病害虫・雑草防除ガイド - 雑草の話
ロータリー耕が不可能な場所では、一度定着すると防除が困難に
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チガヤ(後編)

写真(チガヤ種子からの発芽)

写真1:チガヤ種子からの発芽

チガヤは、種子と地下茎の一種の根茎によって繁殖します。
チガヤの花粉は風によって運ばれ、一穂に700前後の種子を形成します。しかし、チガヤの穂の数が少なかったり、ちょうど花粉が飛散するときに雨天だったりすると結実率が極端に低くなり、まったく種子をつけないことも珍しくありません。形成された種子は親株の近くにそのまま落下したり、長さ12mm程度の絹毛があるために風によって散布されます。時には海峡を越えるくらいの距離を風によって運ばれることもあるそうです。種子は休眠性をもっていませんので、25〜35℃程度の温度と水分があれば、成熟後すぐに発芽します。西日本では、チガヤの種子が成熟し、散布される時期がちょうど入梅の頃ですので、散布された種子はこの時期に発芽し、冬が来るまでに根茎を十分に伸長させます。

写真(チガヤ根茎からの萌芽)

写真2:チガヤ根茎からの萌芽

チガヤの伸長した根茎の先端は、地上に出現して子株となります。チガヤの根茎には、約2cmごとに節があり、その一つ一つの節にはそれぞれ芽がついています。根茎が切断されると、この芽が地上へ伸長し、新しい個体になります。直径約20cmの素焼き鉢でチガヤを栽培した場合、一年間の根茎の総延長は約12mに達しました。

チガヤの根茎重量は、個体総重量の40〜50%を占め、根茎による繁殖が旺盛です。ロータリー耕が可能な場所では、ロータリー耕によってチガヤを容易に防除することが出来ますが、ロータリー耕が出来ない場所では、チガヤが一度定着すると完全に除去することは極めて困難です。移行性の茎葉処理剤をよく晴れた日の午前中に適量散布すると、効果的です。

写真(地中でからみ合ったチガヤの根茎)

写真3:地中でからみ合った
チガヤの根茎

最近では、河川敷や道路などの法面の緑化に、在来種のチガヤが、従来の外来種に替わって利用されるケースが増えてきました。チガヤは地下に長い根茎を伸ばし、土壌をしっかりと固定するので、土壌崩壊の防止に適した植物です。前回述べましたように日本のチガヤは地方集団に遺伝的に分化していますので、利用する場合は、遺伝的な攪乱が起きないよう留意する必要があります。

 

京都大学
農学研究科
冨永 達

2005年11月10日掲載

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