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第64話 ジャガイモヒゲナガアブラムシとウイルス病
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第64話 ジャガイモヒゲナガアブラムシとウイルス病
 写真1 ジャガイモヒゲナガアブラムシ |
ジャガイモヒゲナガアブラムシ(写真1)は日本全国に分布するアブラムシの一種で、農作物をはじめとして草本植物に広く寄生します。アブラムシ類による農作物の被害というと、一般的には多寄生によって植物が弱ったり、排泄物で汚されるということを想像しますが、このジャガイモヒゲナガアブラムシ(以降、アブラムシと省略)には作物に病気を引き起こすウイルスを運び、蔓延させるという性質もあります。このアブラムシが運ぶウイルス病は様々な作物で問題となっていますが、特に、大豆ではダイズわい化病というウイルス病が発生し、北日本では防除が必要な重要病害となっています。ここではダイズわい化病とその防除対策について述べます。
ダイズわい化病の病徴と被害
本病に罹ると草丈の伸長が止まり、7月以降には健全株と比較してわい化症状がはっきりしてきます(写真2)。それと同時に葉の縮葉や黄化なども認められます(写真3)。このような株は夾つきや子実の充実が著しく悪くなるため、収量が極端に減ります。さらには成熟期になっても落葉せず、茎水分が高いままであるため、収穫作業に支障をきたします。
 写真-2 ダイズわい化病の発生状況 |
 写真-3 ダイズわい化病に罹病した株 |
ウイルスの感染
ウイルスの伝染源は、大豆ほ場近辺に生育しているウイルス感染したアカクローバおよびシロクローバです。アブラムシはクローバ上で越冬しており、春にウイルスを獲得したアブラムシが翅を得て大豆ほ場へ飛来します。その時期は大豆が出芽した直後の5月下旬から6月までで、アブラムシが茎葉を吸汁してウイルスを感染させます(一次感染)。さらに、大豆で繁殖したアブラムシが一次感染株から再びウイルスを獲得し、歩行して周囲の株へウイルス感染株を広めます(二次感染)。
防除対策
発病が毎年多い地域では播種前に殺虫剤を種子処理するか、または粒剤を土壌施用します。4〜5月が温暖に経過した年はアブラムシの発生が多くなる傾向があります。発生が多くなると予想される場合にはさらに殺虫剤を茎葉散布します。ウイルス感染が集中する時期は5月下旬から6月までですので、茎葉散布は出芽直後から始め、散布回数は7日間隔で3回までとします。
道立十勝農業試験場 病虫科 小野寺鶴将
2007年6月6日掲載
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