病害虫・雑草防除ガイド - 害虫と病気の話
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コナガ(小菜蛾) 英名:Diamondback moth, 学名:Plutella xylostella .L

 漢字では菜っ葉を食べる小さな蛾ということで「小菜蛾」と書き、英名では背面にひし形(ダイアモンド形)の淡黄白色紋を有することから「Diamondback moth」とよばれています。  この害虫はアブラナ科の植物を加害する世界的な大害虫として知られています。わが国では、1960年代以降から重要な害虫となりましたがそれ以前は、その被害が話題になるようなことはありませんでした。しかし1965年頃からキャベツを中心に恒常的に大発生する重要害虫となっています。その原因については、キャベツの栽培面積の増加や温室などの施設栽培作物での越冬量の増加などがあげられていますが、はっきりしたことはわかっていません。  原産地は西アジアとされ、世界中どこにでも分布していますが、現在その発生が問題となっている地域は東南アジア、北米、中南米地域が中心です。 コナガの防除は1970年頃まで、有機リン剤が用いられていましたが、1970年後半から抵抗性個体が出現し、その後合成ピレスロイド、BT剤(微生物製剤)、IGR剤(昆虫生育制御剤)などにも相次いで抵抗性個体が確認され、野菜害虫の中で防除の困難な重要害虫と位置づけられています。

被害と発生生態

アブラナ科野菜のキャベツ、白菜、ダイコン、カブ、ワサビ、チンゲンサイ(写真1)、クレソン、ブロッコリーなどを加害しますが、アブラナ科であれば雑草にも寄生します。

成虫は体長6mm位の微小な蛾です(写真2)。卵は約0.5mmで楕円形(写真3)をしており、主に葉に産み付けられ、卵から孵化した幼虫は葉にもぐり、葉肉内の組織を内側から食べています。2令になると、葉肉内から出て、主に葉裏から葉脈を残して食害するようになります(写真4)。幼虫は孵化直後は淡黄色ですが発育が進むと緑色に変化します。食害痕は不規則な白斑となり、ひどい場合は葉脈のみが残るようになります(写真5,6)。

幼虫は約10mm位まで発育し、葉裏に粗い繭をつくりそこで蛹となります(写真7)。
卵から成虫までの発育所要日数は25℃で約16日間と短く、年間の発生回数は、関東地域で10世代、九州地域では12世代と推定されています。年間の発生消長は春から初夏にかけてと秋に発生のピークが見られるのが一般的です。

当社の防除薬剤とその特性

コナガは薬剤感受性の低下がこれまで使用してきた薬剤に対し進んでおり、これまで有力だった有機リン剤や合成ピレスロイド剤がほとんど効かない状況になり、IGR剤も効果の低下が問題とされるようになっています。
当社には、コナガの防除薬剤として、IGR剤(昆虫生育制御剤)のマッチ乳剤、コナガなどのりん翅目害虫に卓効のあるマクロライド骨格を持つ新規の殺虫剤アファーム乳剤があります。これらの薬剤の特性や使用方法については、ホームページをご覧ください。

 

シンジェンタ ジャパン株式会社
開発本部 技術顧問
古橋 嘉一

2002年9月30日掲載

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