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第51話 ネギアザミウマ
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第51話 ネギアザミウマ
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体長1.1〜1.6mm程度のアザミウマで、英語名もOnion thripsと言い、読んで字のごとくネギやタマネギの世界的な大害虫です。図鑑などによりますと、この虫は多種多様な植物を餌としているようですが、日本ではこれまでネギやタマネギ以外ではそれほど被害が問題になっていなかったようです。しかし、近年になって以前とは違う性質のネギアザミウマがいるようだという声が全国各地で聞かれるようになっています。例えば、以前ではほとんど問題になることのなかった、キュウリ、キャベツ、エンドウ、アスパラガスといった野菜類のほか、ダリア、カーネーションなどの花き類、カンキツ、カキなどの果樹類での被害が無視できなくなってきているのです。さらには、合成ピレスロイド剤やネオニコチノイド剤といった様々な種類の殺虫剤が効かない(効きにくい)ネギアザミウマが全国各地で発生しています。なお、殺虫剤抵抗性の問題は、最近カナダやアメリカでも発生しており、世界的な問題となっていく可能性もあります。
 写真1ネギアザミウマ雌成虫(淡黄色型)※
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 写真2ネギアザミウマ雌成虫(褐色型)※ |
この虫には古くからいろいろなタイプがあることが知られています。例えば、体色(淡黄色〜褐色)、寄主選好性(タバコに寄生するかどうか)、繁殖様式(雌だけで繁殖するタイプと雌雄で繁殖するタイプ)、ウイルス(トマト黄化えそウイルス)媒介能力などの性質が異なるタイプが報告されています。これらに加えて、前述のような従来とは違った性質を持つタイプが出現しているのです。殺虫剤が効かないタイプやウイルスを広めやすいタイプは作物生産の妨げとなるわけですが、実際には体色の異なるタイプを除き、見た目では全く識別ができません。そこで現在、遺伝子を解析することにより、ネギアザミウマをタイプ分けし、容易に区別する方法の研究が進められています。
 写真3ネギアザミウマ蛹
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ネギアザミウマの防除は殺虫剤散布による化学的防除が中心となりますが、前述のように殺虫剤の効果が低い場合がありますので、今後散布する薬剤の選定には注意を要するようになるでしょう。一部地域のカキで発生したタイプは合成ピレスロイド剤に対して強い抵抗性を持っているので特に要注意です。化学的防除以外では光反射シートマルチなどによる耕種的・物理的防除法、ククメリスカブリダニなどの天敵資材を用いた生物的防除法なども有効です。
※ただし、両者は温度反応による体色変異型であり、文中の体色タイプとは異なります。
独立行政法人 農業・生物系特定産業技術研究機構 土田 聡 2006年3月17日掲載
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