水田の除草から始める、水稲の品質と収量対策『非選択性茎葉処理除草剤を上手に組み合わせた雑草の管理』

水田内・畦畔の雑草の管理(除草管理)は、米の品質・収量の確保に非常に重要です。しかし水田内・畦畔内の除草管理には大きな労力を伴います。一方で、除草の労力を軽減し、品質と収量の確保・向上を実現している水稲農家の方々もいます。その方々が実践しているのが、一年を通じての除草管理(通年雑草防除)です。

水田の雑草対策に、水稲用除草剤だけではなく、耕起前や、稲刈取後の秋から冬にかけて非選択性茎葉処理除草剤を組み込み、体系立てた通年雑草防除で、ノビエ・クログワイなどの難防除雑草をふくめ、水田全体をしっかり除草管理することが出来ます。シンジェンタジャパンは、効果的・効率的な水田(本田・畦畔)の除草管理について、下記の体系処理を提案いたします。

防除カレンダー

稲刈取後も栽培期間中も水田を雑草から守る「タッチダウンiQ」と「プリグロックスL」

根までしっかり枯らすグリホサート剤
タッチダウンiQ

タッチダウンiQ商品画像

タッチダウンiQは、製剤中のグリホサート酸を高濃度化し、さらに独自の界面活性剤により、有効成分が雑草の茎葉の表面から速やか内部に浸透します。そのため、 根を含めた雑草全体をしっかり枯らすことができ、種子で繁殖する一年生雑草だけでなく、主に地下茎で広がるスギナや塊茎を作るクログワイなどの難防除雑草の除草に効果的です。

適用表

散布の15分後の降雨・低温時でも即効で枯らす
プリグロックスL

プリグロックスL商品画像

プリグロックスLは、植物の光合成を利用し、イオンの力で、雑草を枯らす除草剤です。プリグロックスLは散布後1日以内に効果が現れ、散布15分後の降雨でも安定した効果を発揮します。また、多くの農薬は低温時に効果が鈍化しますが、光と酸素さえあれば効果を発揮するプリグロックスLは気温に左右されず、まだ寒い春先でも雑草を即効で枯らします。

適用表

クログワイ : 塊茎の寿命が長く水稲用除草剤だけでは除草が難しい難防除雑草

水田内のクログワイの生長と防除タイミング

クログワイの成長と防除タイミング

クログワイの特徴

クログワイは、カヤツリグサ科の雑草で北海道を除く全国に分布し、温暖地東部以北で多く発生します。クログワイは、直径1cmほどの黒色球形の塊茎から萌芽し、地表下30cmからでも萌芽します。萌芽期間は長く、水稲移植後30日以降にも及び、土中での塊茎の寿命は5~7年に及びます。根茎から多数の分株を出して群生します。

春先に萌芽したクログワイ

春先に萌芽したクログワイ

クログワイ

クログワイ

クログワイが水稲に与える影響

クログワイの発生が多いと水稲の分げつが抑制され、水稲の穂数が減少し、登熟歩合が低下します。事実、クログワイの防除が不十分な水田では、稲の収穫が約50%程度減収した事例もあります。

水田に繁茂するクログワイ

水田に繁茂するクログワイ

クログワイ対策のポイント

クログワイは、萌芽期間が長いため、水稲用除草剤1回処理での防除は困難です。そのため、クログワイの防除には、春の生育初期から秋の塊茎形成にわたる期間で、クログワイに有効な薬剤を体系処理し、さらに稲刈取後にタッチダウンiQ等の浸透移行性の非選択性茎葉処理除草剤を組み合わせることが有効です。クログワイの徹底防除には、このような水稲用除草剤による体系処理および稲刈取後処理を組み合わせた体系を3年ほど継続することが重要です。

稲刈取後のクログワイへのタッチダウンiQの散布は、薬剤をしっかりとクログワイに付着させるために高刈りを行うか、稲刈取後2週間ほど待ちクログワイが再生後に、タッチダウンiQ50倍液を散布します。薬剤処理後はしっかりと塊茎まで有効成分を浸透させるため、2週間ほど耕起はしないようにしましょう。タッチダウンiQ処理後、クログワイの塊茎は低温・乾燥に弱いため、秋から冬に耕起することで塊茎を地表に露出させて、塊茎の死滅も促すことができます。

タッチダウンiQ適用表

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ノビエ(ヒエ) : 稲の生長を圧倒し、除草時に取りこぼしを起こしやすい問題雑草

