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害虫と病気の話

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 第33話 ウィルス病の媒介害虫―コナジラミ類―

写真1:シルバ−リーフ
コナジラミの蛹
 前回はアブラムシとアザミウマについて述べましたが、コナジラミ類も重要なウィルスの媒介害虫です。媒介するコナジラミにはタバココナジラミやオンシツコナジラミ、シルバーリーフコナジラミなどがあります。今回はトマトやナス、トルコギキョウなどの野菜や花で大きな問題になっているトマト黄化葉巻病ウィルスの媒介虫であるシルバーリーフコナジラミ(写真1)について述べることにします。

シルバーリーフコナジラミ:(英名:Silverleaf whitefly 学名:Bemisia argentifolii
 1989年に愛知県で発見され、1991年には34県にまで広がり、当初はタバココナジラミ(学名:Bemisia tabaci、英名:Sweetpotato whitefly)とされていましたが、DNA分析や交尾行動の解析などからタバココナジラミとは別種であることが明らかとなり、カリフォルニア大学のT.Bellows博士等により、上記のように命名されました。和名では英名の発音どおりの「silverleaf」⇒「シルバーリーフ」と「whitefly」の和名⇒「コナジラミ」で「シルバーリーフコナジラミ」となりました。
写真2:オンシツコナジラミの蛹

  • 寄主作物:トマト、ナス、イチゴ、ダイズ、キャベツ、メロン、カボチャ、ホウレンソウ、セルリー、パンジー、ケイトウなど多くの作物に寄生するほか雑草などにも寄生することが知られています。
  • 発生経過:卵⇒幼虫(1令→3令)、蛹(写真1、2)⇒成虫(写真3)。
  • 被害:幼虫の吸汁害や成虫や幼虫が分泌した分泌物へのすす病の発生による葉や果実の汚れ、光合成の阻害などがありますが、特徴的なのは、多くの作物で白化や緑色退化などの異常症(写真4)が発生することです。
  • 形態:幼虫は終令幼虫で体長が0.8mm-1.0mm、体色は淡黄色をしています。成虫は体長が約0.8mm、体色は淡黄色かオレンジに見え、白色の羽をもっています。静止した時の姿勢(写真5、6)に特徴があります。
写真3:成虫の産卵と
周囲の幼虫
写真4:トマトのTYLCV
による異常症
写真5:シルバーリーフ
コナジラミの成虫
写真6:オンシツコナジラミ
の成虫


この害虫が媒介するウィルス病⇒トマト黄化葉巻病(TYLCV)
 わが国では1996年に静岡県清水市三保の温室内トマトで最初に発見されています。
写真7:トマトのTYLCV症状
写真8:トマトのTYLCV
による症状

  • 症状:TYLCVに感染すると新葉が葉の縁から褪色しながら葉巻症状となり、葉脈間が黄化し縮葉となります。このウィルス病は成長点が影響を受けるので、新芽の生育は著しく悪化し、発病後は収穫がほとんど望めなくなります。発病した枝や新芽を除去しても新しく出てくる芽は同じ症状(写真7)がでてきます。
    発病すると、開花しても結果せず、収量に大きな影響が出ます。(写真8)
  • 感染する作物:トマト、ミニトマト、ピーマン、タバコ、インゲンマメ、トルコギキョウなどですが、雑草のノゲシやウシハコベなどにも感染し、これらの雑草が感染源になることがあります。
  • 媒介害虫と伝染方法:
    シルバーリーフコナジラミだけによって媒介され、他の害虫や汁液伝染によって伝染することはありません。幼虫と成虫が保毒植物を吸汁するとウィルスを保毒し、約24時間の潜伏期間を経た後、伝播能力を持ち、死ぬまでその能力を持ち続けます。
  • 防除対策
      写真9:シルバーリーフ
      コナジラミ蛹寄生蜂の脱出孔
    • ウィルスに感染した作物は健全な作物への伝染源となります。ウィルス病になった株を見つけたらただちに抜き取り土中に埋めるなどし、ほ場周辺に放置しないことが大切です。
    • シルバーリーフコナジラミの媒介によって感染するのでこの害虫の防除を育苗期から徹底します。
    • ほ場内、周辺の他の作物や雑草にこの害虫が寄生している場合はこれらが増殖源となるので防除を行うようにします。
    • 施設では内部への侵入を防ぐため、開口部に防虫網を張る必要があります。
    • 天敵の寄生蜂の放飼も有効です(写真9)

当社の防除薬剤:当社ではコナジラミ類の剤としてアクタラ粒剤アクタラ顆粒水溶剤チェス水和剤ツヤコバチEF30などがあります。適用の内容など、それぞれの詳細についてはホームページをご覧下さい。


シンジェンタ ジャパン株式会社
開発本部 技術顧問
     古橋 嘉一

2004年6月14日掲載

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→→第34話キャベツの菌核病

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