病害虫・雑草防除ガイド - 雑草の話
つるを地表に伸ばして繁殖する多年生雑草
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チチコグサ Gnaphalium japonicum Thunb.(キク科)とその仲間

写真(チチコグサ)

写真1:チチコグサ

写真(チチコグサの葉の裏と表)

写真2:チチコグサの葉の裏と表

チチコグサ(写真1)は全国に分布している植物です。日当たりのよい草むらや芝生の中でよく見られます。タンポポと同じキク科の植物ですが、ちょっと見ただけではキク科の花とはわかりません。葉は細長く、表面は鮮やかな緑色ですが、裏面は綿毛があり白色です(写真2)。多年草で、地表面につるを伸ばして繁殖します。根元から1本が単生しているものと数本が叢生しているものとが見られます。草高は10cm位になりますが、2cm位の小さなものでも花をつけます。

千葉市では4月から6月に開花します。花は光沢のある茶褐色で、あまり目立ちません。果実はタンポポのような白い冠毛を持ち、風によって飛ばされます。

6月に飛ばされる直前の果実を採集して播いてみました。15℃、20℃、25℃、30℃の4つの温度条件(12時間照明)に設定した恒温器の中に3週間置いて発芽率を調べたところ、15℃、20℃では80%以上の種子が発芽しましたが、25℃では50%、30℃では数%しか発芽しませんでした。同じ種子を9月まで土中に埋めておいて、掘り起こして、同じ条件に播いたところ、どの条件でも80%以上発芽しました。種子ができた直後は低い温度でしか発芽しませんが、保存すると高い温度でも発芽するようになりました。野外では暑い夏の間には発芽しないで、秋に気温が低くなってから発芽するようです。これらの性質は以下で説明するウラジロチチコグサでも同じ傾向がみられました。

写真(ハハコグサ)

写真3:ハハコグサ

チチコグサは畑や空き地でよく見られるハハコグサ(写真3)と同じ仲間です。母子草に対して父子草と名付けたと思われるのですが、ハハコグサに比べると、チチコグサは花も目立たず、茎も細いため、弱々しい感じです。

チチコグサとハハコグサは昔から日本にあった雑草(在来種)ですが、最近、同じ仲間で、チチコグサモドキ、ウラジロチチコグサ、ウスベニチチコグサ、タチチチコグサなど外国から入ってきた雑草(外来種)が数多く見られるようになりました。これらの雑草はハハコグサやチチコグサに比べると全体に大きくたくましい感じです。

写真(ウラジロチチコグサ)

写真4:ウラジロチチコグサ

ウラジロチチコグサ(写真4)は20世紀の後半に日本に入ってきたと言われています。千葉市では、1980年ごろから急激に増加している雑草です。畑地よりも空き地、芝生、道端などで数多く見られます。地面に張り付くようにロゼットをつくるため、踏みつけに強く、人通りの多い芝生や道端で多数見られます。葉の表面は鮮やかな緑色ですが、裏面は綿毛が密生し、純白に近い色をしています。茎は分枝し、花は褐色で、長い穂状につけます。

これら5種のチチコグサ類の除草剤に対する感受性の差異についての報告例はほとんどありませんが、いずれも非選択性の茎葉処理除草剤(プリグロックスL、タッチダウンなど)やフェノキシ系除草剤で防除は可能です。

引用文献

  • 飯島和子他:東京湾沿岸の埋立地で見られる二次遷移初期過程の植物群落を構成する植物の種子発芽
    千葉県立衛生短期大学紀要第10巻第2号.
  • 牧野富太郎:牧野新日本植物図鑑 北隆館.
  • 廣田伸七:ミニ雑草図鑑 雑草の見分けかた 全国農村教育協会.
  • 岩瀬徹・川名興:たのしい自然観察 雑草博士入門 全国農村教育協会.
 

千葉県立衛生短期大学
生物学研究室
飯島 和子

2005年6月16日掲載

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