病害虫・雑草防除ガイド - 雑草の話
近くを通ると、ピチピチとさやの弾ける音が…
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カラスノエンドウ Vicia angustifolia L. (マメ科)

写真(カラスノエンドウの花(千葉市4月))

写真1:カラスノエンドウの花

写真(さやがはじけてとびだした種子)

写真2:さやがはじけて
とびだした種子

カラスノエンドウは本州、四国、九州では道端や野原に普通に見られる植物です。千葉市では2月から4月にピンクまれに白色の花をつけます(写真1)。漢字では烏野豌豆と書きます。実がカラスのように黒く(写真2)、野にあってマメがなる草というような意味です。カラスノエンドウに比べて、全体に小さいのはスズメノエンドウ(雀野豌豆)、カラスノエンドウとスズメノエンドウの中間の大きさのものはカスマグサ(カラスのカとスズメのスの間の意味)と呼ばれています。スズメノエンドウとカスマグサは白色に近い花をつけます。カラスノエンドウほど多くはありませんが、時々、カラスノエンドウと一緒に生えているのをみることができます。カラスノエンドウは別名をヤハズエンドウと言い、葉の先が少し、くぼんでいることからつけられたものです。

世界的に温帯地域の穀物畑、牧草地、樹園地における雑草となっていますが、飼料や緑肥として、栽培されている系統もあります。根を掘り起こしてみるとマメ科の特徴である根粒(写真3)もみられます。雑草として農耕地では嫌われる植物ですが、4月に蝶形花といわれるマメ科独特のピンクの花をつけた様子は、雑草であることを忘れてしまいます。また、2月の梅祭りのころに、梅林の林床をカラスノエンドウが覆っている(写真4)ことが多いようです。ウメの花の白とカラスノエンドウの緑のコントラストが印象に残っている方も多いことと思います。

  • 写真(根粒(千葉市4月))

    写真3:根粒(千葉市4月)

  • 写真(梅の花の下のカラスノエンドウ(熱海市2月))

    写真4:梅の花の下の
    カラスノエンドウ(熱海市2月)

カラスノエンドウの葉は細かい葉がたくさんついているようにみえますが、1枚1枚は小葉という複葉で、5、6対が普通の1枚の葉にあたります。先のほうの小葉は巻きひげになっています。

千葉市では、9月から10月に発芽し、幼植物で冬を越し、2月から4月に開花、6月にさやをつけ、7月には種子を落とし、枯死します。落下した種子は高温では発芽しないので、種子のまま、夏を越します。6月から7月の晴れた日に、黒いさやをつけたカラスノエンドウの群落の近くを通ると、ピチピチとさやの弾ける音を聞くことができます。近寄ってみると、さやがねじれて丸い種子がとんでいるのがみられます(写真2)。農耕地や空き地では大きな群落をつくることがありますが、1年で激減してしまうようです。

カラスノエンドウは非選択性除草剤のグリホサート剤、ジクワット・パラコート剤、グルホシネート剤に感受性が高く、いずれの除草剤でも防除が可能です。また、これらの除草剤に対する抵抗性バイオタイプの出現もみられません。

引用文献

  • 飯島和子他:カラスノエンドウVicia angustifolia の生活史と季節変化への適応
    雑草研究(別)46, 102-103.
  • 竹松哲夫・一前宣正:世界の雑草II(離弁花類) 全国農村教育協会.
  • 牧野富太郎:新日本植物図鑑 北隆館.
  • 岩瀬徹・川名興:たのしい自然観察雑草博士入門 全国農村教育協会.
 

千葉県立衛生短期大学
生物学研究室
飯島 和子

2005年5月17日掲載

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