残留農薬基準とは、食品衛生法第7条に基づく食品の規格基準の一つで、農産物中に残留する農薬の最大上限値を定めるものです。通常、1kg当たりの農産物に、ある農薬が残留する限度をmgとして、「ppm(百万分の1)」で表されます。残留基準を超えて農薬が残留している農産物は、国産品、輸入品を問わず、流通、販売などが禁止されます。
 

どのように設定されている?
残留農薬基準は、次の2つの要素をもとにして、薬事・食品衛生審議会が設定します。

(1)

 個々の農薬ごとに定められる1日摂取許容量(ADI
※ADIとは、「ヒトが一生涯にわたって毎日摂取し続けても、健康に影響をおよぼさないと判断される量」のことで、動物実験など、科学的な評価に基づいて決定されています。

(2)

 1人1日当たり摂取する農産物の量(暴露量の評価)
日本では、厚生労働省が毎年行っている「国民栄養調査」から算出します。

 

設定のプロセス

農産物中の残留農薬の実態(作物残留試験など)および国際基準、各国の残留農薬基準を参考にして、各農産物に許容し得る残留農薬基準値(案)を作成する

各農産物に基準値(案)の上限まで農薬が残留していると仮定して、基準値(案)に各農産物の摂取量を掛けあわせる

これらを累積して、基準が適用される農産物すべてから摂取されるその農薬の摂取量を試算する(TMDI:Theoretical Maximum Daily Intake による暴露量の試算)

この値が、上記のADIの80%を超えなければ、その基準値(案)が採用される


 なお、国民の農産物摂取量については、国民平均だけではなく、幼小児、妊婦、高齢者についても摂取量が考慮され、そのいずれの場合においても、ADIの80%を超えることがないように、安全確保が図られています。
 また、農薬の使用基準にしたがって使用すれば、残留基準値を超えることはありません。


↑国民平均,幼小児,妊婦,高齢者について、それぞれ摂取量を試算する。

戻る