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害虫と病気の話

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第58話 灰色かび病、菌核病

灰色かび病

灰色かび病は、多くの野菜や花き、果樹の果実や花などに発生して被害をもたらす多犯性の病害です。20℃前後で、果実の成熟期に雨や結露水が多い時期や、密閉したハウス内で湿度が高い状態が続くと発生しやすくなります。冬春期の施設栽培のナスやトマト、キュウリでは、開花後の花弁や幼果を感染の足がかりにして発病が進みます。イチゴは成熟した果実のガク周辺から発病しやすくなります。露地作物のキャベツやレタスでは、結球葉や地際部の葉柄基部から発病します。被害植物上に灰褐色のかび(分生子)を生じて腐敗し、これが周囲に飛散して病気が拡がります。腐敗性が強く、被害植物上はもちろん他の有機物上でも腐生的に繁殖し、菌糸や菌核などの形で生存し伝染源となります。
 施設栽培では、暖房装置や全面マルチ、流滴性フィルムなどの各種資材を有効に活用して、湿度管理を適正に保つことが大切です。夏期高温時は施設を密閉して蒸し込み、伝染源を根絶します。栽培中はほ場を衛生的に保つため、発病果実や被害茎葉は、見つけ次第、分生子が飛散しないように丁寧に除去します。薬剤散布は、発病前もしくは発病初期に重点をおき、初発時に治療効果の高い薬剤で防除を徹底します。発病が治まれば、予防的な薬剤を7〜14日間隔で輪番散布するとよいでしょう。ただし、薬剤耐性菌の出現が著しい病害であるため、散布に際しては耐性菌情報に留意しましょう。

写真1 なすの灰色かび病
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なすの灰色かび病
写真2 灰色かび病の分生子と菌核(黒い塊)
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灰色かび病の分生子と菌核(黒い塊)
写真3 灰色かび病の分生子
写真3
灰色かび病の分生子

菌核病

菌核病も、灰色かび病とよく似た環境で発病しやすい病害です。果菜類の他、アブラナ科野菜のキャベツ、ダイコン、ハクサイ、豆類のアズキ、インゲン、エンドウなどでも発生が多く見られます。果実では先端の花着部位から発病しやすく、枝や茎の基部から発病することもあります。被害植物上には白色綿状の菌糸塊を生じます。次第に菌糸塊が黒い菌核に変化し、地面や地中の浅いところで越年し第1次伝染源となります。この菌核が、春や秋の冷湿条件に遭遇すると発芽して杯状の子のう盤を形成し、そこから子のう胞子を飛散させて発病を繰り返します。
 前年多発したほ場では、1.菌核を地中深くに埋め込むように深耕する、2.夏期に圃場を湛水して菌核を腐敗させる、3.土壌消毒を行う、などの方法により病原菌密度を下げます。土壌全面にビニールマルチを施し、子のう盤からの胞子飛散を防ぎ、併せて湿度を低下させて発病を抑制します。施設の場合は、紫外線カットフィルムを展張して、子のう盤形成を抑制することも有効です。薬剤散布は、菌核が発芽する前からの予防散布が大切で、灰色かび病との同時防除が可能です。

写真4 きゅうりの菌核病
写真4
きゅうりの菌核病
写真5 菌核から発生した子のう盤
写真5
菌核から発生した子のう盤
写真6 子のう盤上の子のう胞子
写真6
子のう盤上の子のう胞子

大阪府立食とみどりの総合技術センター
岡田清嗣

2006年10月19日掲載

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