病害虫・雑草防除ガイド - 雑草の話

雑草コラム Vol.7 ナス科雑草 イヌホオズキ

イヌホオズキ(ナス属)は、畑や路傍ろぼうなどに生育する夏生1年草です。5つに裂けた白色の花冠かかんの中央には、5本の黄色い葯そして雌しずいがあり、野菜のナス(ナス属)と同様な花の形をしています(写真1)。果実は球形で、成熟にともない緑色から黒紫色に変わります(写真2)。
さて、このイヌホオズキ、ダイズ畑の雑草として農家をとても困らせています。

タデ類やシロザなどの畑雑草は、ダイズの成長に必要な光や土壌中の栄養素を奪い、ダイズの成長を阻害します。そのような光や栄養素の競合は、ダイズとイヌホオズキにおいても起こります。しかし、イヌホオズキにはもう一つ厄介な特質があります。皆さんは、何だと思いますか。ヒントは、ダイズの子実が汚れていると等級が下がること、そして写真2です。

そうです、イヌホオズキは、ダイズの子実に汚れをつけてしまうのです。イヌホオズキがダイズとともにコンバインで刈り取られると、脱粒の過程で果実の液体がダイズの子実に付着し「汚損粒おそんりゅう」となってしまいます(写真3、写真4)。

農家は、除草剤を用い、あるいは中耕ちゅうこう・培土ばいど(畦間を耕しその土を株間に寄せること)をするなどして、イヌホオズキの防除に努めています。それでもイヌホオズキはなかなかなくなりません。



イヌホオズキは、ダイズ畑の他の雑草と比べ発芽期間が長く、ダイズの葉が畑地を覆う夏期になっても発芽するようです。ダイズの葉が落ちる秋になると、その葉の下に隠れていたイヌホオズキが顔を出すことがあります。そのようなイヌホオズキに対してある農家は「いつの間にか生えている・・・。」と嘆いています。

果実の滴しずくで農家を泣かせるイヌホオズキのお話でした。
(写真1〜4はいずれも2016年10月に秋田県南秋田郡大潟村の大学圃場等で撮影)

 

雑草コラム執筆者プロフィール
露﨑 浩
秋田県立大学生物資源科学部教授として、雑草の生態と制御および利用に関する研究、ならびに畑作物の安定・多収生産技術に関する研究に取り組んでいる。

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