病害虫・雑草防除ガイド - 雑草の話
世界では最重要雑草7種のひとつ
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チガヤ(前編)

写真(茅の輪(京都府白峯神宮))

写真1:茅の輪
(京都府白峯神宮)

チガヤ(Imperata cylindrica (L.) Beauv.)はイネ科の多年生草本で、世界中の熱帯から温帯に分布しています。日本では、北海道や東北北部ではまれですが、その他の地域では、水田の畦や路傍、果樹園、芝地などで普通にみられます。私たち日本人には、「我が君に 戯奴(わけ)は恋ふらし 賜(たば)りたる 茅花(つばな)を食(は)めど いや痩せに痩す」と万葉集に詠まれているほどなじみ深い植物で、6月の大祓の儀式にはチガヤ(茅)の葉をより結んで作った「茅の輪」が用いられています。また、子供の頃、初夏に出た穂をガムのようにしがみ、ほんのりとした甘さを楽しんだ記憶のある方も多いでしょう。

写真(チガヤ群落(和歌山県串本))

写真2:チガヤ群落(和歌山県串本)

日本では、チガヤはそれほど厄介な雑草ではありませんが、Holmら(1977)によると、世界の最重要雑草7種のうちの一つにあげられ、特にアジアの熱帯地方では防除が非常に困難な厄介な雑草となっています。もともとチガヤが分布していなかったアメリカ合衆国では、日本やフィリピンから導入されたと考えられる個体が逸出し、フロリダ州やアラバマ州、ミシシッピー州南部で分布を拡大して大きな問題になっています。アメリカ雑草学会のWeed Technology 誌の第19巻1号(2005年)の表紙に、この逸出したチガヤの群落や穂のカラー写真が掲載されているほどです。また、国際自然保護連合の種の保全委員会が2000年に発表した「世界の侵略的外来種ワースト100」にもあげられています。

写真(チガヤの稈の節毛の有無)

写真3:チガヤの稈の節毛の有無

日本に自生するチガヤは、出穂した稈の節に毛が有る型と無い型に大別されます。有毛型は沖縄県から東北地方まで分布しており、無毛型は北海道まで分布しています。無毛型は有毛型と比較してやや湿った場所に生育し、穂を出す時期が早いのが特徴です。また、有毛型のうち、奄美諸島以南に分布するチガヤは、常緑で、一年中穂を出すのが特徴です。日本各地で採集したチガヤを同一条件で栽培すると、一般に南の地域から採集されたチガヤほど草丈が大きく、地上部が枯れる時期が遅い傾向があります。日本列島は南北に長いため、それぞれの地域の気候条件に対応した型に分化しているようです。

次の後編ではチガヤの除草法などついてご紹介します。

 

京都大学
農学研究科
冨永 達

2005年10月11日掲載

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