年、初期の黒星病が多発しているサイン。この段階で徹底的な防除を心がけましょう。
 第二のポイントは、9月以降の秋型病斑。これは、葉の裏全面に症状が出てきます。秋に黒星病が広がると梨園に伝染源を多く残しやすくなり、翌年の黒星病の多発につながるので、注意が必要です。

ナシ黒星病 枝病斑
ナシ黒星病 枝病斑
ナシ黒星病 芽基部病斑
ナシ黒星病 芽基部病斑

農薬の散布は秋期と開花期前後がポイント

黒星病は、剪定、施肥、栽植の密度、日照、排水、通風などの栽培方法や環境によっても、木の抵抗力に違いがみられます。特に窒素過多の梨園では黒星病の発生が広がりやすいので、下草の管理や、落葉の処理、適正な施肥など、耕種防除を心がけましょう。

農薬の散布による秋期と春先の防除が重要です。秋期には黒星病菌を越冬させないために、幸水と豊水の収穫後に2回、地域の防除暦を参考にし、必ず農薬の散布を実施します。幸水の収穫後(9月下旬)にアミスター10フロアブルなどの殺菌剤、豊水の収穫後(9月中旬〜10月下旬)にはキャプタン剤の散布が効果的です。
 また、春の開花期前後は越冬した黒星病菌を拡大させないために重要な時期だといえます。発芽1週間後と開花前の2回、キャプタン剤を散布し、さらに、落花期から5月下旬にスコア顆粒水和剤などのEBI剤を使用します 。EBI剤は、赤星病にも効果が期待できるため、散布間隔は10日以内、遅れても12日以内に行うようにします。薬剤散布は薬液が葉や果実に十分付着するように、散布量を多めにするとともに、園地周辺部にも丁寧に散布します。梅雨期は、黒星病に加え輪紋病の病害の感染期でもあるため、同時防除を 行うと良いでしょう。

梅雨明け以降は、乾燥と高温で感染が抑えられるので、基本的には防除は不要です。
 ナシは黒星病だけでなく他の病害虫の発生や被害は色々な条件が積み重なり、影響し合った結果として病害が発生します。的確な黒星病防除対策を実践するために、耕種防除と共に適正な農薬の使用が大切といえるでしょう。

・品種別、病害発生部位の違い

<黒星病の発生部位> 若葉 成葉 幼果 成熟果
品種:幸水
品種:豊水 Δ

●:一般的に発生する  Δ:まれに発生する  −:殆ど発生しない 

シンジェンタジャパン株式会社 技術顧問
倉 和男

2010年12月27日掲載

※製品に関する最新情報は「製品ページ」でご確認ください。

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→→第68話 赤星病は、薬剤散布と地域の協力で防除

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