病害虫・雑草防除ガイド - 雑草の話

雑草コラム Vol.1 イネ科雑草 メヒシバ

イネ科の夏生一年草のメヒシバは、日当たりのよい所に生え(ヒシバ、日芝)、またその形がオヒシバ(雄日芝)という別の雑草に比べ繊細なことから、メヒシバ(雌日芝)と名付けられたそうです。

メヒシバの生育地は、畑、畦畔、路傍、花壇あるいは芝地と多様です。生育地が多様である理由の1つとして、各生育地に適した「専門集団」の存在が挙げられます。

私は、ある幼稚園の花壇のメヒシバと花壇近くの路傍のメヒシバから、各々種子を採り発芽させ、同じほ場で育ててみました。すると、花壇由来のメヒシバは路傍由来のものと比較して、早く穂を出し、小さい種子を多く作りました。このような生態的な差異はどのようにして生じたのでしょうか。花壇では、苗の植え付け前に耕起が行われました。また、サルビアなどが咲き誇る花壇で、園児らが草取りに励んでいました。これらの作業が毎年繰り返されると・・・。

花壇での耕起により、それ以前に発芽したメヒシバは死滅します。小さくても多くの種子を作る個体のほうが、耕起の後の発芽数が多く、子孫を残す可能性が高いと考えられます。
また、園児らの「魔の手」が伸びる前に穂を出し種子を散布した個体がその子孫を土中に残すことになります。花壇での耕起と草取りという作業が、早く穂を出し小さい種子を多く作る花壇「専門集団」を選抜・育成したようです。花壇の他に、畑「専門集団」や畦畔「専門集団」などの存在が明らかになっています。

花壇および路傍に由来するメヒシバ系統の同一ほ場栽培での出穂日と種子長

  • 本表は「露崎浩 2005. 雑草研究 50,10-17.」をもとに作成
    出穂日、種子長ともに生育地間で統計上の有意差がある

解説

この写真は、花壇と路傍の各々に生えていた個体の種子(正しく小穂という)で、同一のほ場で育てた個体のものではない。 同一のほ場で育てても、この写真にみられるような種子長の差異は現れる。

 

雑草コラム執筆者プロフィール
露﨑 浩
秋田県立大学生物資源科学部教授として、雑草の生態と制御および利用に関する研究、ならびに畑作物の安定・多収生産技術に関する研究に取り組んでいる。

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