ノビエの生長と防除タイミング

ノビエの生長と防除タイミング

ノビエ(ヒエ)の特徴

イネ科雑草ヒエ属で水田発生するヒエには、タイヌビエやヒメタイヌビエ、イヌビエノビエなど複数あり、ノビエと総称されます。ノビエの特徴は、まず生長スピードが速い点があげられます。ただ、ノビエの生長スピードはバラツキがあり、天候によっても変動するため、除草タイミングの見極めを難しくしています。また、ノビエ3葉期を過ぎると多くの除草剤で防除が困難になっていきます。

もう一つのノビエの特徴は、稲と見分けづらい点があります。穂が出る前のノビエは稲との見分けがつきづらいうえ、出穂後は登熟した種子からどんどん落として、翌年以降のノビエの発生源を増やしていきます。

イネと見分けがつきづらいノビエ

イネと見分けがつきづらいノビエ

ノビエ(ヒエ)が水稲に与える影響

ノビエは水田雑草の中でも生育量が大きいため、多発すると養分や光を横取りして、イネの生育を妨げ、イネの穂数を減少させ、収量を低下させてしまいます。つまり、ノビエとの競合によって主にイネの穂数が減少することで減収につながります。

事例としてノビエの近くの稲は、ノビエから3m離れた稲より半分以下しか稲穂がつかず、粒も小さい傾向が見られました。また、水田内にノビエなどの雑草が多発している圃場では、斑点米の発生が多い傾向にあることが報告されています。

イネより太く生育しているノビエの茎

イネより太く生育している
ノビエの茎

ノビエ近くの実付きの悪い稲穂

ノビエ近くの
実付きの悪い稲穂

ノビエから3m離れた稲穂

ノビエから
3m離れた稲穂

ノビエ(ヒエ)対策のポイント

【翌年のノビエ密度の低減が期待できるプリグロックスLの稲刈取後散布】

稲刈取後に再生したノビエで作られた大量の種子が圃場内に落ちると、種子がそのまま越冬し翌春に発芽して大きな被害を引き起こします。そのため、稲刈取後に再生したノビエについては、低温でも効くプリグロックスLを散布しノビエがタネをつける前に枯らすことが大切です。また、プリグロックスLだけがもつ『イネ科雑草種子発芽後枯殺効果』によって、植物体上の種子にプリグロックスLが付着することで、その後成熟した種子がこぼれ落ちても発芽せず、新たな発生源にはなりません。

プリグロックスL適用表

【移植後7日後~ノビエ4葉期まで使えるアクシズMX1kg粒剤】

ノビエの生育は、同一圃場でも、ばらつきがあります。具体的には水田の中のノビエの9割がノビエが2.5葉以下でも、3葉期のノビエが存在し、見落とされがちです。

ノビエ対策は、最大葉齢にあわせて最適な薬剤を選択することが重要となります。アクシズMX1キロ粒剤は、(移植水稲)移植後7日~ノビエ4葉期まで、(直播水稲)稲1葉期~ノビエ4葉期までの幅広い散布適期を有するため散布遅れによる取りこぼしを低減します。

【水管理が難しい水田ではアピログロウMX1キロ粒剤とアピログロウMXジャンボ】

水管理が難しい水田だと水稲用除草剤がどうしても効きにくいですが、水変動に強い有効成分ピリフタリドが配合されているアピログロウMX1キロ粒剤・ジャンボは、水管理が難しい水田のノビエ対策におすすめです。

アクシズMX1kg粒剤適用表
アピログロウMX1kg粒剤適用表
アピログロウMXジャンボ適用表

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スギナ : 畦畔と水田周辺にはびこり、根絶が難しい難防除雑草

スギナと畦畔雑草の防除タイミング

スギナと畦畔雑草の防除タイミング

スギナの特徴

畦畔に繁茂するスギナ

畦畔に繁茂するスギナ

スギナは地上茎を除草剤処理や草刈り機で防除することは比較的簡単ですが、強大な地下部の栄養繁殖器官を完全に枯らしたり、手取りで除去することは困難で、栄養茎も容易に再生し、胞子と地下部の根茎・塊茎で繁殖する難防除多年生雑草です。

スギナは、早春に地下茎から発生する胞子茎(ツクシ)は胞子を数万個も作り、胞子は湿った条件(pF2.7以下)で発芽し、秋までには成植物になります。スギナの胞子茎に続いて栄養茎が萌芽し、ほとんど同時に地下の根茎が伸長を始めます。スギナの生育は萌芽から2か月以降に旺盛になり、この頃には塊茎も形成され、4か月後頃には地上部で光合成された同化産物の75%以上が地下部に分配され、地下部に強大な栄養繁殖器官が形成されます。

スギナの地下部は地下30~40cm層に多いですが、さらに地下1mにもおよぶこともあります。約2cm間隔に節を持つ根茎が地中を横走し、その節から地上部に栄養茎を出します。

スギナ対策のポイント

スギナ対策のポイントは、非選択性茎葉処理除草剤を、スギナの地上部が20~30cmのタイミングでたっぷり散布することがポイントです。また、難防除多年生雑草のスギナは、作用機作が異なる根までしっかり枯らすタッチダウンiQと、地上部を即効で枯らすプリグロックスLの体系処理によって、しっかり枯らしていくことができます。

タッチダウンiQ25倍液(50L/10a)を散布したスギナ根まで確実に枯らす

タッチダウンiQ25倍液(50L/10a)を散布したスギナ
根まで確実に枯らす

プリグロックスL50倍液・100L/10a)を散布したスギナその日に除草効果を発揮

プリグロックスL50倍液・100L/10a)を散布したスギナ
その日に除草効果を発揮

タッチダウンiQ適用表
プリグロックスL適用表

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斑点米カメムシ : 斑点米をつくり、米の等級を落とす害虫

斑点米カメムシの住処になる水田周辺の雑草防除のタイミング

斑点米カメムシの住処になる水田周辺の雑草防除のタイミング

斑点米カメムシの特徴

斑点米カメムシはその種類によって行動パターンや特性が異なります。ただ、斑点米カメムシに共通することとして、斑点米カメムシが好む畦畔や水田周辺の牧草・雑草地のイネ科雑草等を経由し本田に侵入し、稲穂に深刻な被害を与えます。

水田近くのイタリアングラス

水田近くのイタリアングラス

水田近くのメヒシバ

水田近くのメヒシバ

斑点米カメムシが水稲に与える影響

斑点米カメムシによる大きな被害の代表が、斑点米を作ることです。斑点米を作る斑点米カメムシは、籾を吸汁し、その部分に菌が繁殖し斑点を生じさせます。斑点米はその米の等級(質)を落とす大きな要因となっており、斑点米カメムシの吸汁加害による斑点米は増加傾向にあります。

斑点米(斑点米カメムシに加害された米)

斑点米
(斑点米カメムシに加害された米)

アカスジカスミカメ

アカスジカスミカメ

斑点米カメムシ対策のポイント

【斑点米カメムシによる斑点米被害の予防の肝はイネ科雑草の管理】

斑点米カメムシによる斑点米被害を予防するには、稲の田植え時における箱処理剤の活用はもちろん、斑点米カメムシが増殖しやすい水田周辺の雑草地・畦畔の雑草を管理することが重要です。特にイネ科雑草のノビエは、稲よりも早い時期に出穂し、アカスジカスミカメなどの斑点米カメムシは、出穂したノビエの穂に好んで産卵し斑点米カメムシが繁殖していきます。そのため、水田内のノビエの密度を下げることや、水田周辺の雑草地・畦畔のイネ科雑草を除草することで、水田内や周辺の斑点米カメムシの密度を抑え、斑点米被害のリスク軽減につながります。

【斑点米カメムシ対策の除草に適した時期】

斑点米カメムシは出穂期以降に侵入し加害し始めます。そのため、水田周辺の雑草地・畦畔の雑草の除草は、出穂時期の10~15日前までに行うことが大切です。稲の出穂期前に畦畔等のカスミカメムシ類の密度を低減できれば、水田内に侵入する成虫個体数を抑制し、斑点米被害のリスク低減に繋がります。

タッチダウンiQ適用表
プリグロックスL適用表

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水田・畦畔での効果的な非選択性茎葉処理除草剤の使い方

非選択性茎葉処理除草剤を散布したのに雑草が枯れ残るというお話を時折伺います。そのような雑草の枯れ残りが起きる理由は、特定の除草剤が苦手な種類の雑草であったり、また同じ除草剤に頼り、使い続けると、雑草が除草剤に対して抵抗性を持ったからかもしれません。そのため、効率的に雑草を管理していくためには、有効成分が異なるタッチダウンiQとプリグロックスLの体系処理が有効です。

タッチダウンiQ適用表
プリグロックスL適用表

体系防除を導入した水稲農家の皆様の声

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